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友情を取るか、性欲を取るか、それが問題だ



「うわー。気持ちイイ~。やっぱり北の山の温泉は最高やな~」


「そうですね。こんな気持ちの良い温泉に入れないなんてミカエルも可哀想なやつです」



 それから。

 当初の予定通りに悠斗たちは温泉に入ることにした。


 バスタオルで体を隠しているとは言っても目の前には2人の裸の美少女がいる。


 その事実は悠斗の下半身を悪戯に熱くするものであった。



(集中しろ。これは修行……これは修行……)



 本来であれば2人の体をじっくりと観察したいところではあるが、ミカエルと交わした男の約束もある。


 悠斗は頭の中を戦闘モードに切り替えて、煩悩を振り払うことにした。


 目を閉じて、体を自然と一体化させた悠斗は、悟りの境地を開くことに成功していた。



「ちょっ! サリー! そんなところには薬を塗る必要はないですよ!」


「え~。いいやんか。減るもんじゃないし! ウチら女同士やろ?」


「…………ッ!?」



 突如として聞こえてきた桃色の会話に、悠斗の集中力は脆くも乱されることになる。


 声のした方に視線を移した悠斗は絶句した。


 何故ならば――。

 そこにいたのはバスタオルを取って、互いにエルフの秘薬を塗り合っているソフィア&サリーの姿であったからである。



「ほらほら。ここがええのんか。ここがええのんか」


「……サリー。ノリノリのところ申し訳ないですが、全然気持ち良くないですよ。ユナ先生の足元にも及んでいません」


「むぅ。そんなこと言っても仕方がないやんか。あの人のテクニックは尋常じゃないで」


「…………」



 ソフィア&サリーの会話を耳にした悠斗は、とある感情に駆られていた。



(ああ。今すぐにサリーの代わりにソフィアの体にエルフの秘薬を塗ってやりたいぜ……)


 

 下半身を抑えながらも悠斗は自らの内より沸き上がる欲求を制御する。

 何故ならば此処に来る直前にミカエルと『男同士の友情の約束』を交わしたばかりだったからである。


 同じ男としてミカエルの恋を応援してやりたい。

 そう判断した悠斗は両目を閉じながらも湯船の中で座禅を組み始める。

 


「あ! ウチ、良いこと思いついたかもしれへん! ここはウチの代わりにユートちんに塗ってもらえばええやんか!」


 サリーが提案した突拍子のないアイデアは、悠斗の集中力を激しく乱すものだった。



「な、何を言っているんですか! サリー!」


「えー。だってユートちんは今日まで一緒に修行してやん? 1人だけ仲間外れにするのはおかしないか?」


「し、しかし……ユートさんは男ですよ!?」


「性別なんて関係ないやん。それともソフィちゃんはユートちんに薬を塗られるのは嫌なんか?」


「……べ、別に。そういうわけではないのですが」



 何度か戦闘を目にしていたこともありソフィアは、もともと悠斗のことを1人の異性として意識していた。


 他でもない悠斗に体を触られることは、ソフィアにとって吝かでもないことであったのである。



「あの……。もしよかったら俺が手伝いましょうか?」



 こういう状況になった以上、困っている女の子たちを放っておくことはできない。

 そう判断した悠斗は湯船から上がって2人に近づくことにした。



「こう見えて俺、エルフの秘薬の扱いには凄く自信があるんです! 塗り方については、ユナ先生も褒められたことがあるんですよ」


「ほ、本当ですか!? たしかにそれは凄いですね」



 その言葉が決め手となった。


 あんなに真剣に修行に打ち込んでいた人間が淫らなことを考えるはずがない。


 何時しか2人の間にはそんな間違った認識が生まれていたのである。



「あ、あのユートさん……? 絶対に……変なところは塗らないでくださいよ?」



 ソフィアはそう釘を刺すと、悠斗に体を預けることにした。



「――それでは始めますよ」



 悠斗は宣言すると、壺の中からエルフの秘薬を取り出してソフィアの体に塗り始める。


 日本にいた頃の悠斗であれば、この時点で舞い上がってしまい、醜態を晒すことになっていただろう。


 だがしかし。

 異世界に召喚されてからの悠斗は様々な女性に出会い、飽くなき探求心を以てテクニックを磨いてきた。


 何事に対しても器用な悠斗は、女性の扱いについても超1流の技術を身に着けていたのである。



「た、たしかに! サリーとは比べものにならないくらい上手いです! な、なんというか凄く……大切に触られている感じがします!」



 女体に対するリスペクトにおいて悠斗の右に出るものはいない。


 悠斗のテクニックは既に性的な快楽を抜きにしても、女性に幸福を感じさせる域に達していた。



「あっ……」


「大丈夫ですか?」


「ごめんなさい。変な声を出してしまって。男の人に体を触られていると思うと緊張してしまって……」



 伝説の英雄の血を引く《賢者》として厳しい修行の日々に暮れていたソフィアには、これといって男性経験がない。


 異性にじっくり体を触られるのは、当然のことながら初めてのことであった。



(よし……。この辺りで勝負に出るか)



 悠斗は徐々に両手をソフィアの下半身に向かわせていく。

 その毒牙はついにツルツルとしたお尻にまで伸びることになった。


 次に変な声を出したら淫らな女だと思われるかもしれない。 

 必死に声を我慢するソフィアであったが、そこで違和感に気付く。



「な、なに……これ……!?」



 これほどまでに体に自由が利かないのは、単純にお尻を触られているからではないだろう。

 ソフィアの体に上がったムズムズは、普段1人でしている時と比べて、10倍……否、20倍にも達するものがあった。



「あれ? ユートちんが塗っているエルフの秘薬。そんな色やったっけ?」



 エルフの秘薬の様子がおかしい。

 本来であれば無色透明のはずのエルフの秘薬であるが、悠斗の手にしたそれは何故か黒色に変わっている。


 遅れて異変に気付いたサリーであったが、このとき既に悠斗の作戦は9割方成功した後のことであった。



 ルード

(対象の性的感度を上昇させる魔法)



 実のところ――。

 悠斗は真面目に薬を塗っているように見えて、徐々にエルフの秘薬の中にルードの魔法を混ぜ込んでいたのである。




(規制回避のため、文章をカットしました)




 2人の敗因は『武術モード』の悠斗にばかり目が行って、『エロモード』の悠斗の存在を見抜けなかった点に尽きる。


 それから1時間後。



「ユートさん! もっと……もっと薬を塗り塗りして下さい!」


「ソフィちゃんばっかりズルい! ウチも……ウチだってユートちんにもっと触られたいっ!」



 悠斗のテクニックと闇属性魔法ルードの脅威から逃れられる女性はいない。

 これまで男性経験のない生娘だったソフィア&サリーであったが、すっかり堕落した表情を浮かべていた。




●お知らせ


 規制回避のため文章のカットを行いました。

 カットした文章は書籍版6巻に収録されております。

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