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守護騎士シルフィア



 冒険者ギルドに到着すると受付嬢のエミリアが対応してくれた。



 エミリア・ガートネット

 種族:ヒューマ

 職業:ギルド職員

 固有能力:破壊神の怪腕(ザ・ブレイカー)



 破壊神の怪腕@レア度 ☆☆☆☆☆☆☆

(左手で触れた物体の魔力を問答無用で打ち消すスキル)



 悠斗にとってエミリアは色々と謎の多い人物であった。

 一見すると気品の溢れる美しい女性なのだが、所持している固有能力が物騒過ぎる。


「こんにちは。ユウトさまのQRは10に昇格しています。本日から新たに受注が可能になったクエストをご覧になられますか?」


「……はい。お願いします」


 悠斗が肯定するとエミリアは分厚い冊子を捲る。



☆討伐系クエスト



 ●リザードマンの討伐


  必要QR10

  成功条件:リザードマンを10匹討伐すること

  成功報酬:1200リア&10QP

  繰り返し:可



 ●ウッドヘッドの討伐


  必要QR10

  成功条件:ウッドヘッドを10匹討伐すること

  成功報酬:1200リア&10QP

  繰り返し:可



 QR10で追加されるクエストは2種類であった。

 初期の頃のスライム討伐クエストが200リアだったことを考えると随分と報酬の良いクエストが増えてきた。


 けれども。

 つい先日シルフィアがパーティーに加入したばかりだと言うのに、いきなり難易度の高いクエストを行うのは考えものである。


 今日の遠征は肩慣らしということで難易度の低いクエストを選ぶことにしよう。


 そう判断した悠斗はラグール山脈(初級)を目指すのであった。



 ~~~~~~~~~~~~



 ラグール山脈(初級)に生息する魔物はバット、レッドスライム、ブルースライムの3種類である。

 悠斗が知る中で出てくる魔物の脅威度が最も低いのがこの地域である。


「ご主人さま! さっそく向こうの方にバットがいるみたいですよ! 数はたぶん、3体くらいだと思います」


「よし。それじゃあ、さっそく向かうか」


 スピカの嗅覚レーダーは相変わらずの大活躍であった。

 頭に犬耳を生やしたライカンという種族は、悠斗たちヒューマと比較して数十倍の嗅覚を所持している。


 そのため。

 一度戦った魔物であれば、その臭いから居場所を探知することが可能であった。



 バット 脅威LV2



 スピカの指示した方角に付いて行くと目的の魔物に遭遇する。


 数も3体。

 スピカの予想通りであった。


「シルフィア。お前がどれだけ戦えるか見てみたい。ここは任せても良いか?」


「……承知した。この程度の相手であれば、主君の手を煩わせる必要はない。私1人でも十分だろう」

 

 シルフィアは腰に差したミスリルブレードを抜いて戦闘態勢に入る。

 幼少期より剣術の修行を行っていたという言葉に偽りはないらしく、騎士らしい堂の入った構えであった。



「キッキッ!」


 

 シルフィアの姿を捉えた3匹のバットたちは、統率の取れた動きで突進。

 鋭い牙を露わにしてシルフィアの体に飛びかかる。



「ハッ!」



 シルフィアはそれを正面から迎え撃つ。

 刀身の薄いミスリルブレードによる一刀は、まるで風を斬るかのように鮮やかなものであった。

 

 刹那。

 一筋の斬閃がバットたちの体躯を斜めに走る。



「ピギャァッ!」



 バットたちは断末魔の声を上げた直後。

 その肉体を二つに分断させていた。


「シルフィアさん……凄いです! 今の動き……全く目で追うことが出来ませんでした!」


「ああ。正直……期待以上だったよ! これなら安心して冒険に連れて行くことが出来るな」


 シルフィアの剣技は、腕に覚えのある男の冒険者と比較しても頭一つ抜き出るほどに卓越したものであった。


 強いて難点を挙げるとするのであれば――。

 変則的な武術を修めている悠斗からすれば、少々『教科書的』に過ぎる面はあったが、それを指摘するのも野暮というものだろう。



「……いや。私の剣など主君に比べれば、児戯にも等しいレベルだよ」



 その言葉は一切の謙遜が含まれていないシルフィアの本音であった。

 

 つい先日。

 吸血鬼を圧倒するかのような悠斗の桁外れの戦闘能力を見た後では、自分の剣技を褒められても素直に喜ぶことが出来ないでいた。


「これからの冒険でシルフィアに頼みたい役割は1つだ。俺が戦闘している間は、どうしてもスピカの方が無防備になっちまうだろう? 

 俺としてはそれがずっと気がかりだったんだ。だから今後シルフィアに与える最優先の役割は、俺が戦っている最中に『仲間を護ること』だ」



「仲間を護る……か……」



 シルフィアは悠斗から受けた言葉を繰り返す。


「まあ、もちろん……敵の人数によっては一緒に戦ってもらうこともあるかもしれないし、剥ぎ取り作業も任せることもあるかもしれないがな。その辺は3人しかいない訳だし、臨機応変にやって行こう」


「承知した。これからも主君のために全力で尽くす所存だ」 


 一連の戦闘が終わった後に悠斗はふと疑問に思う。


(あれ……そう言えばシルフィアが倒した魔物に対して能力略奪スキルテイカーの効果って発動するのかな……?)



 能力略奪@レア度 詳細不明(アンノウン)

(倒した魔物の能力を奪うスキル)



 能力略奪とは悠斗がトライワイドに召喚されたときに授かった固有能力である。


 魔眼のスキルを発動してステータス画面を確認。



 近衛悠斗

 固有能力: 能力略奪 隷属契約 魔眼 透過 警鐘

 魔法  : 火魔法 LV3(22/30)

       水魔法 LV3(1/30)

       風魔法 LV3(15/30)

       聖魔法 LV2(5/20)

 特性  : 火耐性 LV2(15/20)

       水耐性 LV2(15/20)

       風耐性 LV2(14/20)



 結論。

 風魔法の数字が(12/30)から(15/30)に上昇していた。

 

 これはつまりシルフィアが倒した魔物に対しても能力略奪の効果が発動していることを意味していた。


 

(能力略奪は……俺が倒した魔物以外にも働くっていうことなのか?)



 この辺りについては少し検討をしてみる必要がある。

 

 ラグール山脈(初級)では、1日中狩りを行ったところで得られる収入は微々たるものである。

 今回の冒険の目的は、疑問の検証と割り切ってしまっても良いだろう。

 

 そう判断した悠斗は、次なる獲物を探して歩みを進めるのであった。




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