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お姉さんに連れられ体育館に移動して行く。中には保護者の人々が拍手をしながら新入生を見守っている。
順番に椅子に座り、入園式が行われていく。園長先生の話が長いので、眠くなってくる。周りを少し見渡してみると数人寝ている子がいた。この状況で寝るなという方がむずかしいのかもしれない。
といっても、私も眠い・・・・・・・・・グー・・・・・・。
『これにて入園式を終了させていただきます。園児の皆さんは先生について退場してください。保護者の皆様には連絡事項がありますのでその場でお待ちください』
・・・・・・・・・ハッ!寝てた・・・
肩が重く感じたので横を見てみると怜がこちらに頭を預けて寝ていた。私は怜を起こして先生についていった。
教室に着くと先生はどこかに行ってしまった。さっき保護者の皆様は~・・・って言ってたから、それが終わりまで園児は遊んでおいてってことなんだろう。
何しようかな~っと考えていると、隣にいた怜が急に駆けだした。
「じん!」
「あっ!りょう、あそぼーぜ!」
「うん!なにする?」
じん君がいたのか。それにしても仲良くなるのはやいなぁ。
「あのっ」
「ん?」
うしろに紗織ちゃんがいた。
気付かなかった・・・びっくりした・・・隠密できるんじゃね?この子
「あ、あそびませんか」
「いいよ!なにしてあそぶ?」
「さおり、りんね。おまえらもいっしょにあそぼーぜ!」
「じんくんだ。どうするさおりちゃん?」
「えっと・・・」
紗織ちゃんを見て察するに遊びたいんだと思われる。うまく言い表せないようなので、かわりに言ってしまおう。・・・・・・それにしてもかわいいな。
「うん、いっしょにあそびたい。なにしてあそぶのー?」
紗織ちゃんの顔が真っ赤である。彼女からじんくんに対する気持ちがものすごく伝わるので、協力をしようと思う。初々しくてかわいいなー・・・
しかし、ゲームでの彼女がなぜあんな俺様野郎に惚れたのかがまったくわからん。絶対に紗織ちゃんあんなを野郎になんか渡すものかっ!
その点、じん君はこのまま成長すれば問題はないと見える。きっとスポーツ少年へと成長してくれるはずだ。何が何でも二人をくっつけなくては!
「それがきまんなくてよー。りんねはなんかあるか?」
「う~ん。おもいうかばないなー。さおりちゃんはなにかある?」
「えっ?!えっと・・・おままごとがしたいな・・・」
「やることみつかんかいし、それでいっか!おままごとやるには、【やく】きめなくちゃいけないんだぜ!」
「そうなの?」
「なんだ。りょう、しらねぇのか?」
「やったことない・・・」
「ふーん。まぁ、これからわかるからきにすんなよ」
「よ~し!まずはおかあさんとおとうさんやくだな!だれがやる?」
「おかさんにはさおりちゃんがいいとおもう!で、おとうさんはじんくん!」
「おとうさんかー。べつにいいぜ。さおりは?」
頑張れ紗織ちゃん!
「・・・いいよ」
「じゃあ、きまりだな!りょうとりんねは・・・こどもやくな!」
「「はーい」」
子供なのに子供役って変な感じするな・・・
まぁ、そんなこんなでおままごとを楽しみ、保護者の方が終わったようなので帰宅した。入園式は午後からだったので助かった。とてつもなく眠い・・・・・・。怜に関しては疲れて寝てるし。でも、楽しかったようだ。これからの幼稚園生活はどうなるのか、楽しみだな。