表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
11/24

10-慈雨-

旅の移動速度はメンバーの中で遅い人が基準となる。

アーサー、マーリン、ゲイル、私。この中で誰が一番遅いのか。

アーサーは聖剣を召喚すれば身体強化の恩恵を得ることができる。

マーリンは強化魔法を自身に集中して使用すればアーサーと同等までの速度となる。

私?私は身体強化を持っているから余裕。身体強化を持っている魔法使いは希少だけど、0ではないしね。使っても違和感はない。

なので一番遅いのは治癒魔法使いのゲイル。だけど、決して遅くない。


ゲイルは全ての治癒魔法を使える。逆に治癒魔法しか使えない。身体強化も持っていない。

だから今も全力疾走で私たちについてきている。

そんなことをすれば疲労で倒れてしまう。のだけど、ゲイルは継続的に自身に回復魔法をかけて疲労を消している。


いやぁ、治癒なんて面白くない魔法だと思っていたけど…ゲイルの使い方は面白い。

魔法のできることを示されたまま使うんじゃなく、自分のものにして使っているのが感じられていい。


アーサーとマーリンのスキルを確認した後、パーティーで動くなら、と。ゲイルも自身のスキルについて話した。

ゲイルが持つのは「治癒魔法」「診察」「魔法精度向上」「魔力消費減少」の4つ。

診察は対象の異常個所の特定と、対処に必要な治癒法を知ることができるスキル。つまり、戦闘系のスキルは1つも持ち合わせていない。

が、彼は多少ならば戦える。治癒による過剰回復。唯一の攻撃手段であり、仮にデバフ耐性があったとしても回復はバフ判定だから貫通する。

いやぁ面白い。過剰回復をすると対象は肉塊のようになって弾ける。その攻撃の見た目もいい。治癒魔法使いは戦えなくて当然だと言われているというのに戦う手段を用意したところにも好感をもてる。

まぁ通常の回復の比じゃないほど魔力を使うから、最後の一手らしいけど。


ゲイルの応用のおかげで想定よりも早く旅は進んでいく。

1日、2日、3日…1か月、と。

――魔族領は、目前に迫っていた。


魔族領は大きく分けて4つのエリアに分けられる。

魔族領のメインエリアともいえる中央部。ここでは魔族の方針を決定する立場の者が揃い、居住している。まさに心臓部とも表せるエリア。

当然、魔族の代表もここにいる。魔族を取り纏めるほどの力を持った、魔王が。


そして、中央部を囲うように残りの3エリアが展開されている。農耕エリア。商業エリア。そして、軍事エリア。

軍事エリアでは戦争に備えて魔族兵が修練を積み、武具が保管されている。


「当然、最初に狙うなら軍事エリアだよね。」


移動しながらゲイルは諜報員からの魔族領に関する情報を私たちに共有した。

奇襲するなら軍事エリア以外なくない?


「問題は奇襲の方法ですけど、どうしますか?テミスさん。」


「うーん…やってみよっか。アーサー。マーリン。」


そもそも私はこの旅に興味が薄い。神様への感謝と貢献、あとはハンスから頼まれたからやっているのが理由かな。

魔族の力量なんて冒険者をしている時に受けた討伐依頼で知っているし。魔獣よりも歯ごたえはあるし、感情もあるから倒すのは楽しいけど…。軍事エリアにいると思われる大勢の()()魔族を相手するのは純粋に面倒くさい。


なら。ようやく、ここに来て勇者と賢者がいることが生きる。代わりにやってもらえばいいじゃない。

奇襲する上で魔法は有用。賢者による面の攻撃魔法を幕開けとして、生き残った歯ごたえのある魔族は勇者が仕留める。


「二人ならできるって私は信じてるよ?」


この程度も出来ないなら宝の持ち腐れすぎる。せめて私の役に立ってね?


「テミス姉様…!私、頑張ります!」

「師匠、見ていてください!僕、やります!」


二人のスキルが実践で使われるところ、見て見たかったしね。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ