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ブレイクモンスター



 凄まじい光景を見てしまった。

 悠斗とアオオニの戦闘を間近で目の当たりにしていたラッセン&ルナはそんな感想を抱いていた。 


 特にマウントを取ってからの悠斗の猛攻は圧巻であった。

 音速に近いスピードで繰り出される拳は、周囲に激風を巻き起こすほどのものであった。



「えーっと……。こっちは一応終わったみたいです」



 先程までの鬼神のような形相から一転。

 あどけない笑顔を浮かべる悠斗を目の当たりにした2人は、背筋にゾクリと悪寒を走らせることになる。



(まったく……。ユートくんが『味方』でいてくれて本当に良かったよ……)



 百戦錬磨のラッセンの眼を以てしても、冒険者としての『器』の底が未だに知れない。

 悠斗が敵に回った時のことを考えると、恐怖で思わず身震いしてしまう。



「ラッセン先輩。このモンスターが、オーガたちを引き連れてきたのでしょうか?」


「強力なネームドモンスターの中には、配下となるモンスターを持った個体もいる。今回も同様のケースである可能性は高いだろうな」



 ラッセンが呟いた直後であった。

 悠斗の中にけたたましい電子音が鳴り響く。



 警鐘@レア度 ☆☆☆☆☆

(命の危機が迫った時にスキルホルダーにのみ聞こえる音を鳴らすスキル。危険度に応じて音のボリュームは上昇する)



 この現象は悠斗が保有する《警鐘》のスキルが引き起こしたものである。

 音のボリュームは過去に経験した中でも最高レベルのものであった。


 それ即ち――悠斗にとっての命の危機が差し迫っている現れである。


 

 ゴールデンオーガ 脅威LV ???


 エラーメッセージ

(この魔物の情報を表示することができません)



「な、なんだあいつは……!?」



 洞窟の奥から1匹のオーガが現れる。

 どういうわけかそのオーガは、洞窟の暗がりを照らすかのような黄金の肌をしていた。



「……ユートくん。これはまずいことになったぞ」



 オーガマスター 脅威LV 32



 気が付くと、囲まれていた。


 オーガマスターという魔物はオーガより一回り大きい、2本のツノを生やした鬼のモンスターであった。

 その数は、10、20、30……あるいはそれよりも多かった。



「し、信じられません。私の聴覚では、全く気配を感じ取れませんでした!」


「おそらく我々の存在を感知して、闇の中で息を潜めていたのだろう」



 結論から言うとラッセンの嫌な予感は的中していた。

 先程のアオオニとの戦闘で終わっていれば、単なる『ネームドモンスターの出現』という言葉で片付けられていただろう。


 だがしかし。

 今回の襲撃は、それ以上の『ナニカ』を感じさせるものであった。



「断言する。連中は我々の手に負える相手ではない。ここは一旦引いて、ギルドの指示を待とう」



 正体不明の金色のオーガ。

 周囲を取り囲んでいる30匹を超えるオーガマスター。


 いかに悠斗の力を以てしても分が悪い戦闘であることは明らかであった。



「ラッセン先輩っ! でも……どうすれば!?」


「2人とも。今すぐに両目を閉じろ! アタシが良いというまで絶対に目を開けるんじゃないぞ!」



 ラッセンはそう前置きすると、ポケットの中から閃光弾を取り出した。

 冒険者としてのキャリアの長いラッセンは、逃走用のアイテムを常備していたのである。



「今だ! 出口に向かって走れええええ!」



 洞窟の中に生息するモンスターには、光による攻撃が有用となるケースが多い。 

 閃光弾を使ってオーガたちの目を奪うことに成功した悠斗たちは、一目散にその場を後にするのであった。

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