【揺花草子。】<その1062:デレる日。>
【揺花草子。】<その1062:デレる日。>
Bさん「阿部さん阿部さん、今日はいよいよ待ちに待ったクリスマスイブですよ。」
Aさん「う・うん。
待ちに待ってたんだ?」
Bさん「そりゃもう。待ちに待ってたよ。
今日は目いっぱいクリスマしてやろうと思ってるから!」
Aさん「『クリスマす』ってサ変動詞じゃないから。
クリスマしたいって、具体的にはどんな?」
Bさん「フライドチキンとターキーの丸焼きが食べたい!」
Aさん「肉食か!!
胃もたれするわ!! どっちかで良いだろ!!」
Bさん「あとはツリーに短冊を飾りたい。」
Aさん「混ざってる!! それは5,6か月くらい前にやるイベントだ!!」
Bさん「それにメインイベントはプレゼント交換ですよ。
と言うことで阿部さんメリクリ! はいプレゼント!」
Aさん「おっ・・・!!!! 思いのほかあっさりと出して来たな・・・!!!」
Bさん「あんまり勿体つけてもしょうがないからね〜!
ホラホラ開けてみて?」
Aさん「う・うん・・・ありがとう・・・////
(ガサガサ)
・・・って、これは・・・ネクタイ? 意外なチョイスだなぁ・・・。」
Bさん「そうそう。
阿部さんはニートだからネクタイなんてつける機会ないじゃん?
だから基本いつまでも新品未使用のまんまで
取っておいてもらえるんじゃないかなーって!」
Aさん「いやっ! だからぼくはニートじゃないからね!?
まぁ確かに日常的にネクタイをするおシゴトではないけれども・・・。」
Bさん「じゃああれだよ、愛の告白とかプロポーズとかみたいにここぞ!って言う勝負時に
ビシッと決めるためにそのネクタイを使ってくれればいいと思う!」
Aさん「愛の告白とかプロポーズのときに他の女の子からもらったネクタイで臨むような
図太さはぼくにはないんだけど・・・。」
Bさん「(そこは汲み取ってくれればいいよ)」
Aさん「え? なに?」
Bさん「ううん、なんでもない! ホラホラ次は阿部さんのターン!
阿部さんはぼくに鼈甲の櫛をくれるつもりだったんだっけ?」
Aさん「違うよ!? それはヘンリーさんのやつだよね!?
あんときリボンって言ってたじゃん!!」
Bさん「あぁ、そうだったそうだった。
リボンはいくつあっても嬉しいからね!」
Aさん「いや・・・そうは言っても実はリボンではなくて。」
Bさん「え、そうなの? なかよし? ちゃお? 花とゆめ?」
Aさん「違う!!! なんで少女漫画誌!!?
・・・はい、メリークリスマス。
開けてごらんよ。」
Bさん「うん、ありがとう!
(ガサガサ)
あっ・・・ヘアピン?」
Aさん「う・うん。
きみリボンとかシュシュとかはいつもつけてるけどヘアピンつけてるとこ
見たことないなーと思ってさ。
キライだからつけてないって言うんなら申し訳ないけど、
もし良かったら・・・と思って。
それに・・・」
Bさん「おぉ・・・これはこれで意外だよ!
花の細工が可愛いね! マミさんっぽい!」
Aさん「きっとそう言うと思ってそれ選んだんだ////
(案の定かよ)」
Bさん「うわ〜、素直に嬉しいよ、ありがとう阿部さん!
思いのほかちゃんとしてたよ!」
Aさん「思いのほかってなんだよ!
どんなしょうもないものだと思ってたんだよ!」
Bさん「えーっと・・・こうかな?
どう? 似合う?」
Aさん「(今つけるんだ////)
う、うん//// 良く似合ってると思うよ・・・////」
Bさん「うーん、今年はなかなか豊作だったなぁ。
阿部さんに2つもプレゼントもらっちゃった。」
Aさん「2つ? 2つって・・・」
Bさん「──覚えてない?」
Aさん「え?」
Bさん「ちょうど1年前のクリスマスイブにさ。
ぼく、お願いしてたよ。
『来年もここで一緒にクリスマスのお祝いしよう』って。」
Aさん「・・・あっ──」
Bさん「──阿部さん、メリークリスマス。
このお願いは、また来年に持ち越しって
ことで良いかな?」
Aさん「う・うん・・・////
メ・メリークリスマス・・・////」
メリークリスマス。
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