【揺花草子。】<その910:F号券。>
【揺花草子。】<その910:F号券。>
Bさん「例えば、阿部さんが千円札になったとします。」
Aさん「はい!? なにそれどう言うコト!!?」
Bさん「あのね、何らかのものすごい功績を世に遺した偉人の方々っているじゃん?」
Aさん「はぁ。そりゃまぁ、いるねぇ。」
Bさん「そう言う偉人を讃えるため、紙幣の肖像になったりする。
現行の紙幣だと野口先生と樋口先生と諭吉先輩じゃん。」
Aさん「なんで諭吉だけ先輩なんだよ。」
Bさん「紙幣の肖像ってさ、とってもワクが少ないよね。
偉人さんは数多くいるけどその中で紙幣に顔出しできるのは本当にごくごく僅か。
これまでの日本の紙幣の歴史中たった13人しかいないそうです。」
Aさん「ワクとか顔出しとか言わないで。急に俗っぽいよ。
・・・でも、まぁ、確かに、そうだねぇ。」
Bさん「そんな非常に狭き門であるところの紙幣の肖像。
そこに、何かしら素晴らしい功績を為した阿部さんが
採用されることになったとする。」
Aさん「お札になるぐらい素晴らしい功績!?」
Bさん「まぁもちろん万にひとつどころか億にひとつも兆にひとつも可能性がないことだけど、
そう言ってしまったら話が進まないからね。」
Aさん「兆にひとつぐらいは・・・! ある・・・と思うけど・・・。」
Bさん「とにかく、阿部さんが千円札の肖像になることになりました。
野口先生を追い落したよ。」
Aさん「いや追い落したって言い方は・・・。」
Bさん「想像だけど、たぶん千円札は今出回ってる3種類のお札の中で
いちばん発行枚数が多いと思うんだよね。
日常的に最もよく使うお札と言うこともあって、阿部さんの顔はあっと言う間に
国民にあまねく知れ渡ります。」
Aさん「うん・・・そうなるだろうね。」
Bさん「だから阿部さんがお外を歩けば、みんな気付く。
『あっ! あの人千円札の人だ!』」
Aさん「うーん・・・まぁ・・・そう、かなぁ・・・。」
Bさん「『千円の人!』
『千円さん!』
『おい千円!』
街の人々が口々に阿部さんに声を掛ける。」
Aさん「うーん・・・。」
Bさん「そしてだんだん阿部さんは
『自分は千円の価値しかない人間だ』と
思うように至る。」
Aさん「それはあんまりだ!!!」
まぁ存命の人が肖像になることはないのでしょうけれども。
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