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シルフィアの剣技



「それでは事前に勝負のルールを確認しようか。私たちは、これから入る『ミミズクの街道』でユウトくんの前に現れる魔物たちを倒していく。どちらがより多くの魔物を狩ることが出来るかを競うとしよう」


「……うむ。それで異論はない」


「ほう……。大した自信だな。少しはアタシのことを楽しませてくれよ」


 エクスペインの冒険者たちの中でもトップクラスの実績を誇っているラッセンにとってシルフィアの存在は取るに足らないものであった。


 冒険者として自立をしている自分が、奴隷という立場に甘んじている相手に敗北することなどありえない。


 少なくともラッセンは、この時点では自らの勝利を1パーセントも疑っていなかった。



「それでは先に進もうか。この辺りはアタシも昔狩場として使っていたことがあるからね。案内をしようじゃないか」



 ラッセンは洞窟探索の必需品である暗闇を照らす魔石をバックの中から取り出すと、悠斗に先駆けて暗闇の中に足を踏み入れる。


 悠斗&シルフィアはラッセンのプリプリとした尻の後を追うのであった。



 ~~~~~~~~~~~~



 オーク  脅威LV15


 ピクシー 脅威LV13



 暫く歩くと、さっそく敵とエンカウントする。


 敵の編成は、前衛にオークが3体、後衛にピクシーが1体であった。


 オークという魔物は、豚の頭と人間の体を持った種族である。

 悠斗にとっては、この世界に召喚されるきっかけを作った馴染み深いモンスターであった。


 ピクシーという魔物は、以前に出会ったフェアリーという魔物を一回り大きくしたような外見をしていた。

 しかし、手には弓を携えいることからフェアリーのような回復魔法だけが取り得の魔物ではないことが推測される。



「さて。まずはお手並み拝見と行こうじゃないか。先手はくれてやろう」



 ラッセンはホルスターの中から《神秘の火銃》を抜くと、被っていたウェスタンハットのツバを整える。


「…………」


 シルフィアは無言のままミスリルブレードを抜くと、オークの群れに向かって突進していく。



(やはり素人か。オークとピクシーを相手に正面から戦いを挑むとは……既に底が割れてしまったな)



 冒険者としてのセオリーによると、こういった状況においては後ろに回り込んでピクシーから叩くのが最善の手段であった。


 ピクシーを先に倒さないことには、前線で戦うオークたちに回復手段を与えてしまう。


 前衛にいるオークから戦ってしまうのは、ルーキーに陥りがちな初歩的なミスと言えた。



「はぁぁぁ! たあっ!」



 だがしかし。

 結論から言うとラッセンの予想は大きく外れていた。


 シルフィアはオークたちの槍をミスリルブレードで軽くいなすと、《風魔法》を発動させて大きく跳躍する。



「「「ぶごぉぉぉぉぉっ!」」」



 その直後。

 オークたちの首筋に斬線が走り、断末魔の悲鳴が聞こえた。


「なっ……」


 シルフィアの剣技を目の当たりにしたラッセンは絶句した。


 何故ならば――。

 彼女の剣技は、今までにラッセンが目にしたどの剣技よりも美しいものであったからである。


 風を斬るように素早いシルフィアの剣技は、オークたちに回復させる時間を与えない。



(……最近、何時にも増して稽古に時間をかけているのはこういうことだったのか)



 悠斗は感心していた。

 シルフィアの剣技に対する悠斗の評価は、「基本に忠実過ぎるが故に隙も大きい」というものであった。


 だがしかし。

 シルフィアの剣技は《風魔法》を取り入れることより、急激な進化を遂げていたのである。


 シルフィアは背を向けて逃げるピクシーの後を追う。

 風魔法により移動速度を上昇させたシルフィアは、「絶対に追いつくことが出来ない」と評されるピクシーのスピードを凌駕するものであった。



「そこっ!」


「キキィィィッー!」



 その結果――。

 現役のシルバーランクの冒険者でも討伐に骨が折れると言われているピクシーを討伐することに成功するのあった。



「な、なるほど。シルフィアくんと言ったか。なかなかどうして楽しめそうじゃないか……」



 自分から煽っておいて敗北を喫するわけにはいかない。


 今回の一件で急激に余裕をなくしたラッセンは、額から汗を流すのであった。





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