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砦の攻防(西門編)



 一方、ところ変わってここは、ロードランド国境の西砦である。


 砦の前方には2万を超える洗脳兵たちが進行している。

 一方の迎え撃つ西砦には、既に悠斗にとっても見覚えのある1組の男女が待機していた。



「……いよいよ戦いが始まってしまうのですね」



 砦の上から戦況を眺めていた少女は、何処か寂し気な様子で呟いた。

 黒髪黒目の、お嬢様然とした淑やかな雰囲気を持ったその少女は、ナンバーズにおいて【02】の地位を与えられていた。



「この戦いはこれから起きる地獄のほんの序章に過ぎない……。やがて《世界の反転》が進んでいけば、今日のようなことは日常となるだろうな……」



 黒髪の美少女に向かってそう切り出す男の名前は、アーク・シュヴァルツ。


 ナンバーズの創設者にして500年前に世界を救った英雄の1人である。


 他メンバーと比べて直接的な戦闘能力こそ低いものの、豊富な経験と知識を持ったアークは、組織の中でもリーダー的なポジションに収まっていた。



「なんとかして彼らを救う方法はないのですか?」


「……無理だな。グレゴリーの能力は、スキルホルダー本人を殺さない限り解除されない類のものだ。おそらく今頃やつは、何処かこちらの手の届かない場所で籠城している最中だろう」



 今回グレゴリーが集めた10万人の兵士は、ナンバーズ攻略において小手調べに過ぎない。

 グレゴリーは安全な場所から洗脳兵を無期限に送り続けることによって、ナンバーズの気力と戦力を削ごうという狙いがあったのである。



「分かりました。それでは私の能力を使いましょう」



 彼女の能力を目の当たりにするのは、ナンバーズの設立者であるアークですらも初めてのことであった。


 少女の能力は酷く抽象的でスキルホルダーである本人ですら、その全容を掴むことが難しいほどものだったのである。


 少女が能力を発動したその直後。


 背中から生えた2枚の羽が少女の服を突き破って行く。


 右側から天使の羽、左側から悪魔の羽を果たした少女の姿は、美しいという言葉を超越した、神々しさすらも感じられるものであった。



「そうか。それが貴様の真の力だというのか……。ナンバー【02】。悪役令嬢、エミリア・ガートネット」



 少女の名前は、エミリア・ガートネット。


 エクスペインの冒険者ギルドで受付嬢を務め、《破壊神の怪腕ザ・ブレイカー》の固有能力を持った謎めいた美少女である。


 

 流転する運命メアリー・スー@レア度 詳細不明

(運命を操作する力)



 エミリアの保有するレアリティ詳細不明の固有能力は《流転する運命》。


 本気で戦う時のエミリアは、半神半魔の異形の風貌を露にすることになる。


 本来であれば絶対に交わることのない闇の勢力と光の勢力の力を同時に合わせ持ったエミリアは、死にゆく運命にある人々に救いの手を差し伸べることを可能にしていた。


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