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オタク君が好きすぎるギャルの6年目  作者: 有
第一章 キスまで3万文字

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第5話  佐久間萌亜はチャンスは逃さない

*****試験的に【】の中にその時のかずっちの様子を書いときます。視点交互で話が進まな過ぎるための措置です。ご意見ください******


 やらかしたぁ~!

 かちゃかちゃかちゃと、鉄板の上でもんじゃ焼きの具を混ぜて焼いていく。

 隣では同じようにかずっちがこてを動かしている。ちょっこっと具の底におこげができてはいたものの、真っ黒こげというわけではなく、たぶん問題はない。

 って、やらかしたのは、もんじゃを焼くのを失敗したって話じゃなくて。

 かちゃかちゃかちゃ。

 会話がないのが痛い……。

 隣に座って近づいたまでは、スマホの画面を見るためなんだから仕方がない。

 って、結構自然な流れだったよね?脳内あざと先輩。え?足の上に手をのせるまでやらなくちゃだめ?無理です、そこまではあざと先輩、私頑張ったんです。

 肩とか腕が振れてめちゃくちゃドキドキしたよ。店員さんが来なければっ。

 ちょっと動揺したままもんじゃを焼こうとして、思いっきり具を勢いよく鉄板に落として汁が飛んだ。これは全くの計算外で。

 熱くもなかったんだけど、フライパンから油が跳ねるイメージが浮かんで熱って反射的に叫んじゃった。それからがやらかした。

 かずっちにぃ、抱き着いちゃったんだよぉ。

 だってかずっち、私が服を大切にしていることをちゃんと知ってくれて、心配してくれたんだもん。嬉しくてどうにかなっちゃいそうだった。

 洗えばいいじゃんとか、また買えばいいじゃんとか、そんな軽い言葉で片付けられないって。服は……。自分でリメイクした、世界に一つだけのもので……。

 私の大切な宝物の服をもっとかずっちに見せたくなっちゃって……そうしたら。

 魅力的だって、言葉を失うほどだって褒められて。

 泣いちゃいそうになるくらい嬉しくて、抱き着いちゃった。

 いやもう、ビッチがどうとか考える余裕もなかった。体が動いてしまった。

 そう、いうなれば、オリンピック選手が演技や試合を終えて感極まってチームメイトやコーチと抱き合うみたいな、あれ。

 性的な意味合いは全くない行動なんだけど……。

 かちゃかちゃかちゃ。

 突然抱き着かれた方はなんて思うのか。

 うー、沈黙が重い……。かずっちの顏が怖くて見られない。

【あー、やっと少し落ち着いてきた。萌亜さんは再会した友達と抱擁する程度のことなのかもしれないけれど、僕にとっては……。自然にふるまわないと。自然に。そう、もんじゃ、もんじゃ作りに集中だ!】

「そろそろ、土手を作ってもいいのかな?」

 かずっちの言葉に顏をあげる。普通に話をしてくれる。

「うん、そうだね。丸くドーナツみたいにしげ具を盛り上げるんだよね?」

 横を向いてかずっちの顏を見ると、いつも通りなことにほっとする。

 動画で見た手順通り土手をつくり、汁を真ん中に入れて汁をかき混ぜる。色が変わってきたところで、土手を崩して混ぜる。

 初めてのもんじゃで、2人とも軽くおしゃべりする余裕もなく、そろそろいいかな?とか真剣な顔して焼いた。

 よかった。もんじゃのおかげで、変な雰囲気にならなかった。

 ……もう、忘れちゃったよね、かずっち。なんてことない顏してるし。

「んー、おいしい!」

 初めてのもんじゃ。

「へー、思ってたよりも、ちゃんと味がするんですね」

 かずっちの言い方にくすっと笑いが漏れた。

「ちゃんと味って、おいしいよね?」

「もちろんおいしいですよ。でも、レシピ動画だと味付けにソースを入れているだけだったので……こんなにおいしくなるとは思ってなくて」

「ふふ、確かに。小麦粉に水をドバドバいれて、ソースを入れて混ぜただけだもんね~。でもお好み焼きもそんな感じじゃない?あれ?ソースはあとでかけるから全然違うかな?」

 かずっちがふーふーとしながらもんじゃ焼きを口に運んでいる。

 そうだ。かずっち猫舌なんだよね。

「お好み焼きは、生地に小麦粉と水のほかに和風のだしを混ぜますよ。ふわふわにするために山芋を混ぜることもありますし、卵を入れることもあります」

「……かずっち、詳しいね」

 料理する人じゃなかったと思うけど。

 もしかして、誰かとお好み焼き屋へ行ったことがあるの?

 一緒に行った記憶はないけど、誰と言ったんだろう?

 まさか、女の子じゃないよね?

「お好み焼きはよく作るの?」

 探りを入れるようなきき方になっちゃった。でも、でも、気になるんだもん。私以外の誰とお好み焼きを作って食べたのか!

 かずっちが恥ずかしそうに眉を下げた。

「いや、その……漫画の知識です。作ったことはなくて」

 漫画の、知識!

「なぁーんだ、漫画で読んだだけなんだ」

「口ばかりで、すいません」

 嬉しくて顔が笑っちゃう。

「私も作ったことないもん。また一緒に初めてを体験しよう!」

「は、初めてを体験……」【違う、そういう意味で萌亜さんが言ったわけでは……】

 かずっちが、スマホを取り出して、高速で検索する。

「そうですね、お好み焼きで、自分で焼くお店どこかいいところがないか、あ、ここ、自分でたい焼きも焼けるそうです」【スマホを萌亜さんに向けずに自分の体の前からあまり移動させない……また、萌亜さんがスマホの画面を見るために僕の方になんてちょっとだけ期待する。あくまでも操作するためを装い、画像を指で拡大する動作もしつつ】

「え?たい焼き?」

 チャンスっ。

 またスマホを覗き込むために、近づかないと。

 うんうん。これは、スマホを見るためだからね?

 脳内あざと先輩、ボディタッチがんばりますっ。今度は体を寄せて、手を足の上に……こう、あれですね、自然に……。

 って、どこの世界に、こてを持った手を自然にかずっちの足の上に置くなんてできる?

 まずはこてを置く、そこからおかしいしあやしいからっ!

 ……撤退。作戦の練り直しします。

「うわー、餡が選べるんだね。それにたい焼きっていってもサイズが小さいんだ。これならいろんな味のたい焼き作って食べられるね!」

「サツマイモ餡とかおいしそうですね。あ、ジャムもあるんですね。ジャムパンみたいになるのかな?」

「楽しそう!いつ行く?」

 この距離感で顔を上げれば、顔と顔の距離は30センチのはず!

 はっ!もしや、これは、ラッキースケベタイムなのでは?振り向いただけなのに、近くにいたからキスをしてしまうという……!

 スケベと言わない?なんていうの?ラッキーキッスタイム?

 もうちょっと近づいて振り向いた方がいいかな、どうしよう。ドキドキしてきた。

 勢い余りすぎて頭とか顎とかゴチンってならないようにしないと。それでいて、自然に、自然に……。

「ごめんなさいっ」

 って、急に謝られたっ!何?キスはごめんなさい、できませんってこと?

 いやいや、落ち着こう。私がラッキーキッス狙ってるなんてかずっちは知らないはずだよね?

「お店調べるのはあとにしないと、こげちゃいますよね。まずは食べましょう」

 ……あ、はい。ソウデスネ。

 ラッキーキッスタイム終了のお知らせ。

 もんじゃめぇ!いっそ焦げないように皿に移してやろうっ!いや、それじゃもんじゃのアイデンティティを壊すことになるのかな?

 おこげが出来ている端っこをヘラでとり口に運ぶ。

「うんまぁい」

 やっぱり、おまえは鉄板が似合う。皿に移すのは勘弁してあげよぅ。


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