表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PUSH!!  作者: 桃色 ぴんく。
19/20

―魔界へ繋がる道―

 ヌヌヌヌヌ・・・と不気味な声を出すエリアボスと俺たちの戦いが始まった。泥の塊のようなボスには、ロビンの弓矢も効かないらしい。ロビンは、ボスの周りを飛んでいるハエのような魔物を狙って攻撃し始めた。

「よし、俺たちはボス狙いで行くぞ!」

「わかった!フレイム!!!」

進藤が早速魔法を唱える。しかし、効果はいまひとつのようだ。

「俺が行くっ!!!」

剣を振りかざして俺がボスに斬りつけた。



     ヌプッ・・・



俺の剣がボスの体に飲まれている。普通に斬っても無駄なことに気が付いた。

「まじかよ・・・」

魔法もほとんど効かない、剣でも斬れない、ロビンの弓矢も無理。じゃあどうやってこいつを倒すんだよ。

「勇生、どうしたらいいっ?」

「ちょっと考えるから、とりあえずフレイムで攻撃しといてくれ」

「わかった。フレイム!!!」

全く効果がないわけではないが、進藤のフレイムが与えるダメージは微々たるものだった。こんなチマチマした攻撃じゃ一体何時間かかるかわからない。くそっ・・・何か他に方法はないのか。俺たちの攻撃がまるで通用しないことをいいことに、ボスは反撃もせずひたすらじっとしている。

 ロビンは次から次へと現れる、ザコのハエをひたすら弓で攻撃していた。どうやらボスが倒れるまではザコもエンドレスに出現するようだ。ロビンのためにも早くボスをなんとかしなければ。

「どうすればいいんだ・・・あいつがドロドロじゃなければ斬れるのに・・・」

「どうにかして固めようよ!」

優歩が言うが、そんな方法があるわけがない。





「ハアッ・・・ハアッ・・・キリガナイ・・・」

「はぁっ・・・こっちも・・・きつい・・・フレイム・・・」

戦い続けているロビンと進藤にかなり負担がかかっているようだ。このままでは二人とも力尽きてしまう。

「お兄ちゃん!」

「優歩!」

俺は優歩に呼ばれて、思わず優歩と手を繋いだ。そして、繋いでいない方の手のひらをボスの方に向け、強く念じた。

「固まれー!!!!!」


    


     サ――――――――――――――――――――――――ッ・・・・・・



「!?」

突然、前に差し出した手のひらから砂のようなものが噴出した。

「なんだ!?」

「わかんないっ、けど、ほらっ!!!」

優歩がボスを指さす。砂のような細かい粒子が、ドロドロのボスの体に入り込み、ゆっくりと固めていくのがわかる。

「固まってきたぞ!」

ボスの足元からだんだんと体の色が変化し始める。あと少し、あと少しで頭の先まで固まる。そうしたらきっと斬れるだろう。俺は剣を握り直し、構えて、一歩前に踏み出した。

「よしっ行ける!」

ボスの頭のてっぺんまで色が変わるのを見届けた俺は、力一杯剣を振りかざした。

「うおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!」

叫びながら斬りつける俺の手に、激しい衝撃が襲ってきた。手がしびれるが歯を食いしばって剣を握り続ける。俺の剣はボスを真っ二つに割ろうとしていた。このまま、最後まで斬り続ける!しかし、今度は固くなかなか下まで剣が下ろせない。

「フレイムラッシュ!!!」

俺の背後から進藤が呪文を唱え、ボワッボワッと火のリングが渦を巻くように、俺の剣の方へと向かって行く。


            

ゴオオオオオオオオオオオオオオオ!!!



進藤のフレイムラッシュを受けた俺の剣が激しく燃え上がる。その熱さでさっきよりも剣が下に行く気がした。

「おおっ・・・」

剣を握っている手に炎の熱気が伝わってくる。熱い。かなりの熱さだ。早く戦いを終えなければ火傷してしまいそうだ。

「行け~~~~!!!!」

俺は力を振り絞ってボスの足元まで剣を下した。燃え盛る剣の刃がボスの体を切り裂いた。


          


             ヌヌヌヌ・・・・ヌヌ・・・ヌヌヌ・・・・



途切れ途切れに唸りながら、泥のような魔物は消えて行った。

「やった・・・」

俺は剣を収めて振り返った。

「・・・進藤!」

疲れ切っている時にフレイムラッシュを唱え、進藤の疲労はピークを越えてしまったようだ。ボスが倒れた後には俺の背後に倒れ込んでいた。

「美紀さん!美紀さんにヒール!」

優歩が進藤に回復の呪文を唱える。あたたかい白い光が進藤の体を包み込む。

「・・・う・・・ありがと・・・」

進藤が起き上がった。

「進藤の魔法がなかったら倒せなかったよ。ありがとう」

「ミキサン・・・ユウキ・・・オミゴトデシタ」

ロビンもかなり疲れているようだ。

「ロビンにヒール!」

優歩がロビンにも回復の呪文を唱える。

「アリガトウ。ゲンキニナリマシタ」

「良かったー」




――――――よくやった。記録ポイントを作っておく。



「シド!」

「シドちゃん!」



――――――この先は、いよいよ魔界へ通じる道に入る。今までの道より険しくなるから心して進むのだぞ。



「もうすぐ魔界に行けるのか・・・」

「怖いー。でも早く行きたいー」



 俺たちは記録ポイントにスイッチを入れ、各自記録を済ませた。今日はもう少し時間がある。行ける時にこの先に進むか。

「ね、とりあえず、一回戻りましょう」

進藤が声をかけてくる。

「どうした?」

「一回戻って、お昼ご飯にしないと、多分お腹ペコペコだよ」

「あ、そうか」

「私お弁当作ってきたから、ね、戻ろう!」

「ロビン、30分ほどで戻ってくる。待っていてくれ」

「ワカリマシタ。デハ ノチホド」

「わーい!美紀さんのお弁当ー!ロビンー、あとでねー!!!」

こうして魔界へ続く道に入る前に、俺たちは一度腹ごしらえをしに戻ることにしたのだった。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ