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疑惑



 それから。

 ラッセンを玄関まで送った悠斗は、ルナの様子を見るためにリリナの部屋を訪れていた。


 扉を半開きにして中の様子を窺うと、そこには桃色の光景が広がっていた。



「リリナ……。リリナ……。会いたかったよっ……」


「ったく。ルナは仕方のねえやつだな」



 今現在。

 ルナはリリナの膝の上に頭をのせて甘えた声を出していた。


 普段の不愛想な態度から一転。

 リリナと一緒にいるルナは体中からハートマークを出しているかのようであった。



(もしかするとルナには……リリナのことが好きなのかな?)


 

 今回のこともそうだが、ルナはラッセンとはまた違った理由で男と線を引いているように見えた。


 凄腕の冒険者でありながも、何処か乙女チックな言動の多いルナ。

 家事万能スキルを持ちながらも、男勝りな性格のリリナ。

 

 よくよく考えると二人は、お似合いのカップルなのかもしれない。



「ねえ。リリナ。大事な話があるんだけど」


「ん。どうしたんだよ。急に」


「私が知らないところでユウトさんにエッチなことをされなかった? もしユウトさんがリリナに酷いことをしているなら私がガツンと言ってやるんだからっ!」


「…………」



 ルナの質問を受けたリリナは、気まずそうに視線を逸らす。


 事実を話すならば、彼女の体は悠斗の《触手魔法》によって毎日のように開発を受けている最中である。


 だがしかし。

 真実を話すことが決して人を幸せにする訳ではないと悟ったリリナは、適当に誤魔化すことにした。



「あはは! 何を言っているんだよ。ユートの周りには他に魅力的な女性が沢山いるからな。オレなんて全く相手にされるわけないじゃねーか」


「そ、それならいいんだけど」



 親友の口から聞きたかった一言を確認することが出来たルナは、ホッと胸を撫で下ろす。



「む~。けれども、それはそれで腹が立つわね。リリナはこんなに可愛くて格好良いのに……それに気づかないなんて」


「なんだよ~。どっちなら良かったんだよ~」


「…………」


(こうして見るとまるで本当の姉妹みたいだな)



 リリナが長女、ルナが次女、サーニャが三女と言われても違和感はなさそうである。

 そこで悠斗はふと前の世界に残してきた妹のことを思い出す。


 近衛愛菜という妹は、悠斗にとって天敵と呼べる存在であった。

 

 容姿端麗。成績優秀。

 おまけに優れた武術の才能を有しているため、一見して非の打ちどころのない美少女なのだが、その内面は異質の一言に尽きる。


 彼女の存在は、これまで悠斗に多くのトラウマを植え付けてきた。



(……まあ、幸いなことにここは異世界だし。俺が日本に戻らない限り、アイツと会うことは二度とないんだけどな)



 女同士で募る話もあるだろう。


 部屋の中に入り辛い空気を感じ取った悠斗は、リリナ&ルナに気付かれないようにソッと扉を閉めるのであった。




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