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『光と陰ースピンオフ冒険譚』: ストレンジアトラクター『いざ魔法世界へ!』  作者: 三海怜


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22/22

第22話

魔法世界に冒険者として生きる孤児であり主人公スタンリー・ケンプ。

そこに生きる人々の様々な些細な行動がまるでバタフライ・イフェクトのように世界を変えていく。


この物語のテーマとなる『ストレンジアトラクター』とは、難しくいうと・・・

カオス理論の研究の中で発見された奇妙な挙動を示す微分方程式の状態の総称のこと。


つまり動的システムが時間とともに発展する際に、予測不可能 で複雑なパターンを形成する現象を指すのです。


そんな泡沫の世界で生きるスタンリー・ケンプ

彼の目を通してその冒険譚を進めていきたいと思います。


また本編である『光と陰ー織りなす夢の形』のスピン・オフとして、本編シーズン4の最後と繋がる物語となりますのでお楽しみに!

謁見の間では、すでにフェルナンド王が着座しており4人に向けた挨拶があった。

この城も玉座もブリンデンブルクと比較するとこじんまりしておりレオン王国の規模が推定できた。


「フェルナンド王、この度はお招きいただきまして有難うございます。宇宙海賊の出没地点が貴国の領土内にあると伺っております。早速ですが、その地点とはどのあたりになるのでしょうか?」とフリーダが簡単な挨拶を兼ねて交渉役として早速具体的な話に入っていったのだった。


フェルナンド王は、黒髪黒い瞳にて日焼けしているかのような浅黒い肌である。そして眼差しが鋭く噂通りにどことなく特別なオーラを感じる雰囲気がある。

「皆さん、よくぞいらしてくれた!ご協力に感謝する!早速のご質問の答えだが、奴らはこの海の上空から数度現れたのだ。我々の占星術師らによると、そのはるか上空の宇宙と言われている無の空間に彼らの母艦がありそこからきているのではという説なのだ。よって我々は宇宙海賊と名付けている。」


「なるほど、それで宇宙海賊と呼ばれているわけですね。その理由がわかりました。ご説明有難うございました。」とフリーダが代表して答えた。

「我が国は彼らの通過地点のようで、今のところ被害にはあっていないのだが貴国では戦闘になったと聞いている。貴君らが中心になって撃退したとアデリナ姫からは聞いているが、それで調査を依頼した次第だ。」

「承知しております。あれから我が国では空を飛べる兵器も開発し空中での戦闘ができるように準備をしてまいりました。」

「なるほど、空を飛べる兵器か!? 貴君らが乗ってきたような? 興味あるな・・・では、お疲れであろう!城内の部屋を用意しているのでまずは寛いでくれ。」

ということで簡単な謁見が終わり、4人は城の隣にある迎賓館に案内された。


「この迎賓館は凄いな!部屋も個別に使えるし応接間も至れり尽せりだよな!!まるで国賓待遇じゃん!」とダミアンが感動している。

ヘンドリックは、「各国からの大使はここに泊まるのかな?! やっぱり、あのフェルナンド王はできる王に思えたよ。おごらずでも命令には服従させる凄みもあるね。」と、

「そうね!この諸国連盟を若年なのに束ねている理由がわかったような気がしたわ。」とフリーダも相槌を打っている。

「でも、あの王自身のスキルはなんなんだろう?」とスタンは不思議に思ったようだ。


そこに、現れた男がいた。

「皆さん、私は公爵のイグナシオ・アルバス・デ・トレドであります。王からあなた方と情報共有するようにと仰せつかり参上致しました。」

4人は突然の公爵の登場に驚いたのであるが、「わざわざご足労頂きまして有り難う御座います。」とフリーダがとりあえず敬意を表しながらの挨拶をした。


「実は、あの海上からは我々が認知しているだけでも6回は飛行物体が現れております。」と立ったまま話し出したのだった。公爵は王より上の年代で髭を蓄えた30代のガタイがいい大男だった。その話の内容から王の従兄弟であるのと彼が軍部を動かしていると言うことをわかった。


「部下がその飛行物体の後をつけたのですが、我が国と貴国の境に位置する遊牧民の自治区に植民を始めているようなのです。容姿は我々と変わらずなのですが、早くも防御壁を造り襲撃に備えている状況です。この星に来たのは植民が目的だと思っていいかと。」


「なるほど、手始めに我が国を襲撃してみたのですが撃退されたため、まずは奴らの足場を造りそこから侵略するつもりなのでしょうか?」

「そのように思われます。今の時点で撃退し足場を造らせないようにした方が得策ではと王に進言した次第であります。」と公爵の話は完結かつ礼儀正しかった。


「なるほど・・・」

「そこで貴君らにお願いがあります。攻め込むことは我々の軍が担当できるのですが、その前の敵地の調査をお願いしたく。我々は彼らとは対戦経験がなく敵がどんな兵器を持っているのか把握でもきていないのです。」


するとダミアンが、「わかります。我々は奴らと戦ったことがあるんで敵の行動は予測できますからね。」と彼に同意した。

それを受けて「わかりました、では、その位置を教えて頂ければ明日にでも偵察に動きます。」とフリーダが承諾すると、公爵は地図を渡しながら位置関係を説明して部屋を出ていった。


スタンが、「なるほど!植民なのか!? それに俺たちと同じような見た目なのか・・・どうする??」と引き気味の表情に変わった。

「でもなー スタンの気持ちはわかるが、ここで潰しておかないと俺らが後々やられるぜ!」

「そうですね!奴ら他にどんな高度な兵器を持っているのか?計り知れませんからね。」と珍しくヘンドリックも肯定的だ。

「とりあえず偵察に行って、敵が攻撃してくるかで次の動きを決めましょう!」


しばらくして執事とメイド達が現れ、応接間にこの国の料理をいくつも運びバイキングで夕食ができるようにしてくれた。

「この国の食事はスパイスが効いていてうっまいな!!」とダミアンが気に入ったようだ。

「確かに!俺たちの国にはない味付けだよね!」と言いながらスタンも色々な料理を試している。

4人が大きなテーブルを囲んで和気藹々で食べているとドアにノックがあった。


そして、ドアが開いて、メイドを2人伴い華やかなドレス姿の女性が現れたのだった。

「お食事中失礼いたします。」と入ってくると、「お初にお目にかかります。私、フェルナンドの妹のテレサと申します。本日は遠路遥々お越し頂きまして誠に有難うございます。ここでのご滞在で不都合はございませんか?」

『フェルナンド王の妹というと王女か!?』と全員思った。


「テレサ王女、わざわざお越し頂き有り難うございます。至れり尽くせりで何も不自由はございません。お気遣い有り難うございます。」とフリーダがまた代表して答えた。

「フリーダ様ですね? 先の宇宙海賊らとの戦いでご活躍されたとお聞きしております。」

「いえいえ、ここにいるみんなで戦いました。我々のチームワークで撃退できたのです!」


「私、実はその戦いに大変興味がありまして、できれば詳しくお聞かせ頂きたいと願っています。」と言いながら、彼らが座っているテーブルの空き椅子に座ってしまったのだった。

ふとダミアンを見てみると目が一段と輝き姫をじっと見つめていた。




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