【揺花草子。】<その899:慎重を期して。>
【揺花草子。】<その899:慎重を期して。>
Bさん「ここでちょっとした仮定の話をしようと思うよ。」
Aさん「仮定?」
Bさん「ある日、阿部さんは道端に一万円札が落ちてるのを見ました。」
Aさん「おっ・・・」
Bさん「どうする?」
Aさん「えっ・・・そりゃ拾いますよ・・・。」
Bさん「ネコババ?」
Aさん「しませんって!! ちゃんと交番に届けるよ!!
ネコババなんてリスクは負いませんよ!!」
Bさん「うん、まぁそりゃそうだよね。
でもさ、その一万円札、裸で持って行くわけにはいかないじゃん?」
Aさん「え? どう言うこと?」
Bさん「つまりさ、一万円を手に持ったまま交番に歩いて行くわけには
いかないじゃん、ってこと。
道ゆく人々たちに
『あのキモオタのオッサンはなにこれ見よがしにお金見せびらかして歩いてるんだ』
って思われちゃうじゃん。」
Aさん「道行く人たちが一見してキモオタのオッサンって思うレベルなのぼく!?
いや・・・でもまぁ、確かにそれはそうだねぇ。」
Bさん「かと言ってポッケに突っ込むのもなんかアレじゃん?」
Aさん「なんかアレだねぇ。」
Bさん「そしたらやっぱりお財布に入れちゃうんじゃない?」
Aさん「えっ!!? い・いやそれは・・・!」
Bさん「でもそれがいちばん確実じゃんか。
で、交番に着いたら、どこそこで一万円拾いましたーって言いながら
お財布から一万円札を出すわけですよ。」
Aさん「いやー・・・それはもう・・・。」
Bさん「『お前ネコババする気まんまんだったじゃないか。』言われるよね。」
Aさん「い・言われるかも知れない・・・。」
Bさん「いいとこ『それはあなたの一万円じゃないんですか』って言われちゃうよね。」
Aさん「言われるねぇ・・・。」
Bさん「つまり、一万円を交番まで持って行こうとする行為自体が
ある点ではかなりのリスクだと言う事です。」
Aさん「うーん・・・。」
Bさん「だから一万円を見つけたら110番すれば良いと思うよ。」
Aさん「迷惑だよ!!!!!」
勇気を持ってちゃんと自分で交番に届けましょう。
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