【揺花草子。】<その779:ドキュメント3.14 #3>
【揺花草子。】<その779:ドキュメント3.14 #3>
中の人「ブリジットはフルーツタルトを作って来てくれたんだよな?」
Bさん「え、うん。そうです。」
Cさん「ゆうべ一緒に作ったのよね。」
Aさん「あ、そうなんですか。」
Cさん「そうなの。
でもね、タルトって意外と作るのに時間と手間がかかるのよ。
型に生地を敷いて焼いてクリームとフルーツを載せれば出来上がりじゃん、
なにも難しいことないじゃんとか思ってるでしょ阿部さんっ!!」
Aさん「うわっ!! なんか怒られてる!!
そ・そんなこと思ってないですよ!!」
中の人「でも実際かなり時間掛かるのは確かですよね。特に生地・・・」
Cさん「あら知ってる? そうなのよ。
生地そのものを練る時間はそんなに掛かるわけじゃないけど、
型に敷いてから生地を寝かせてあげなきゃいけないのよね。」
Aさん「へえ・・・。」
Cさん「これがね、1時間くらいかかるの。
だからその間に生地に敷くカスタードクリームを作ったり、
フルーツを切っておいたりするんだけど。」
Aさん「はあ・・・手間なんですねぇ。」
Bさん「でね、寝かせた生地をオープンで焼くわけだけど、
これは10分とか15分くらいだからそんなでもない。」
Aさん「うーむ・・・。」
Bさん「でもそのあとに今度は冷ましてあげなきゃいけないの。粗熱を取るってやつね。
焼き上がったばかりのアツアツの生地にフルーツ載せたら傷んじゃうから。」
Aさん「そうか、それは尤もだね。」
Bさん「言っても冷蔵庫で冷やすとかじゃないんだよ。それはそれで良くないから。
型のままケーキクーラーに載せて、室温で冷ましてあげるわけです。
これも30分とか1時間とか掛かる。」
Aさん「待ってるだけの時間が多いんだね・・・。」
Cさん「そのあと、ようやくトッピングの行程よ。
待ち時間の間に作っておいたカスタードクリームを型に敷き詰めて、
一度ナパージュを塗ってあげます。」
Aさん「ナパージュ?」
Bさん「表面が乾燥しないようにするための水飴みたいな『膜』みたいなものなんだけどね。
ゼラチンを水に溶かして砂糖と洋酒を少し加えるってのがポピュラーだけど、
市販のフルーツジャムを洋酒と水で少し伸ばしてやるのもいいです。
今回はアプリコットジャムを使いました。」
Aさん「ほほう・・・。」
Cさん「それで、そのあといよいよフルーツを載せていきます。
いちごは縦に半分に切って、縁に沿って切り口が上になるように
ぐるっと並べるととてもきれいよね!」
Bさん「それにブルーベリーや半月に切ったキウイ、皮なしみかんとか。
リンゴのスライスを中心付近に立てて・・・。
一通りフルーツを載せ終わったら、またナパージュを塗ります。」
Aさん「はぁ〜〜〜・・・大変だ・・・。」
Cさん「で、最後にミントの葉で飾ってようやく完成です。
仕上がった頃には余裕でてっぺん回っちゃってたわよね?」
Bさん「うん、そうだったね。」
Aさん「それは・・・ご苦労様でした・・・。」
Cさん「なので心の底から有難がって食べて下さい。」
Bさん「『美味しくない』とか言ったらギザギザのタルト型
思いっきり押し付けてやるからね!」
Aさん「脅迫!!!????」
それはそれで美味しい。
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