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ラブレターはほどほどに 3

意識はすぐに戻った。

僕の身体はなかなか強めにできているようだ。

じゃなかったら今まで起こった出来事のどれかで死んでるよな……。

床に倒れたままなので天井が見える。

本当にどうでもいいことなんだけど床って寝るのに全く適していない。固くて腰が痛い。

頭上から会話が聞こえる。

「わ、わりぃ……殺す気じゃなかったんだ」

男口調だが、女の子の声がする。

あと死んでいない。

「どうしましょう…過失致死でしょうか…」

これはコーレアさんか。

あと死んでいない。

「おおカルネよ。死んでしまうとは情けない。ここは復活の呪文、ザオ○クだな」

ザ○リクの名前を出すのは色々と危ういぞ友人。

あと死んでいない。

「仕方ないわね。スコップ借りてきて、あとのこぎりとか」

「まだ死んでねぇ――!!」

がばりと起き上がった。

おちおち気絶もしてらんねぇぜ!

埋める気だ!この生徒会副会長、埋める気だよ!

「ペ、ペンサーレ君が生き返りました!」

「そもそも死んでないからね。落ち着いてね」

「なんだ」

ふぅ、と残念そうに息を吐くムトンさん。おいふざけんな。

「あ……えっと」

新たに増えた女の子が非常に気まずそうな顔をしている。

薄くだが化粧をしている。髪はムラのある不自然な茶髪だ。染めてるのかな。

あとスカートはかなり短い。が、スパッツを履いているので問題はない。多分。

なんの問題がないのかは黙秘。

というか早く立ち上がらないと女の子の下着を目撃するみたいなラッキースケが起こりかねない。

そしたら今度こそ埋められてしまうだろう。

僕はそこらのライトノベルの主人公よろしく恋愛フラグよりかは死亡フラグのほうが真っ先に建つ。

世の中に不満を持たずにはいられないな。

幼なじみが家に入り浸る展開はなく、むしろ僕が病院に入り浸ってるしな。

で、ええと、なんの話をしていたんだっけ?

「まず聞きたいんだけど…なんで本を投げたか聞いて良いかな」

「おお、さすがカルネ。ずれてきた話を元に戻そうという魂胆だな」

友人は黙ってろ。

「……いや、えっと……てっきり、お前がラブレターの犯人かと思ってよ…」

「ああ…まあ、そう見られて仕方なかったのかな」

机にはラブレター、そして僕は立ち上がってコーレアさんのほうへ身を乗り出していた。

事情が分からなければ怪しい光景だっただろう。

友人達に向き直る。

「とりあえず、誤解は解いたんだよね?」

「カルネが気絶してた時にささっとな。心配すんな、話がややこしくなるような説明はしてない」

「それはありがたい」

「あ、初めて聞いたけどお前探偵なんだな。ちゃんと実在してたんだな、探偵って」

「……」

ややこしくなるような説明はしていないらしいが、僕を困らせるような説明はしていたようだ。

みんな、個人情報保護法って知ってるか?


話が進まない

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