【揺花草子。】<その866:ビジネスチャンス。>
【揺花草子。】<その866:ビジネスチャンス。>
Bさん「今日はビジネスの話をしようと思うよ。」
Aさん「ビジネス・・・ですか・・・。」
Bさん「あのね、アニメを作るにはものっすごいお金が掛かるんです。」
Aさん「え? うん、そうだろうねぇ・・・。」
Bさん「TVシリーズとかでも、1話作るのに制作費やらキャストの出演料やら
広告費やらなんやらで1本1,000万円くらい掛かるって聞いたことがある。」
Aさん「うーん、その数字の信憑性はアレだけど、まぁすごくお金が掛かるとは聞くね。」
Bさん「でも報道番組とかドラマとかはもっと高いみたい。
もちろんそれも番組によるんだろうけど。」
Aさん「ふむふむ。」
Bさん「それでもアニメ業界がかなりカツカツだって言われてるのは、
やっぱり1本に関わる人が多いからなんじゃないかなぁ。」
Aさん「あぁー・・・うん、まぁ、確かにね。
1本作るのにもすっごい人数が掛かるみたいだよね。
EDとかに名前上がってくる人数を数えたら50人くらいにはなりそうだもんね・・・。」
Bさん「人が動けばその分人件費もかかる。
その他にもモロモロ多数のお金が掛かるのだろうけれども、
まぁプロダクトとしてはかなり厳しい予算の中でやりくりしながら作ってる、
ってカンジだと思います。」
Aさん「そうだねぇ。
そのおかげでぼくらの毎日はこんなに楽しいわけだから、感謝の言葉もないねぇ。」
Bさん「言ってもさ、日々生み出され消費されていく数多の作品すべてが
ヒットするわけじゃないよね。
中には掛けた制作費を回収できずに終了した、
つまり赤字で終わってしまう作品だってある。
OA時には話題になってもパッケージやグッズの売上げが思わしくなければ
結局資金は回収できないわけだからね・・・。」
Aさん「うんうん。たとえ作品の評価が高くても商業的に成功しなければ
残念ながら『失敗作』の烙印を押される風潮はあるよね。
『キルミーベイベー』なんてまさにその典型だったんじゃないだろうか。」
Bさん「まぁ『キルミー』の場合は訓練されたキルミストたちが下支えして
最終的にはボックスのリリースまでこぎつけたし、
そう言う意味では恵まれていた方だとは思うけど・・・。」
Aさん「そりゃまぁ、確かに。」
Bさん「でね、そんぐらい、言ってみれば『バクチ』なわけですよ。アニメ制作ってのは。
亜城木先生も漫画家って仕事はバクチだって言ってたじゃん。」
Aさん「いやうん、言ってたけど。あっちは漫画だから。
でもまぁ・・・コンテンツを世に送り出すって意味では一緒か・・・。」
Bさん「そんな危ない橋を渡って、コケたら一気に負債を抱えてどぼーん。みたいなのは
やっぱりリスクが大きい。
いくら夢や希望を抱いて作品を作ろうとしても、資金と言う現実には抗えない。
アニメの制作スタジオだって企業なわけだから。
リスクマネジメントは企業の経済活動として当然なされるべきことです。」
Aさん「ふんふん。」
Bさん「そこで昨今は、TV局や制作スタジオ、広告代理店、音楽レーベルなど
いろんな分野の企業から出資してもらって資金を確保し、
同時に様々な利害調整も行う方式が主流になっています。
作品がコケても個々の被害を最小限に抑えられると言う点でも有利。
いわゆる『製作委員会方式』ですね。」
Aさん「うんうん。よく聞くね。」
Bさん「ことアニメでは非常に広範に取り入れられている、
って言うか昨今のアニメは全部この方式で作られてると思うんだけど、
その製作委員会にも作品にちなんだ名前を付けることが多いですよね。
『桜高軽音部』とか『東雲研究所』とか『神山高校古典部OB会』とか
『中二病でも製作委員会』とか『うさぎ山商店街』とか『岩鳶高校水泳部』とか。」
Aさん「うーん。今回はそっちで固めて来たか。」
Bさん「そんなわけでですね。」
Aさん「ん?」
Bさん「ぼくら『揺花草子。』も製作委員会方式を取り入れたい。」
Aさん「誰が出資するの!!???」
委員会名はあざとさ重視の製作委員会とかでいかがか。
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