門出2
「あ…いたいた、カスミさん今ちょっといい?能力あったんだけどちょっと効果がわからなくてさぁ…」
「人前で話すのもあれだし向こうの個室で話そうか。」
とカスミさんは優しく応じてくれた。
「やっぱりいい人だなー)と」
思っていると、
「ところで能力の名前は何だったの?」
とカスミさんに言われて少し焦ったが、
「せ…生命継続?って書いてあるんだけどよくわかん」
ガタンと椅子がなりカスミさんが急に立ち上がった
「誰かにこの話はしたの?」
とカスミさんが真剣な顔できいてきたので
「まだ誰にも話していないよ。」
と言うとカスミさんは安心したようで席に座り直した。
「恐らくだけどあなたの能力は不死身の類のものだと考えられるわ。」
「え…?」
不死身の能力があるという事は知っていたし、その能力を持った人が迫害されているという事も知っていた。
「落ち着いて聞いてね?おそらくなんだけど能力名に『生命』って単語が入っていることから不死身、それも死んだときに復活するみたいな能力じゃないかと思うの。」
「なんか強そうだなぁ…」
程度にしか思っていなかったが
「どうせ強そうだなぁ…ぐらいにしか思ってないんでしょうけどバレたら恐らく実験材料になるわよ。」
「え…?」
「不死身って事はいろんな魔法とか呪いとかの対象にできるってことでしょ?だから捕まって実験されるのよ。」
「いい?絶対にバレちゃ駄目よ?
あなた確か障壁魔法使えたわよね?
冒険者カードはこっちで偽造しておくから障壁をはる能力って事にしときなさい。」
あまりに突然のことで頷くしかできなかった。
そんな俺はカスミさんに頼るしかなかった。