お猿談義
猿も木から落ち
ることもそりゃありますよ旦那。
我々猿だって木から落ちたりしますよ。
だから何だって言うんです。
「人も地面で転ぶ」なんて言い方されたらどうです?
そりゃあ猿だって木から落ちますよ。
ニュートン先生のアレですよ。何だっけ、イン...インリャ...
そうそう、それ。インリョク。すごいねぇ。インリョク。
インリョクはすごい威力、なんちって。ハハ。
例えばよ。ああ、あそこの枝に飛び移ろうかな、なんて思ったりするじゃないですか。たまに。いや、よく思ったりするのだけど。
なんかの拍子にね。思ったりよくするんですよ。うん。
そんでひょいと飛んで枝掴んだらそれが折れちゃったりして。
そうしたらどうなりますか? え?
飛んでつかんだ枝が折れたらどうなるでしょうか、と聞いてます僕は。
そう。あなたに。
そうでしょう。落ちるでしょう。枝折れちゃったんだから。
そりゃ落ちますですよ。ニュートン先生偉大ですよ。
だから何なのでありますか、っちゅうことですよ。
「猿も木から落ちる」。
「はい。そうですが」て。それしか言えんでしょう。
それでもってあなた。「猿のくせに」みたいなニュアンスで言われたらいい気はしないですよ。ね~。ほんと。
だから旦那もね。猿も木から落ちるなんて言い方、これからはしないでくださいよ。「猿も」て。
ああ。お腹すいた。激論したらお腹すいちゃった。お腹ペコリンコ。
え?激論て、しゃべってるの私だけだって? アハ。
あなたひどい言い方するねぇ。悪いねぇ。不良少年だねぇ。
ウソウソ。アハハ。
ちょっと私、くだもの探してきますわ。あそこの木ぃ伝って。
落ちないように気をつけながら。なんて。ハハ。