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異世界で住居を購入しよう

 


 近衛悠斗が魔物たちの跋扈する異世界、トライワイドに召喚されてから1週間ほどの時が過ぎようとしていた。

 この1週間で悠斗は二人の美少女と隷属契約を結ぶことに成功した。



 1人目の仲間は犬耳の少女、スピカ。


 2人目の仲間は孤高の女騎士、シルフィア。



 今現在。

 悠斗の隣には見目麗しい二人の美少女が歩いている最中であった。


「ああ。そう言えば……冒険者ギルドに行く前にギルド公認雑貨店に寄ろうと思っているんだが問題ないか?」


「了解しました」


「主君の望むままに」


 二人の確認を取った悠斗は、バッグの中から1本の刀を取り出す。

 漆黒の鞘に納められたそれは外から見てもレアアイテム然とした雰囲気があった。



 簒奪王の太刀@レア度 ☆☆☆☆☆☆☆

(攻撃した相手の『自由』を奪うことの出来る刀剣。斬り付けた相手を麻痺状態にする効果がある)



 このアイテムはエクスペインの住人たちを虐殺した吸血鬼――ギーシュ・ベルシュタインが所持していた業物である。

 自分で使用する……という線も考えたが、悠斗はこのアイテムを競売に掛けることに決めていた。


 何故ならば悠斗は、武人であって剣士ではないからである。

 強力な武器というものは、時として自らを破滅に追い込んでしまうものであると悠斗は考えていた。


 1つの武器に頼った戦い方に慣れてしまえば、万が一その武器が取り上げられるような事態が発生した時に想定外の窮地を招くことになる。


 何よりも臨機応変な戦闘を重視する《近衛流體術》にとってそれは是が非でも避けなければならないことであった。


 スピカとシルフィアという二人の仲間と生活するからには、これから何かと資金が必要になってくることもあるだろう。

 高価な武器を集めるよりも今は生活資金を確保したい。


 悠斗がアイテムの売却を決めた経緯にはそんな思惑が存在していた。



 ~~~~~~~~~~~~



「お、おぉ……。ランク7の刀剣か。兄ちゃん。こいつはスゲー装備を手に入れたなぁ!」


 

 アドルフ・ルドルフ

 種族:ヒューマ

 職業:商人

 固有能力:鑑定



 鑑定@レア度 ☆

(装備やアイテムのレア度を見極めるスキル。魔眼とは下位互換の関係にある)



 無精髭を生やした筋骨隆々の中年男性。

 アドルフは悠斗から受け取った装備を見るなり驚愕する。


「兄ちゃん。本当にコイツを競売にかけちまって大丈夫かい? ランク7のアイテムなんて一度手放したら早々買い戻すことなんか出来ないぜ?」


「ええ。大丈夫です。それより……《簒奪王の太刀》って大体どれくらいの相場か分かりますか?」


「そうだな。俺はかれこれ20年ほどは競売市に顔を出しているから過去に三度ほど同じアイテムが出品されているのを見たことがある。そんときゃ確か……どれも軽く200万リアを超えていたと思うぜ」


「200万リア!?」


 トライワイドの1リアとは、現代日本の10円とおおよそ同価値である。

 つまりはアドルフの言うことが正しければ、たった1本の刀に2000万円以上の値が付くことになる。


「どちらにせよ家の2軒や3軒くらいなら余裕で買える額にはなるだろうな。売却益の使い道についてはよく考えてみることだな」


「家の2、3軒って……。この街では幾らあれば自分の家を購入できるんですか?」


「ん~。そうだな。贅沢を言わなければ、30万リア以内で買えるところも結構あると思うぜ」


「……!? そうなんですか。色々と有難うございます」


 30万リアで家が買えるということには驚いたが、よくよく考えてみればそれも不自然な話ではないだろう。

 どちらかと言うと現代日本の地価が高すぎるだけで、海外に行けば300万以内で買える家は山ほどある。

 


(……家か。そろそろ考えてみても良いかもしれないな)



 シルフィアと隷属契約を結んだことにより、悠斗が寝泊まりしている宿屋も手狭になっていた。


 今現在。

 悠斗はスピカの紹介により1泊600リアという格安価格で宿屋に滞在している最中である。


 けれども。

 長期的に考えれば30万リアで自家を購入した方が、安上がりになるに違いない。


(いずれにせよ……競売が終わってから考えれば良いか)


 悠斗はそこでシルフィアが使うための水筒を100リアで購入した後。

 本日の討伐クエストを遂行すべく、ギルド公認雑貨店から出るのであった。






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