黒猫+僕+探偵=事件 3
猫探しについては詳しくは省こう。
猫がいそうなスポットを順番に見回って、見つけて、追いかけた。
そして捕まえて引っ掻かれた。
シャーと全身全霊を持って嫌がられてしまった。地味にへこんだ。
今はシアンちゃんの腕の中で大人しく抱かれている。
僕が抱っこしようとすると、ヤマトはやはり嫌がって暴れるのでシアンちゃんに彼(ヤマトは男の子)の世話を頼んだ。
…なんなんだろう。そんなに僕がいやなのか。
それともいつかヤマトがデレてくれるとか、そういうの期待していいのかな。
いや、それはないな。
猫のツンデレってなんだよ。どんな電波受信したんだよ僕。
「私も猫飼いたかったな」
コシコシとヤマトの喉を撫でながらシアンちゃんが呟いた。
「飼えないの?」
「お母さんが毛のアレルギー持ちだからな」
「ああ…じゃあ動物全般は無理なんだ」
「でもその他は良いって言われた」
「例えば?」
「コブラ」
「まさかの毒蛇!?」
ともあれヤマトを無事発見確保したので、依頼主に電話をかける。
ぷるる、と機械音を聞きながら待つ。
セブンコールで切られた。
ガチャンって。…ん、ガチャン?
「…あれ?」
意図的に切られた、みたいだな。
もう一度掛け直して見ると、今度は留守番電話に繋がった。
おかしい。
「どうした?」
「なんというか…当たって欲しくない予感がビンビンと」
シアンちゃんと目があう。
僕は肩を一度竦めて見せた。
「事件発生かも」