VS ヘルゴースト
「主君。ついにやったのだな……!」
「いいや。後1匹、最後にボスが残っているみたいだぞ?」
ヘルゴースト 脅威LV ???
エラーメッセージ
(この魔物の情報を表示することができません)
遅れて壁の中から出現したのは、全長5メートルを超えようかという巨大な半透明のモンスターであった。
この『脅威LV ???』という表記には見覚えがあった。
おそらく、このヘルゴーストは、以前に何度か戦ったブレイクモンスターと呼ばれる存在なのだろう。
ヘルゴーストは体から伸びた無数の腕を使って、居間の中に置かれた家具を揺らし始める。
「む。な、なんなのだこれは!?」
「びえっ! びえええええええええっ!?」
「……アタシは何も見ていない。アタシは何も見ていない。アタシは何も見ていない。アタシは何も見ていない。アタシは何も見ていない」
肉眼では目視できないモンスターが目の前の家具を揺らす。
さながらそれは『ポルターガイスト』を体験しているかのようであった。
だがしかし。
もちろん《霊感》のスキルを保有している悠斗にとっては関係のないことである。
「ふふふ。お前だよな。コイツ等を裏で操っていたのは」
「ギョギッ!?」
一体何故?
どうして目の前の冒険者はこちらの姿を見ることができるのか?
動揺したヘルゴーストは悠斗の姿を見て、逆に恐怖しているかのようであった。
「覚悟しろよ! お化け野郎!」
全ての格闘技の長所を相乗させることをコンセプトとした《近衛流體術》を習得した悠斗は、《野球のバッター》としても超高校級の実力を誇っていた。
球の流れに逆らわず、広角に打ち分けるバッティングを持ち味とする悠斗は、その気になれば木製のバッドで150メートル級のホームランを連発することが可能であった。
同時に優れたピッチング技術を要する悠斗は、プロ注目の二刀流選手として、スカウトたちから注目を受けたことがあったのだった。
(……そこだっ!)
水属性魔法で作った氷のバットでヘルゴーストの体を殴打する。
だが、悠斗の攻撃はこれだけに留まらない。
バッドに角度を付けて打ち上げる打法を得意としていた悠斗は、そのままヘルゴーストの体を掬い上げるようにして引っ張った。
「ふっとべえええええええええ!」
会心の一撃。
悠斗の作った氷のバッドにより、ホームラン球の一撃を受けたヘルゴーストは、空気の中に消えていく。
悠斗はそこでステータス画面を確認する。
近衛悠斗
固有能力: 能力略奪 隷属契約 魔眼 透過 警鐘 成長促進 魔力精製 魂創造 魔力圧縮 影縫 霊感
魔法 : 火魔法 LV7(17/70) 水魔法 LV7(30/70)
風魔法 LV6(30/60) 聖魔法 LV6(37/60)
呪魔法 LV8(51/80)
特性 : 火耐性 LV6(26/60) 水耐性 LV3(25/30)
風耐性 LV7(61/70)
どうやらヘルゴーストから入手できるスキルは、呪魔法プラス100らしい。
ゴーストとヘルゴースを討伐した悠斗の呪魔法レベルは8にまで向上していた。
(ぬおっ! こ、この魔法は……?)
新しく習得した呪魔法を確認した悠斗は、衝撃のあまり絶句していた。
何故ならば――。
今回、習得したその魔法は、異世界に召喚されてからというもの、悠斗が欲して止まなかったものであったからである。
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