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本日二回目の更新です。
入園式の翌日、今日は朝からお昼前まで幼稚園があるため、怜を起こしてリビングに向かう。
「おはよう、怜、凛音」
「おはよう、ぱぱ」
「・・・おはよう」
怜はまだ完全に起きれてないらしく返事が遅い。
椅子に座り、朝食が出てくるのを待っていると、母がエプロン姿で料理を運んできた。てっきり仕事に行ったと思っていたので気にしていなかった。
「二人ともおはよう。今日の朝ごはんは久しぶりにママが作ったのよ」
母よ、あなたは料理が出来たのか。驚きだよ。
やはり、触れ合う時間がないとわからないことが多いな。両親がいるときはなるべく交流を深めるように頑張ってみるか。
母特製の朝食はトーストにベーコンエッグ、サラダに果物入りヨーグルト、スープといったメニューだ。
「「「「いただきます」」」」
おいしー。いつ作ってくれるかわかんないから今のうちに堪能しておこう。
朝食を終えて、自室に戻り、制服に着替える。
言うのを忘れていたけど、女子は紺のブレザーに大きいチェック柄のプリーツスカート、男子はスカートが膝丈パンツになっている。
私的にはこのかわいい制服が幼稚園の人気を出しているのではないかと思う。
「二人とも着替えたかー?」
父が部屋に入ってきた。スーツ姿なので今日は仕事らしい。イケメンは何着ても似合うな。
「今日はパパと一緒に行こうなー」
父は私たちを抱き上げて、車へ向かう。
「あなた、二人の靴と持ち物忘れないでちょうだい!」
「おお!すまんすまん」
「二人とも、靴履いて」
父がいったん私たちを玄関で抱き上げるのをやめると、すかさず母が靴を履かせた。
「二人ともこれ持って」
そう言って渡してきたのは鞄だ。中を見てみると体育着が入っていた。
「もう大丈夫か」
「ええ。二人とも気を付けて行ってらっしゃい」
「「はーい。いってきます」」
母に、見送られながら車に乗り込み幼稚園へと向かう。
「ここでバイバイな。楽しんできなさい。今日はママが迎えに来るから幼稚園が終わったらおとなしく待っているんだよ」
「「はーい」」
父と別れ、昨日入った教室に行くとじん君と紗織ちゃんがすでに来ていた。
「おはよー!りょう、りんね」
「お、おはよう」
「ふたりともおはよ」
「おはよう!」
「りょう、せんせいくるまであそぼーせ!」
「うん!」
「あっ、りょう!かばんおいてからあそんで」
「そうだった!」
怜は鞄を置くとじん君と遊び始めた。私も鞄を置いて紗織ちゃんとおしゃべりを始める。
十分後、先生が入ってきた。
「みんな、おはようございます。これから言う席に座ってね」
先生の指示に従って座っていく。名前の順なようで紗織ちゃんとは席が離れてしまったが、怜は私の隣にじん君は後ろの席になった。
「今日から皆と一緒に過ごすことになりました。小堀 明美といいます。気軽に明美先生って呼んでね。今日はクラスの皆を知るために自己紹介をします。自分の名前と好きな食べ物を言ってね」
自己紹介かー・・・めんどくさいな・・・・・・