【揺花草子。】<その961:ウェットクロス。>
【揺花草子。】<その961:ウェットクロス。>
Bさん「阿部さんストーカーやめてくれませんか。」
Aさん「唐突すぎる謂れのない誹謗中傷!!
なに言ってくれちゃってんのきみ!!???」
Bさん「あのね、ここでもたまに話題にすることがあるけど、
うちってぼくとママンの2人暮らしなわけ。
いわゆるファミリー向けの賃貸マンションで暮らしてるわけですけども。」
Aさん「う、うん。」
Bさん「でね、ママンはおシゴトが忙しい人でね。
毎日帰りが遅いの。」
Aさん「そう、言ってたね。
だから家事は基本きみが担当なんだよね?」
Bさん「そうなの。
その日もさ、収録とかモロモロ終わって、おウチの近くのショッピングセンターで
晩ゴハンの食材とか買って、そんでおウチに帰って来たわけ。」
Aさん「うんうん。」
Bさん「秋の陽はつるべ落としなんて言いましてね。
さっきまで陽が残ってたと思いきやもうあっと言う間に真っ暗になっちゃうわけです。
そんで、ひと気のない暗い部屋に帰って来て、
レミーラと唱えながら照明をポチと点ける。」
Aさん「レミーラと唱えなきゃいけない決まりなの?」
Bさん「いや別に『ルーモス!』でもいいんだけど。」
Aさん「決まり事が雑だなぁ。」
Bさん「とにかく、現代科学が生んだ魔法であるところの電力で以て部屋に明かりが満ちる。」
Aさん「うんうん。」
Bさん「その瞬間、滅多に鳴らないおウチの固定電話が
けたたましく鳴りだした。」
Aさん「えっ!!
固定電話が!?」
Bさん「そうなの。
ぶっちゃけ固定電話なんて使う機会ないんだけどさ、
あっても特段困ることないかなって程度の理由でこのケータイ全盛の時代にも
うちでは固定電話残してるんだよ。
もう間違い電話かいたずら電話しか掛かって来ないんだけど。」
Aさん「うーん・・・。」
Bさん「で、その突然鳴りだした固定電話、ワンコールでブチっと切れちゃった。」
Aさん「わ・ワン切り・・・?」
Bさん「そうそう。まさにそんなカンジ。
でもあまりにもタイミングが作為的過ぎると思うんだよね。
ぼくがおウチに帰って来て、照明点けた瞬間に電話が鳴るんだよ。」
Aさん「はぁ・・・。」
Bさん「これは外でぼくの帰りを見計らっていた
阿部さんの仕業だとしか思えないんだ。」
Aさん「なんでそれがぼくの仕業になるの!!???
第一ぼくきみんちの固定電話の番号どころか
きみんちの場所も知らないしね!!?」
犯人はみんなそう言うんだ。
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