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VS グレゴリー・スキャナー



 それから。

 仲間の協力によってグレゴリーとの1対1の状況を作り出すことに成功した悠斗は、さっそく手にした武器で剣撃の応酬を繰り出すことにした。



「うおっと。あぶねぇ。あぶねぇ」



 だがしかし。

 グレゴリーは悠斗の攻撃の全てを寸前のところで見切って見せていた。



(なんだ……? この感じ……?)



 魔力によって身体能力を強化しているわけでも、スキルを使ってわけでもない。

 グレゴリーは卓越した戦闘センスを以て、悠斗の攻撃を躱していたのである。



 一切の小細工なしに自分とここまで渡り合える人間がいることに驚きを禁じ得ない。



 悠斗にとって『単純に強い人間』と戦うのは、随分と久しぶりのことであった。



「分かるぜ……。お前の考えていること! 手に取るように分かる!」



 悠斗の攻撃をいなし続けながらもグレゴリーはニヤリと笑う。


  

「似ているんだよな……。オレとお前、まるで鏡を見ているようだ」


「…………」



 その言葉は戦闘の最中、悠斗が薄々と気付いていたことであった。



 同じ異世界人という境遇にあり、異世界で100人の奴隷ハーレムを目指したという点において、悠斗とグレゴリーは共通していた。



 共通点は境遇、嗜好だけに留まらない。

 戦闘時における癖、体の捌き方に至るまで、悠斗とグレゴリーは何処か似た部分が存在していた。



「けれども、悲しいかな。お前には決定的に足りないものがある。それが何だか分かるかよ!」



 グレゴリーがパチリと指を鳴らしたその直後。

 何処からともなく現れた洗脳兵たちが悠斗の周囲を取り囲む。


 瞬間、悠斗の脳裏に《警鐘》のスキルによる電子音声が鳴り響く。


 

 起爆札@レア度 ☆☆

(魔力を込めることによって大きな爆発を起こす)



 魔眼のスキルの効果によってグレゴリーが何を企んでいるのか直ぐに分かった。


 洗脳兵たちはそれぞれ『起爆札』というアイテムを掌に取り出していたのである。



「この勝負……! 勝つのはオレ様だ!」 



 グレゴリーが高らかに叫んだ直後だった。


 ズガガガアアアアアアアアアアアアアアアァァァァン!


 地下聖堂の中に大きな爆発を巻き起こる。


 一瞬前まで悠斗が立っていたその場所は、地面が抉れて、大きなクレーターが生まれていた。



 ――自らの欲望を満たすためであれば他者の犠牲を厭わない。



 それこそが悠斗とグレゴリーの最大の相違点だったのである。


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