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夏生詩集3

熟せなかった心

作者: 夏生

熟せなかった心が

先端尖った言葉に

深く切られた


切り傷は

時がたつほど

熱を持ち広がり

痛みの逃げ場

手探りしても

見つからず

焦りは

傷に熱をあたえた


熟せなかった心は

鈍い赤にそまり

腫れ上がった


腫れ上がった心を

何も感じていない顔で

包みこんで

何事もなかったように

過ごした


治そうとする頭は

いつよりきびしく

腫れ上がった心を

押さえつけて

堪えろと叫ぶ


定まらない

痛みが駆け巡る


留まることを

止め

止まることを

はじめる


身体からこぼれ落ちた

言葉が

腫れ上がった心の上に

ふわりとのった


熟せなかった心が

腫れ上がった心が

やっと泣いた








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