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ケットシーの村



 オリヴィア・ライトウィンド

 種族:ケットシー

 職業:村長

 固有能力:なし


 

「なるほど。お前さんがリリナの命の恩人という冒険者かい?」


 ケットシーの村に招待された悠斗が最初に向かった先は彼らの村長の家であった。


 年の頃は20代後半くらいだろうか。

 瑞々しい弾力のありそうな豊満なバストは、悠斗の視線を思わず釘付けにするほどのものであった。


 村長という言葉のイメージからは想像が付かないほどの若々しく、しかも美しい女性である。


「……そういうことになっているみたいですね」


 自分の置かれた状況がいまいち分からずに悠斗は生返事をする。



(……まあ。猫耳の美少女にお礼がしたいと言われて付いて行かない方が無理だよな)


 

 仮にもし。

 リリナが何処にでもいる凡百な容姿をしていたとしたら――。


 悠斗はわざわざケットシーの村に足を運ぶこともなかっただろう。


 けれども。

 ポニーテールで中性的な顔立ちをしたリリナの容姿は、悠斗の琴線に響くものがあった。


「お前さんが戸惑うのも無理はない。我々ケットシーは、外部の人間を村に招き入れるようなことは原則として禁止しているからな。

 しかし、命の恩人ともなれば話は別だ。受けた恩義に報いることを我々の一族は何よりも重んじているからな」


「はぁ……」


(ケットシーというのは、ネコの癖に義理堅い種族なのか……)


 オリヴィアの言葉を受けた悠斗は、心の中でそんなツッコミを入れていた。



「今晩はフォレスティ姉妹の家に泊まっておくと良い。その間に私がお前さんの冒険に役立つアイテムを用意しておこう」



「……! それはどうも。ありがとうございます」


 どの程度のアイテムが手に入るかは定かではないが、貰えるものは貰っておくことにしよう。


 もしかしたら思いがけないレアアイテムが手に入るかもしれない。


 悠斗がそんなことを考えていると、オリヴィアは声のトーンを落として。


「リリナは幼い頃に両親を亡くしていてな。今は妹と二人暮らしをしている最中なのさ。お前さんが客人として家に泊まることになれば、彼女たちも喜ぶだろう」


「……そうだったのですか」


 見たところリリナは15歳にも満たない年齢であった。


(若くして両親を亡くして妹と二人暮らし……か)


 そこにはきっと自分には想像できないような苦労があったのだろう。


 何か彼女たちの力になってやれることはないだろうか?

 二人の境遇を知った悠斗は、そんなことを考えていた。



(……さて。そろそろ戻らないとな)



 村長との面会は原則として1人で行わなければならないという取り決めがあるらしく、現在、悠斗は外にスピカとシルフィアを待たせていた。

 

 二人のことを考えた悠斗は、早々に話を切り上げて村長の家を後にすることにした。





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