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異世界観光



 チュンチュンチュン。

 窓の外から小鳥たちが囀る音が聞こえてくる。


 その日、意識が失うまで徹底的にサクラを快楽攻めにした悠斗は、満足そうな様子でロビーのソファでくつろいでいた。



「主君。今朝からサクラの姿を見ないのだが……。何処にいるか知らないか?」



 後からロビーにやってきたシルフィアは、納得の行かなそうな面持ちで首を傾げていた。



「……さぁ。俺は特に何も知らないかな」



 言えない。

 度重なる触手攻めの結果、サクラが意識を失ってベッドの上で眠っているということは、シルフィアの前では絶対に言えるわけがない。


 暫くサクラが戻って来る気配はなさそうだったので、悠斗はアパートの共同キッチンを使って朝食の準備に取り掛かる。



 魔法のバッグ(改) レア度@☆☆☆☆☆☆

(アイテムを自由に出し入れできる便利な高性能のバッグ。制限容量は4000キロまで)



 悠斗の保有する魔法のバッグ(改)は、鮮度をそのままに4000キロまでのアイテムを出し入れすることができるので朝食の食材には事欠かない。


 本日の朝食はフレンチトースト、青豆のサラダ、自家製のチキンソーセージ。アイスティー。


 こういう時に備えてリリナは、温めるだけで食べられる総菜を常に悠斗に持たせていたのである。



「……して、主君。今日はこの後どうするのだ? 我々は暫くルーメルに滞在しなければならないのだろう?」



 飲み物の入ったコップをテーブルの上に置いたシルフィアは、それとなく悠斗に疑問の言葉を投げかける。


 2人にとっての当面の問題は、反乱軍のメンバーが合流するまでの間、どうやって時間を潰すかと? いうことであった。


 エクスペインとは異なり過疎化が深刻なこの街では、気の利いた娯楽施設なものは存在していない。



「そうだなぁ……。せっかくだから街の観光をしてみようかな」


「観光か……。しかし、今のルーメルには主君が満足できるようなものは何もないと思うぞ……?」



 もともとナルビアの街は広い海が広がるばかりで、歴史的な価値を持つような建造物は何もない。

 数少ない観光施設も歯止めの効かない過疎化によって、早々に店仕舞いすることになっていたのである。



「ん? いやほら。1つあるじゃないか」



 悠斗の指摘を受けても尚、シルフィアは腑に落ちない表情を浮かべていた。



「海だって立派な観光スポットだろう。せっかくだから今日は海で遊ぼうぜ」


「な、なるほど! 流石は主君! その手があったか!」



 悠斗のアイデアに感銘を受けたシルフィアはポンと手を叩く。

 灯台下暗しとは、こういうシチュエーションのことを指すのだろう。


 港町で生まれたシルフィアにとって海とは、そこにあって当然のものであり、観光地として訪れるという発想は思い浮かばなかったのである。



「……話は聞かせてもらいました!」



 階段を下りてきたサクラが2人の会話に割って入る。 


 夜遅くまで快楽攻めを受けていたからだろう。

 普段ポーカーフェイスが嘘のように、今朝のサクラは疲れ切った表情を浮かべていた。



「サクラ? どうしたのだ? 顔色が優れないようだが……」


「……いえ。ワタシのことなら気にならさらず。昨夜は少し油断をしていた、それだけのことですから」



 曖昧な言葉を返したサクラは、殺気の籠った眼差しを悠斗の方に向ける。

 持ち前の性技により、悠斗を手籠めにするつもりだったサクラにとって、今回のことは完全に想定の範囲外であった。



「……そういうことでしたら、ワタシが案内させて頂きます。海で遊ぶための道具はワタシが用意しておきますので」


「そうか! サクラがそう言ってくれるのであれば安心だな!」


「コノエ・ユート。貴方もこの条件で異論ありませんね?」



 低い声で尋ねるサクラの殺気は弱まるどこか、益々と強まっていくばかりであった。


 その時、悠斗は悟った。

 サクラの中には今回の敗北を認める気はサラサラない。


 絶対に近いうちに昨夜のリベンジマッチを仕掛けに来るだろう。



「ああ。サクラが案内してくれると助かるよ」


「ふふふ。良い度胸です。言っておきますが、ワタシは昨日の勝負で負けたつもりはありませんからね」



 悠斗とサクラの視線がぶつかり、バチバチと火花が散る。

 ドSな悠斗にとってサクラとの夜の主導権の奪い合いは、男のプライドに賭けて絶対に負けられないものとなっていた。



(……勝負? 2人は一体何の話をしているのだろうか?)



 自分の知らないところで2人が仲良くなっていくのは、複雑な気分である。

 

 ただ1人、何も事情を知らないシルフィアは不思議そうに首を傾げるのだった。


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