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【揺花草子。】(日刊版:2014年)  作者: 篠木雪平
2014年3月
62/365

【揺花草子。】<その766:戦術くん。>

 【揺花草子。】<その766:戦術くん。>


 Bさん「ポゼッション重視でいきたい。」


 Aさん「・・・なんですか・・・?」

 Bさん「阿部さん知らない? ボゼッション。

     現代サッカー戦術のトレンドだよ。」

 Aさん「いや、うん、それは知ってるんだけど。」

 Bさん「ポゼッションサッカーと言えばご存知FCバルセロナの代名詞でもあるよね。

     日本語では『ボール支配率』なんて訳されるけれども、

     とにかく自分たちがボールを保持している時間を長くすることで

     相手チームの攻撃機会を減らし、ゲームを支配するって言うのが基本的な考え。

     なにしろサッカーは点を取られなければ絶対に負けないスポーツだからね。

     そのためには相手に攻撃機会を与えない、究極的には常にこっちのチームで

     ボールを保持して相手にボールを渡さない事で失点機会を無くすことができる。

     だからこぼれ球が相手に奪われる可能性があるロングフィードの類は行わず、

     プレイヤー同士の短いパス交換でラインを押し上げると言う戦術になる。

     当然相手のブロックをかいくぐるためのクレバーなポジション取りや

     即座に状況を把握するインテリジェンス、

     必要に応じて積極的かつ速やかににポジションチェンジを行うアジリティも必要だし、

     なによりもチーム全体としての明確なビジョン・共通認識が重要だ。

     ショートパスを多用するスタイルはどうしても攻撃に時間が必要になってくるし、

     一気に前線にフィードみたいなダイナミックさを捨てることは

     ある点では相手のディフェンスを楽にしてしまうことにもなるから、

     決定力の乏しいチームがこのスタイルを採ると

     ただちまちまボール回しをやってるだけのつまらないサッカーになりがち。

     なのでポゼッションサッカーと言う戦術はかなり成熟した組織でかつ

     優れたフィニッシャーがいるチームでなければ充分には機能しないと言われているね。」

 Aさん「ええと・・・あの・・・ブリジットさん・・・?」

 Bさん「そんなポゼッション理論をぼくはこの『揺花草子。』に適用しようと考えたわけさ。

     ぼくらはこうして毎日1対1で、まぁこの前までみたく稀に

     3人とか4人とかになったりもするけれども、基本的には阿部さんとぼく2人で

     この『揺花草子。』を回している。

     そこにポゼッションの概念を導入すれば、収録と言う名の試合の主導権を握るために

     ぼくも阿部さんももっともっと一生懸命に話そうとすると思うんだよね。

     それによって『揺花草子。』はきっともっと盛り上がると思うし、

     お互いがお互いを磨き合い高め合うことでいつの日か

     ひとつ上のステージに到達できる気がするんだ。

     日本はまだまだサッカー二流国だけれども、ワールドカップにも出れてなかった

     数10年前から較べれば曲がりなりにもアジアの盟主としてのポジションを

     固めつつあると言って良いと思うんだよね。

     いつの日か欧州や南米の一流国と渡り合えるようになる日が来るかも知れない。

     であれば、きっとぼくらだって、フリートーク界の世界覇者になれるかも知れないじゃん?

     そのためにぼくはポゼッション重視と言う戦術を取ろうと思うんだ。

 Aさん「はぁ・・・。」


 Bさん「問題はオチと言う名のゴールへの嗅覚が

     まるでないことなんだけどね。」

 Aさん「フィニッシャーとして失格!!!!」


 ちなみに今回の話数のトークポゼッションはブリジットが94%、阿部さんが6%。


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「Meister's Brief」から自動転送

http://www.studiohs.com/28if/brief/2014/03/03.html


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