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夢のまた夢  作者: みゆき
8/10

2軒目③それからひとりめの彼女についてと、初デートの思い出

なんで教えてくれなかったの

まったくそんなの、気付かなかった

むしろミサ姉は俺に無関心だと思ってた

節目節目で連絡しても素っ気なかったし

「いやいや、君ずっと彼女いたじゃん」


--------------------


学生時代、この子と添い遂げるんだろうな、と思う彼女がいた。

俺はアイスホッケー部員で、彼女はマネージャーだった。

優しくて可愛くて献身的で、こんな素晴らしい彼女がいるなんて俺はなんて幸せなんだろう!って思ってた。


4年間の終わりは、呆気なかった。

「やっぱり君との未来は想像できない」

みたいなことを言われた翌月には、彼女には別の彼氏ができてた。

多分、もう次の相手ありきで、俺に見切りをつけたんだろうな。


--------------------


「そんな相手がいて幸せそうな君に近付くなんてできなかったよ、私には」

「別れたの知ったの、5年前のあの時だし」

ぐうの音も出ません。

「連絡くれるの結構嬉しかったんだよ。やっと医学部受かったよ!とか救急科に決めました、とか今年のクラブはどうする?とか」「そんなつもりなかったけど、素っ気なかったかな。ごめんね」

それは素っ気なかったと思う。俺に興味なんてないと思ってたし、会話が続かなかった。

「はは、私あんまコミュ力ないからさあ、ごめんね……」

いや別に謝ってほしいわけじゃ……

「じゃあどうしてほしいのよ」

ぐうの音も出ません。


「君が浪人生だった頃に、話を聞きたい、聞いてほしいって遊びに来てくれたことがあったじゃない?あれ、すごく楽しかった」

そっか。

「別れ際に『抱きしめさせてほしい』って言われたの、すごくキュンとしちゃった」

そんなこともあったなあ。

「またいつか誘ってくれるかな?とか思ったけど、そんないつかは来なかった」

……


………………


実は、何度かひとりで奈良に行ってた。彼女がいた間も、別れてからも。

「もしその時声かけてくれてたら、二つ返事で付き合ったのに」

「そうやって繋がりがあったら、何かの拍子に付き合って、もしかしたら」



「もしかしたらいま、一緒に暮らしてるのは、私だったかもしれないね」

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