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クリームシガーロール

書き溜めていたものを放出してみました。

第7食 クリームシガーロール



「駄犬が魔王で下僕が宰相?ほぅ…わしがおらん間にずいぶんと偉くなったもんじゃのう?」


ニィッ、と擬音が付きそうな目が笑っていない笑顔で土下座している魔国の王と宰相に近づくと、閻尾さんはフェンリル様の頭に自身の足を載せて


「謝る角度が足りんのう、ほれ!もっと下げい!」


と、言うとフェンリル様の頭が謁見の間の地面にめり込む…地面にひび割れがおきてフェンリル様はピクピクして居る。


「次は……下僕ぅ?」


「ひっ!」


タルカスさんも相当怯えた声を出すが顔を上げない……閻尾さんは、にやにやして見下ろしているが何もしない………あっ、タルカスさんが顔を上げた。


「下僕ぅ?わしが許したとでも思うたか?…甘いわ!!」


恐る恐る顔を上げたタルカスさんは顔面に回し蹴りを喰らい玉座の横まで吹き飛ばされた。



「ふぅ、さてと冗談は置いといて……起きろ!!」


冗談?いや、結構やばそうだけど?と思ったが閻尾さんの号令を聞いたフェンリル様とタルカスさんは素早く立ち上がると閻尾さんの前に直立不動で整列した。


「え、閻尾さん…お、おかえりぃ?」


「姐さん!お久し振りです!」


絵面だけ見るとヤンチャそうなお兄さんと何処かの組長さんが一般女性に絡んでいる様にしか見えないが先程のやり取りを見た後だと恐ろしく思える。


「おう、貴様らの悪戯のお陰で娘に300年ぶりにあったわ、で?わしがおらん間に偉くなったもんじゃのう?」


「えっ?いやぁ…そんなことないよ〜〜?所詮国を統一したぐらいだしね〜、なっ?タルカス兄?」


「はっ!?あ…あぁ、そうじゃな我等に比べたら姐さんの方が偉大じゃな?」


フェンリル様とタルカスさんは小刻みに震え閻尾さんの顔色を伺う


「ほぅ、国を統一?下僕ぅ、貴様自分の国はどうした?まさか駄犬に明け渡したとか言うまいな?ん?」


「い、いえ、まさか…龍帝国は姉の娘ドライに継がせてフェンリルの力になりに参りました!」


閻尾さんはそれを聞くとフン、と鼻を鳴らして


「ドラーナの娘?奴がまぐわう程強い雄がいたかのう……………まさか!其奴年は幾つじゃ?」


タルカスさんの発言を聞いて考え込むとハッとした閻尾さんはドライの年齢を聞く。


「え、えぇと……」


「まさか…300歳ぐらいじゃなかろうな?」


「ひっ!…」


タルカスさんはもはやHPがゼロなのではないかと思う程憔悴している様に見えるがその態度から肯定と思った閻尾さんは、


「やはり!源十郎の子かーーーー!!!!あの雌トカゲめーーーーー!!!!!」


と、吼えた。


ん?源十郎の子?…………じいちゃんの子?!


「ふぅ……………くそう、わしも夜這いを掛ければ良かったわ……おっと、本題を忘れておった、駄犬!下僕ぅ!何故わしがリストアールから居なくなったか玉藻と婿殿に教えてやれぃ!」


「はっ!閻尾さんの鍛錬に嫌気がさしていた俺とタルカス兄は龍族の秘術とゲートを使って閻尾さんを異世界に飛ばしました!」


「えっ?……母様は旧神との戦いで亡くなったと………。」


「「えっ?」」


玉藻が呆然としながら呟くと、俺と玉藻の存在を認識したのかフェンリル様とタルカスさんが驚きながらこちらを見る。


「聞いたじゃろ?此奴らは自分達が楽をするためにわしを異世界に飛ばし、魔力の大半を奪ったのじゃ、お陰で転移門は開んし、言葉も分からんかったから大変じゃったわ。」


閻尾さんはコキコキ、っと肩を鳴らして


「さぁ帰るかのう?可愛い孫が待っておるでな。」


と、言って玉藻と俺の手を取ると自分の魔力で転移門を開いてくれた。


呆然とする2人を後目に、同じく呆然としている玉藻を連れて転移門を潜ろうとすると何かを思い出した閻尾さんはフェンリル様とタルカスさんに一言


「あぁ、貴様らのお仕置きは孫を堪能してからじゃからな?楽しみに待っとれよ。」


これを聞いた2人は膝から崩れ落ちたと後で知った。



転移門を抜けると、ばあちゃん家の台所で棗とリアがオーブンで何かを焼いていた。


「あ!お父さん、お母さんお帰りなさい!えっと…お母さんのお母さんですよね?シルフェリア・ジル・D・将紀です、よろしくお願いします。」


とことこ歩いて俺たちの前に来たリアが首を少し傾けながら言うと、


「可愛い!わしは閻尾じゃ!おばあちゃんでも閻尾さんでもどう呼んでもいいわ〜〜!」


「それじゃ、おばあちゃん?棗お姉ちゃんとお菓子作ったから食べてみて!」


リアが差し出したお盆にはクルクルと薄いクッキーを巻いて中にクリームを入れたお菓子が盛られていた。


「あぁ、棗は菓子作りが得意だったもんな、家庭料理は酷いもんだったが………。」


昔の惨状を思い出して思いにふけっていると、


「ヤメて…アレは黒歴史…今は…そこまでじゃないです…少しはマシです……。」


と、後ろから棗の怨みに満ちた声が聞こえてきた。


一頻り笑うとテレパシーの魔法が入って携帯電話で言うハンズフリーモードで繋ぎみんなに聞こえる様にする。


「あっ、姫様?申し訳ございません、安夜禍でございます、お忙しいところだと思いますが宜しいですか?。」


何でも、休暇をあげた安夜禍さんは魔国の城でメイドの仕事をしようと城に入ると、兵や文官それに使用人まで全員が慌てて騒ぎになっていたと言う。

何でもフェンリル様と宰相のタルカス様が双方共何かに怯える様に部屋に引きこもってしまったらしい。


「大丈夫じゃ、わしがちょいと脅かしたからじゃろうて……安夜禍、息災な様で結構じゃ!」


「?!?!え?…………………あの……どちら様でしょうか?聞き覚えはあるのですが…。」


玉藻に繋いだはずのテレパシーの魔法から、玉藻以外の声が聞こえて混乱しながらも自らの記憶を手繰り寄せ思い出そうとする安夜禍さん


「悲しいのぅ、城の片隅で縊り殺されるところを助けて、尚且つ舐められんように育ててやったのになぁ?………なぁ?安夜禍?」


そこにわざとらしい嘘泣きをしながら思い出せないか?と聞く閻尾さんは声は悲しそうだが顔はニヤニヤと嫌らしい笑みを浮かべている。


「………育て?………………!!?!まさか!閻尾様でございますか?

そんな!…300年前旧神同士の衝突でお亡くなりになったと………。」


声からでも、安夜禍さんが慌て混乱しているのが眼に浮かぶ様に見えてくる……あの、何時も玉藻を揶揄い微笑を浮かべて余裕の表情を崩さない我が家のメイド長が………。


「まぁ、今はわしの可愛い孫娘を愛でる時間じゃから、後で玉藻と婿殿とリアと其方に顔を出すでの。しばらく待っとれ!」


そう言い切ると、テレパシーの魔法が、閻尾さん側から一方的に切断されたのが分かった。


「さぁ!では、可愛い孫娘の作った菓子を食べるとするかのう!」


先程のやりとりが無かったかの様に爽やかな笑顔を浮かべるとリアと棗の差し出す菓子を受け取り食べ始める閻尾さん


「………あの〜〜?いいんですか?さっきの安夜禍さん、そうとう焦っていたみたいなんですが…。」


リアを撫で回しながら美味い美味いと連呼する閻尾さんに声を掛けると、


「構わん構わん!何せ安夜禍はわしが育てた隠密だからのう…言わば、わしは育ての親も同然!親のやる事に何の疑問が浮かぼうか!」


かっかっかっ!と笑いながら気にするな、と言い

続けて棗とリアの焼いたクリームシガーロールを食べ続ける。


「克馬?その色ボケに何を言った所で意味はありませんよ。」


呆然とする俺に金髪の美人さんが艶尾さんと同じくクリームシガーロールをポリポリ食べながら話しかけて来た。……………ん?金髪の美人さん?貴女だれ?


「…?如何したのです克馬?そんなにだらしなく口を開けて、だらしない。」


金髪の美人は親しげに俺に言うがどこを如何見ても見覚えがない……強いて言えばライナに似ている気がする………っていうかその耳エルフじゃない?こんな美人会ったら忘れるはずが……


「克馬?どうしたんですか?………あぁ、そう言えば幻影魔法を解いてしまったんでしたね、私のこの姿は初めて見ましたか?克馬、コレが私の本当の姿…イノセント・ナインリーフ・ナルバレッタ

…過去に妖精女王を名乗っていた姿を…。」


加筆してみましたが結構期間が空いたのでうろ覚えな点も……

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