柚葉の力
柚葉が誘拐されて、一日が経った。
冬休み期間ということで、学校の皆には柚葉が誘拐されたことは知らせずに警察と合同で皇護で解決することにした。ただ冬休みが終わるまであと一週間と少ししかない。
そんな中皇護では会議が行なわれていた。
「新維新志士のトップとその目的が分かっただけでもよしとしない」
「でも柚葉が」
「分かってるでも今は下手にこちらが動くわけにはいかな」
龍馬さんが言うが、今の俺にそんな余裕はなかった。
「でもよ、目的が日本を燃やすってどうやってやるんだ?」
武蔵さんが疑問を投げかけた。
「確かに朧の妹のことを核にするとはどう言ったことだ?」
織田さんもさっぱりと言った感じで今回は皇護の中でも、結論を出せるものはいなかった。
「今は新維新志士がどこで何をやろうとしているのか、はっきりしない以上朧の妹を助けるために、即動くわけにはいかないんだ。川上君の気持ちも分かるけど納得してほしい」
「結局柚葉をとらえたのはなんでなんですか?」
「分からない、でも朧の妹を捉えるためにわざと爆発をおこしたんだ。それに久遠と言う新維新志士のトップが出てくると言うことは相当な理由があるはずだ」
理由が分からない以上下手に刺激しない方が良いことは分かってる、でも柚葉を助けたいと思う気持ちが勝ってどうしても動かずにはいられない。
「龍馬さんは柚葉のことはどこまで知ってるんですか?」
「どう言うことだい?」
俺は今まで疑問を口にする。龍馬さんはいつも知り過ぎているその理由を。
「龍馬さんは知ってるんじゃないんですか?柚葉が誘拐された本当の理由を」
「おい、川上。龍馬さんが俺達に隠し事をしているって言うのか?」
「いつも龍馬さんはことの事実を知っていて、その上で僕らに指示を出していた。それにいつも柚葉が言ってたんですよ」
この場で誰一人も話しを遮ることはなかった。
「いつも誰からの視線を感じるって、それを朧に相談した時は自分が人に頼んで柚葉を守るように頼んでいるって。それが龍馬さんだったんじゃないんですか?」
龍馬さんは何も言わない。
「龍馬さん!!」
「はー、もう限界だね。これは事が起きなければ誰にも話さずに墓まで持っていくはずだったんだけどね」
「どう言うことだ、龍馬さん」
「黒神柚葉を以前特殊な目を持つレガシーホルダーに見てもらったことがあった。朧は妹にレガシーホルダーの可能性がないことを確かめるだけのはずだった」
龍馬さんの口から語られるまで全員が固唾をのんで、話しを聞くがそれは予想を大きく上回るものだった。
「結論、黒神柚葉はレガシーホルダーだった」
「一体どんな?」
「卑弥呼」
「え?」