【揺花草子。】<その887:たかぶる。>
【揺花草子。】<その887:たかぶる。>
Bさん「最近陽が短くなって来たよね。」
Aさん「ついこの前夏至過ぎたばかりだけどね!!???」
Bさん「でも実際に短くなって来てるもん。
ぼくらの住むあたりじゃ夏至の日は明け方4:13に日の出で19:03に日の入り。
つまり陽が出ている時間が14時間50分だったわけです。
けど今回の話数が公開される7月2日は日の出が4:17で日の入りが19:04。
陽の出ている時間は14時間47分。」
Aさん「えっ・・・。」
Bさん「つまり3分も短くなって来てると言うことですよ。」
Aさん「そ・それは・・・計算上は確かにそうだけど・・・。」
Bさん「そう考えれば冒頭のぼくの『最近陽が短くなって来たよね』と言う発言に
いささかも誤謬はないと言える。」
Aさん「確かにそうだけど、それでもまだこの7月の頭のタイミングで
その台詞を放つのは早すぎる。」
Bさん「まぁでもぼくは陽が短くなって来たってコトを論じたいのではなくね。」
Aさん「そうなの?」
Bさん「ぼくが問題視したいのは、夏至の日よりも今日7月2日の方が
日没の時間が遅いと言うことなんですよ。」
Aさん「えっ・・・あぁ、確かにそうだね・・・。
・・・あれ? でも・・・」
Bさん「でしょ? 不思議に思うよね?
夏至って言うのは一年でいちばん陽が長い日。
この日を境に日の出は遅くなり、日の入りは早まってくる。
普通に考えたら、そうなるはずだ。
でも、実際にはそうじゃない。」
Aさん「おぉ・・・。
なんでだ・・・?」
Bさん「これはね、ざっくり言うと地球の地軸が公転面に対して垂直じゃないのと、
そもそも公転軌道がちょっと楕円であることが複合して現れる現象なんだって。
なので、同じ時間の太陽の位置を1年間記録し続けると
8の字を描くように見えるんだそうだ。
これを『アナレンマ』と言うそうだよ。」
Aさん「そ・そうなんだ・・・。
うわー・・・そんな言葉聞いたことなかったよ。」
Bさん「でしょ? 阿部さん知らなかったでしょ?」
Aさん「うん、知らなかった。
良くそんなの知ってるねきみ?」
Bさん「まぁぼくも今日調べて初めて知ったんだけど。」
Aさん「それでその得意顔!!!!」
まるで昔から知ってましたけど。みたいなテンション。
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