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元の世界に帰るには



「そう言えば……まだ大切なことを聞いていなかったな。シルフィア。俺が異世界から召喚された人間だっていうことは前に話したよな? どんな些細なことでも良い。お前の知っている手掛かりを教えてくれ」


 様々な事態が重なり有耶無耶になっていたものの。

 元を正せば、悠斗がシルフィアを奴隷商館で購入しようと決意したのは、彼女が「元の世界に戻る手掛かりを知っている」と口にしたからであった。


「……承知した。しかし、それについて語るにはまずは私の生まれ育ったルーゲンベルクの家について話さなければなるまい」


 シルフィアはそう前置きして自らの出生について語り始める。


「私の家は代々、王家に仕えていた騎士の家系だった。ルーメルの王――ガリウス様はとても気さくな方でな。

 幼少の頃より王宮に出入りすることを許された私は、ルーメルの姫君であるウルリカ様に懇意にして頂いていた。だからこそ……異世界召喚についての情報を知ることが出来たというわけだ」


 複雑な面持ちでシルフィアは続ける。


「とある日のことだった。ウルリカ様と密会するために王宮に忍び込んだ私はそこで偶然……発見してしまったのだ。ガリウス様が……《魔族》と密会している場面にな。

 その魔族は自らを《マモン》と名乗った。マモンは言った。近い内にルーメルはロードランドとの戦争になるだろう。その前に《召喚の魔石》を購入した後――異世界人を奴隷として戦争のための道具として使うと良いと。

 もちろん誇り高きルーメルの王は魔族の誘いを断ち切った。もっとも……今にして思えばそれが原因でロードランドとの戦に敗れたのかもしれないがな」


「……そうだったのか」


 表情に出しはしなかったもののシルフィアの言葉の端からは、計り知れない程の無念の感情が見え隠れしていた。


「更にその魔族はこうも言った。異世界人を呼び出すための《召喚の魔石》を製造するための技術を持ち得ているのは自分たち魔族だけであると。

 つまりもし仮に……元の世界に戻る方法を知っている者がいるとすれば……それは現状、魔族だけということになる。私の知っている情報はこんなところだ。申し訳ない」

 

「いやいや。凄く助かったよ。ありがとな。シルフィア」


 シルフィアの言葉を聞いた悠斗は1つだけ後悔の念に捕らわれていた。


(……あそこで吸血鬼の男を倒したのは失敗だったか)


 ギーシュは自らのことを魔族と名乗っていた。

 戦いの最中であったため、悠斗は大してそれを気に留めていなかった。


 今にして思えばギーシュに問い詰めれば、何らかの情報を得ることが出来たのかもしれない。


「それと。もう1つ聞きたいんだけど。その魔族っていう連中は一体何なんだ? 何処に行けばそいつらに会うことが出来る?」


「……ふむ。主君は本当に我々の世界のことを知らないのだな」


 シルフィアはそう前置きした上で。


「魔族とは……今から500年以上前に人類を支配していた者たちの総称だ。魔族が何処で暮らしているのか……それを知る者はいないだろう。

 彼らは人類との戦争に敗れた後、各地に身を潜め人間との接点を断っている。先の吸血鬼のように我々に対して害を成す者など極めて異例の存在なのだ」


「……なるほど」


 シルフィアの話を聞いた悠斗は、朧気ながらも次に自分がしなければならないことについて理解する。

 大枠の目標としては《召喚の魔石》について知っている魔族を捕らえて、その情報を問いただすこと。


 特にシルフィアの言ってた《マモン》と名乗る魔族については、他に知っている人間がいないか調べてみる必要があるだろう。


 そして次の課題は、悠斗自身の戦闘能力の強化である。


 戦闘に勝利こそしたものの、吸血鬼の生命力は悠斗の想像を遥かに上回るものであった。

 これから先より強力な魔族と戦闘になる可能性がある以上――戦闘能力の強化は必須だろう。

 

 幸いにも悠斗は倒した魔物のスキルを奪う《能力略奪》の固有能力を所持していた。

 この能力を駆使すれば効率的な戦闘能力の底上げを行うことが出来るだろう。


 決意を新たにした悠斗は、シルフィアを連れスピカの待っている宿屋に戻るのであった。




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