第20話
魔法世界に冒険者として生きる孤児であり主人公スタンリー・ケンプ。
そこに生きる人々の様々な些細な行動がまるでバタフライ・イフェクトのように世界を変えていく。
この物語のテーマとなる『ストレンジアトラクター』とは、難しくいうと・・・
カオス理論の研究の中で発見された奇妙な挙動を示す微分方程式の状態の総称のこと。
つまり動的システムが時間とともに発展する際に、予測不可能 で複雑なパターンを形成する現象を指すのです。
そんな泡沫の世界で生きるスタンリー・ケンプ
彼の目を通してその冒険譚を進めていきたいと思います。
また本編である『光と陰ー織りなす夢の形』のスピン・オフとして、本編シーズン4の最後と繋がる物語となりますのでお楽しみに!
「しかし、姫って、噂や第一印象と違っていい方ね! そう思わない?スタン?」
「そうだね。気さくでおごらずで偉そうな王族って感じじゃないよな!」
そう言えばアデリナ姫の説明がまだだった・・・
アデリナ姫の外見は身長170弱で武術で鍛えた筋肉質でスリムな体型である。女性ではあるがよく鍛えられた無駄のない肉体を持っており、顔は品があって面長・碧眼、ブロンドの肩ぐらいの長さの髪を通常は高い位置でポニーテールにしており戦闘時は下の位置で結んでいる。リラックスした場面ではダウンにしているようだ。容姿も素晴らしく姫として相応しい様相であるが、フィジカルな外見と相待ってオーラというのだろうか?立ち居振る舞いや言動そして気持ちの表し方どれをとっても花があり輝いて見える特性を兼ね備えているのだ。
それが老若男女問わずに絶大な人気を誇る理由なのである。
よって、学園内にもまず女学生のサポーターが取り巻きを構成している。そして貴族階級の男子に関しては高嶺の花であることは重々承知の上ではあるが、学園内では身近な存在となっているため隙あらばと狙っているものが多いと聞く。
そんなアデリナ姫が主導する兵器開発は錬金術師らにより数々の発明が短時間で行われていった。
例えば、黒魔道士師の魔力が増大する魔導兵器として強力なレーザー砲のような対艦兵器を始め、小型兵器ではスタンの魔剣を研究した結果生まれたレーザーブレードが量産され始めたのだ。このレーザーブレードはスタンの魔剣には劣るが手のひらサイズの魔道具を始動させるとロングソードの長さに伸びレーザーガンがブレードになったと同様な破壊力となるのだ。よって、剣術に特化された戦闘員に装備されることになった。防衛大学でもその魔導兵器を使用した実践訓練も行われている。
また、あのロボットが飛行していたカラクリを究明した結果、そのメカニズムを応用し魔導師たちの魔法から供給される動力源を利用した動力装置の開発にも成功したのであった。いわゆる魔動エンジンである。それは陸上移動に使用される2人乗りの馬の役割のスピーダーや、馬車感覚のエアカーゴ、そして空中を自由に飛行できるフライングソーサーなどである。その基本性能としては重力をキャンセルすることにより地上から浮き上がり、自重が0になったことにより360度どこにでも高速で推進できる仕組みなのだ。そして、その操縦は魔導師達の持ち場となり、今や操縦のテクニックを防衛大学でも訓練しているのである。
「しかし、この学園も変わったな〜!去年の雰囲気は全く残ってないね・・・なんか残念だよな・・・」
「そうね、学生時代を楽しむってことは過去の話で、こうなってしまうと今や夢のまた夢になったわね・・・」
「でも、他の学生達は剣技師団と魔法師団に取り込まれてしまったけど、俺たちのパーティーはアデリナ姫指揮下で残されてよかったよな。」
「でも、アデリナ姫が使いやすい特攻隊ということでしょうから戦闘になると危険度は増すわね。」
「それはそうだけど、でも、戦いの時も自由に戦えるのはいいと思うよ。」
「あっ、あなたたち、ここにいたのですね?」となんとアデリナ姫が教室に入ってきた。
「あなた達のパーティーにお願いしたいことがあって探していたのです。実は軍部辞令で白魔導師のアメリアと黒魔導師のユリアーナは本体に組み込まれることになったの。そして、クラスリーダーのアルベルトも生徒会本部所属となりました。だけれど私からお願いして、お二人とダミアン、ヘンドリックは私の直属のパーティーとして残したわ。」
「そうなんですね!? で、探されていた理由とは?」
「これは私からあなた方4人へのお願いなんですけど、あの神出鬼没な宇宙海賊達の調査を依頼したいのです。」
「調査だけですか?」とスタンが、
「隣国、アルメリア諸国連盟にも宇宙海賊の襲撃があったとのことで、フェルナンド・アルバス・デ・トレド王から情報提供があったのです。どうやらアルメリア領の上空に出現スポットがあるらしいの。」
「なるほど、そういうことですか。ところで、アルメリア諸国連盟と我が国はどんな状況なのでしょうか?」とフリーダが気になったようだ。
「フェルナンド王は実直な方で信頼できる方なのですが、小国が集まっている連盟で中には強固な反対派もいて、若輩の王のリスクマネージメントに対して少々無理難題を突きつけているらしいのです。だからこの宇宙からの襲撃の対応に苦慮してるようですね。だから、フェルナンド王と協力して調査に当たって欲しいのです。」
「それってすっごく責任が大きいことですね!?」とスタンが少々及び腰となっているようだ。
「そうかもしれないけれど、対外的に私が行くわけにはいかないのです。だから信頼できるあなた方にお願いするしかないのです。」
「承知いたしました。できるだけのことはやってみたいと思います。」とフリーダが代表して答えると、
「ありがとう!あなた方には開発されたばかりの魔道具を装備させます。武器類もそうですが、移動用のフライングソーサーは役立つと思います! 本当は私も一緒に行きたいんですが・・・今の案件が終わったら合流するかもしれません!」
ということで、遠征の話がまとまったのであった。
そして、今回はフリーダを隊長にしてスタン、ダミアン、ヘンドリックの4人は王国から与えられた新開発のアーマーを身に纏い同じく新開発のフライングソーサーで出発した。
フライングソーサーといっても彼らに貸与されたタイプは小型のソーサーで6人乗りの人口ミスリル製である。偵察用途のとこで、赤魔導師であるフリーダが操縦するというのか操ることになるのだ。この円盤の武器としては銀色のお皿とお皿を合わせたような合わせ目に攻撃口があり、そこからフリーダやアーチャーであるヘンドリックの魔法攻撃が可能なのである。
「しっかし、このフライングソーサーって楽ちんだよな!!スーッと振動もなくまるで飛んでるようで馬車とは大違いだぜ!」とダミアンはソファーをリクライニングしてくつろいでいる。
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