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青と赤の救出作成!? 8

「ヤク、とか言ってたな……」

麻薬などの通称であることぐらいは知っていた。


というよりこの前、学校の企画で薬物乱用防止講演会だったからまだ頭に残っていた。

使ったらだいたいの人がパッパラパーになることとか。うちの兄貴ももしかしたら使ってたりするのかな。

だって毎日着ぐるみきてるし。

それにしてもああいう講演会は眠くなるので工夫を凝らしてほしい。ただ話されてるだけじゃつまらない。


「そうだね…ちょっと、想像以上に厄介だね」

「少しは話通じればいいんだがな……」

話せば分かる、と言って死んだのは誰だったか。

いつまでもここにいられないので移動を開始する。



屋根裏は思ったよりロマンチックではなかった。

埃はつもり、古びたコードが縦横無尽に走り、なにより狭い。


四つん這いで進むのがやっとだ。

マゼンタ先頭、私はうしろ。

暗いのでマゼンタがライトをつけた。明るい。

「多分あっちに行けば廊下の突き当たりだと思う」

暗闇の向こう側にライトを当てながらマゼンタが振り向いた。

…そう言われてもさっぱり分からない。

道しるべもなにもなく、方向がつかめないのだ。

「到着時点はどこも押し入れの中になりそうだけど、支障はないよね?」

「ししょう?」

「問題はないよね?」



マゼンタの提案にうなずく。ここまできたらやるっきゃない。


ギシギシと音を鳴らす天井上をゆっくり移動していった。

「わたしの予想だと、突き当たりの部屋にいそうなんだけど……」

まあ、隅の部屋ってのは落ち着きそうだからな。

しかしそこまで行くのに時間はかかりそうだ。

慎重にハイハイをしていく。カッコ悪いが今はそれに構っている暇はない。

正義のヒーローが何をしても絵になってカッコ良いのは、残念ながらテレビの中だけだ。


移動中はとくに何もないのでカット。

せいぜい……いや、やめよう。マゼンタのパンツの趣味とか。

膝にだいぶダメージが蓄積されてきた頃、マゼンタがふいにとまった。

しかし私は急に止まれない。

マゼンタのお尻に激突した。

「ひやぁう!?」

変な声だした。

「わ、悪い」

「う、ううん。大丈夫」

それからマゼンタは半分回転をして、私と顔を合わせる。顔が赤い。

「え…ええとね、この下が多分押し入れなの…」

「じゃあどこか板をひっぺがさないといけないな」

音でばれてしまわないだろうか。心配だから、かといって他の道もない。

「よし―――」

板へと手に触れるか触れないかぐらいの時に。


ピシッ


どこかが裂けた音がした。

「は」「え」

状況が飲み込めない。

ピシッピシッと音は近づいてきて、私たちのすぐ下が尚更大きい音を立てた。

いやな予感しか、しない……。そして、一瞬たゆんだかと思うと、映画の効果音とかでつかえそうな破壊音を出しつつ天井の一部が割れた。

その一部がまさに私たちのところだったために、

「にゃあああああ!!」

「きゃあああぁあぁあ!!」

発見したのがニュートンだがニュートリノだったか知らないが、そんな重力の法則に導かれて私たちも落ちた。

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