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救世主の登場!

 


 それから。

 勇者パーティーと邪神の戦いは続いた。


「なんということダ……。これが邪神の力なのか……!」

「クッ! 一体どうすれば倒せるんだ! これではキリがないじゃないか!」


 戦闘が始まった当初こそ威勢の良かった勇者パーティーであったが、戦闘が長引くにつれて次第に余裕を失っていた。

 それというのも邪神の力を宿したルシファーは、何度斬りつけても驚異的な回復能力によって即座に体を再生させてくるからだ。


「ふむ。この体にも慣れてきたな」


 更に厄介だったのは、戦闘が長引くほどにルシファーの力が強化されていくことであった。

 邪神の力を宿して間もないルシファーにとって今回の戦いは、試運転に過ぎなかったのである。


「ようやく30パーセントほどの力を出すことができたようだ」

「「「「――――!?」」」」


 ルシファーの言葉を受けた勇者パーティーの面々は戦慄していた。

 今ら状態ですら、人類最高峰の戦闘能力を誇る4人が全力で戦って、劣勢を強いられるレベルものであるのに『更に上の段階』があることを考えると恐怖で身が竦みそうになる。


「さて。次は50パーセントの力で攻撃をするぞ」


 次にルシファーが繰り出してきた触手攻撃は、一目で回避不可能なものだと思った。

 今までに見たことがないレベルの攻撃の速度と密度である。


(バカな……! このボクが負けるというのか……! あ、ありえないぞ……!)


 この場にいた人間の中で最もショックを受けていたのはシンであった。

 異世界に召喚された際に《主人公補正》という稀有な能力を与えられたシンは、ただの一度たりとも挫折を経験したことがなかったのだ。

 物語の主人公である自分が戦いで敗れるはずがない。

 その絶対の自信がシンの人格を支えていていたのだった。


「傲慢が過ぎるな。まさかこの期に及んで、自分の死を想像できないとは」


 単なる思い過ごしだろうか。

 シンは死の瀬戸際で、目の前の男から、そんな指摘を受けたような気がした。


(このままで全滅するのも時間の問題かもしれません……。ここは私の能力を使うしか……!)


 満身創痍の状況の中、最も余力を残していたのは、後衛で回復魔法を中心の戦いをしていたエミリアであった。


「――精霊よ、集え! 私は死を拒絶します!」


 エミリアが能力を発動したのは、まさに敵の攻撃が命中しようとする直前のことであった。

 眩いばかりの光のオーラが4人の勇者の全身を包んで、ルシファーの攻撃から身を守ることに成功する。



 流転する運命メアリー・スー@レア度 詳細不明

(運命を操作する力)



 エミリアの保有するレアリティ詳細不明の固有能力は《流転する運命》。

 本気で戦う時のエミリアは、半神半魔の異形の風貌を露にすることになる。

 本来であれば絶対に交わることのない闇の勢力と光の勢力の力を同時に合わせ持ったエミリアは、死にゆく運命にある人間に救いの手を差し伸べることを可能にしていた。


「ふう。面倒だな。そこにいる小僧の他にもう1人、概念操作系の能力者がいたとは」


 エミリアの能力によって、窮地を凌いだかのように見えた勇者パーティーであったが、実のところ、事態は根本的な解決をしていなかった。

 相手は今も尚、加速度的な進化を怪物である。

 邪神を前にして一体どの程度まで効力を持続できるのか?

 それは他でもないエミリアですらも、判断が付かないことであった。


「お前のスキルは厄介そうだ。先に潰しておくとしようか……!」


 ルシファーの鋭い眼光に睨まれたエミリアは、恐怖でビクリと肩を震わせることになる。


(お願い……。誰か……助けて……)


 何故だろう。

 その時、エミリアの脳裏を過ったのは、何時の日か冒険者ギルドに颯爽と登場した悠斗の姿であった。


(ユート……さん……)


 この絶望的な状況をひっくり返せる人間がいるのだとしたら、悠斗を除いて他にいないだろう。

 どいうわけかエミリアの中には、そんな確固たる想いが存在していたのである。

 もしかしたら、そんな願いが通用したのか――。

 あるいは、『死』を回避するのに使用した《流転する運命》の効果が発現したのかもしれない。

 エミリアの目の前に1人の少年が召喚される。


「んあ……? どこだ……? ここ……?」


 エミリアは、驚きのあまり瞬きすらもできずに、呆然としていた。

 何故ならば――。

 そこにいたのは、今まさに、思い焦がれていた悠斗の姿だったからである。









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