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ラブレターはほどほどに 4

「ということで一時的青年探偵団、結束ー」

ムトンさんが高く拳をあげる。

「「「いぇーい」」」

それに習い、他三人も拳をあげた。

「いぇーいじゃねぇよ!!」

頭を抱えながら僕は叫んだ。

若くしてハゲになりそうである。マジで。


時刻は五時過ぎ、場所は僕と友人の教室。

図書室は閉館が五時なのでそのままここへ移動したのだ。僕に逃げ道はなかった。

ヘタレやチキンという言葉を僕に投げる前に状況を考えてみよう。


僕の行動を知り尽くした古くからの友人。

高飛車生徒会副会長。

必死でお願いしてくる同級生。

その後ろで僕を親の仇のように睨み付ける同級生。


もはやゲームオーバーもいいところだ。

いくら残機があっても足りない。むしろ残機をかっさられる。

そんなわけで、痛みを主張する頭を押さえつつ僕は四人を呆れた目でみていた。諦めたともいう。

「まあ、青年探偵団はいいんだけどさ……考えはあるの?」

「犯人捜しだろ?案はある」

友人が何をいまさらと言った目で僕を見る。

非常に目潰ししてやりたい気持ちでいっぱいですよ。

さっき丸投げしたやつはどこの誰だ。

「思い切ってラブレターを燃やすんだよ」

「それはかなり思い切りすぎだろ!?」

消防車が出動しかねない。

「仕方ないなぁ、じゃあ焼き芋も焼こう」

どこかのテレビ通販みたいに今なら増量みたいなことをやられても。

「あら、いいわね」

ぽん、とムトンさんが手を打つ。

便乗するな副会長。

「良くないよ!それにどうすんだよ、ラブレターの人がキレたら!」

「そうだ。仮にコーレアが怪我したらあたし犯人を血祭りにあげるぞ」

「…それはやりすぎじゃないかな」

この子、コーレアさん関わると怖いな。見た目は全くの対極なのに。

「とにかく、下手にラブレターにいたずらしたら大変なことになるんじゃないかな」

恋は盲目。

あなたを殺して私も死ぬ。

会いたすぎて震えてしまう。

中に誰もいませんよ。

そんな恋愛にまつわる名言が世の中に溢れているぐらいだ。最後はなんか違うが。

「む、それは問題だな」

友人が眉をひそめる。

そういうところを重点的に考えてほしいものだ。

コーレアさんは華奢な女の子、誰だか知らないが仮におそわれたら反撃できないかもしれない。

やることによっては危険が起こりかねない。

「じゃあ、こんなのはどうかしら」

ムトンさんが真面目な顔をしていた。

おお、何かをわりとまともなのを思いついたみたいだ。

「…今失礼なこと考えなかった?」

「まさか」

エスパーか。

「あ、言って平気?他にいない?」

周りに確認をとるがあと三人は首を振る。

それを見たのち、ムトンさんは口を開いた。

が、なにか迷ったように開いた口を閉じる。

それから何か決心したように一拍置いてまた開いた。



「手っ取り早く誘き寄せるには――――」



彼女の口から驚きの言葉が飛び出した。



「コーレアが、誰かと付き合ったふりをすればいいのよ」


「た、例えば誰ですか?」


「……………カルネ君とか?」


僕ですか。

――――え?



すみませんでしたすみませんでした

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