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VS インプ



 それから。

 レジェンドブラッドから事情を聞いた悠斗は、彼らの任務に協力することにした。


 ソフィア曰く。

 このリシャールの花園にはとある大物魔族が潜伏しているらしい。


 この情報を獲得出来たのは、彼女が取得しているレアリティ詳細不明の固有能力――《予知夢》によるものである。



 予知夢 レア度@詳細不明

(未来の光景を夢の中で見ることを可能とするスキル)



 今回の討伐対象である『白虎』と呼ばれる魔族は、強欲の魔王――マモン部下であり、魔族たちの中でもトップクラスの実力を有しているのだと言う。



「なるほど。ということはまず、リシャールの花園に潜んでいる白虎と呼ばれる魔族を見つければ良いんだな」


「いいえ。その必要はありません。白虎の居場所については、今朝の神託で確認済みですから」



 ソフィアの固有能力である《予知夢》の欠点は、ある程度の狙いは付けられても得られる情報を完全にコントロールすることが不可能という部分にあった。


 昨日の内に決着を付けられたかったのは、最初に見た夢の内容からだとターゲットがリシャールの花園に潜伏しているというところまでは判明しても、細かい場所までは分からなかったからである。



(しかし、何故でしょう。昨日といい今日といい、私の予知夢のスキルでは彼についての情報を掴むことが出来ませんでした)



 そもそもにして悠斗の存在は様々な点で不可解であった。


 以前のベルゼバブ戦の時もそうである。

 ソフィアの予知夢によれば、暴食の魔王ベルゼバブはミカエルの仕掛けたトラップによって討伐されている予定であった。


 予知夢のスキルは100パーセント確定した未来の情報を獲得するタイプのものではない。


 逆に言うと、改変可能な未来だからこそ価値があるとソフィアは考えていた。


 だがしかし。

 こうまで連続してイレギュラーな事態が発生することは過去に前例のないことであった。



(コノエ・ユート……。今日ここで私が貴方の真価を見極めてあげますよ)



 悠斗に仕事を手伝ってもらおうと考えたのは、レジェンドブラッドの戦力が不足していると判断したからではない。


 白虎が塒にしている洞窟に向かう最中にソフィアは、ひっそりと笑みを零すのであった。



~~~~~~~~~~~~



「なるほど! ということはソフィア殿とミカエル殿は所謂、幼馴染の関係だったのだな」


「ええ。誠に不本意でありますが、そう呼ばれることに対して否定はしません。私とミカエルは互いに物心ついた時から親戚を交えての付き合いをしていましたから」


「びえ~! なんだかそういう関係って憧れます。物語に出てくる恋人同士のような関係ですね」


「それについても否定しません。相手があのミカエルでなければの話ですが……」


 悠斗たち一向は白虎が潜伏しているリシャールの花園内の洞窟にまで足を延ばしていた。

 前を歩くスピカ・シルフィア・ソフィアの3人はガールズトークに花を咲かせている。



「…………」


「…………」



 盛り上がる女子たちとは対照的に無言だったのは、悠斗&ミカエルの男子コンビであった。


 元々ミカエルは悠斗に対して好意的な感情を抱いていない。

 悠斗としても自分に敵意を剥き出しにしている相手と会話をしても仕方がないので、2人の男子の間には険悪な雰囲気が漂っていた。



「ご主人さま! この奥から魔物の臭いがします!」



 スピカが声を上げた直後のことである。



 インプ 脅威LV19



 目の前にコウモリの羽を背中から生やした小人を発見する。


 洞窟の中ではあるが、リシャールの花園で妖精系以外のモンスターとエンカウントするのは初めてのことであった。



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