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VS レジェンドブラッド4



《鬼拳》

 それは自らの体に刻み込まれた『生存本能』を極限まで希薄にすることで身体能力を大幅に向上させる悠斗にとって、切り札とも呼べる技である。


 現在、悠斗が《鬼拳》を維持していられる時間は3分間だけであった。

 つまりは3分以内に勝負を付けなければその時点で自動的に敗北が決定してしまうことになる。


 女の子を背負いながら戦うというハンデも加わり、状況は絶望的なものと言ってもよい。


「ユートさま。アタシのことならお気遣いなく。もっと乱暴に扱ってくれてもへっちゃらですよ? こう見えてアタシは魔族ですから体は丈夫にできているんです」


 自分の体を気遣いスピードを落としているのではないか?

 という疑問にかられてベルゼバブは悠斗に対してそんな言葉をかける。


「そうか? なら、お言葉に甘えて。こっちも余裕がないからな」


「~~~~ッ!?」 



(凄い……まだ速くなるの!?)



 悠斗はそこで《鬼拳》のギアを1段上げると、クリスタルゴーレムの背後に回り込もうとする。


 その速度は既に音速の域に達しており、ベルゼバブが身に付けていた学生服はそのスピードに耐えきれずビリビリに破けてしまう。

 あられもない姿になったベルゼバブは、振り落されないように必死で悠斗の背中にしがみつく。



「グガガガガ!」



 己の危険を察したクリスタルゴーレムは、体内に貯蔵した魔力を水晶の形に変えて、全方位攻撃を仕掛ける。


 ゴーレムの放出した水晶弾は部屋中に巻き散らかされて、部屋の至るところに巨大なクレーターを出現させる。



(こいつ……ゴーレムの癖に飛び道具かよ!?)



 クリスタルゴーレムが有する意外な攻撃手段に一瞬だけ狼狽えた悠斗であったが、《鬼拳》で向上した反射神経を駆使して、なんとかそれを回避する。


 悠斗は一通り水晶弾を避けた後、足の裏に力を込めて、全力で跳躍する。


 狙うは、クリスタルゴーレムの頭部。


《破鬼》。


 鬼拳により身体能力を上げた状態で破拳を打つというこの技は、単純な威力だけで考えれば悠斗の所持する技の中で最大と言っても過言ではないものである。


 けれども。

 体に対する負担の大きい《破拳》と《鬼拳》を同時に用いるこの技は、1度放てば暫くの間は腕が上がらないことを覚悟しなければならないものであった。


 悠斗は《鬼拳》のギアを最大まで上げると、高速で拳を打ち出しながらも、インパクトの瞬間に腕全体に対してスクリューのように回転させて、クリスタルゴーレムの体内にその衝撃を拡散させる。



「グガアアアアァァァ!」



 会心の一撃。

 クリスタルゴーレムの体は程よく水分が混じっていたらしく、《破鬼》のダメージを全体に行き渡らせることができた。


 しかし、完全に勝負が付いたと思われたその直後。

 悠斗の脳裏に死の予兆が過る。



「こいつ……。自爆する気か!?」



 クリスタルゴーレムの体内からは夥しい量の魔力が漏れ出している。

 体の水晶にはヒビが入っており、今にも爆発を始めようかという雰囲気であった。



(どうする……!? どうやって切り抜ける!?)



 鬼拳によりギアをマックスに入れた悠斗が全力で走れば、爆発の範囲外まで逃げ出すことは可能かもしれない。


 けれども。

 全力のスピードで走れば背後にいるベルゼバブの肉体が、負荷に耐えきれずに張り裂けてしまうだろう。


 悠斗が頭を悩ませていると、後ろにいるベルゼバブが指の先で悠斗の頬をちょこんと突く。


「ユートさま。大丈夫です。どうやらアタシの能力はたった今、戻ったみたいですから」


「……?」


 悠斗がベルゼバブの発言の意図を探ろうとした直後。

 クリスタルゴーレムの体は眩い光を発しながらも激しい爆炎を上げる。



(……ダメだ。もう間に合わない)



 鬼拳のギアをマックスまで入れた悠斗が、一か八か部屋の外に脱出しようとしたそのときであった。


 突如として、目前に異形の生物が出現し悠斗の周囲を光の膜のようなもので覆う。


 瞬間、轟音。

 クリスタルゴーレムの体は大爆発を起こして、ダンジョンの一室を灰燼に変える。


 その威力は想像を絶するものであり、ミカエルの作った氷の塔すらも一瞬で蒸発させる。



「……助かったのか?」



 ところが、奇妙なことに悠斗の周囲だけは爆発前と変わらない平穏を保っていた。


 その原因が目の前にいる未知の生物の作り出した、光のシールドにあることは直ぐに分かった。

 

 勝負に一区切り付いたことを悟った悠斗は、ステータスを確認。



 近衛悠斗

 固有能力: 能力略奪 隷属契約 魔眼 透過 警鐘 成長促進 魔力精製

 魔法  : 火魔法 LV4(12/40)

       水魔法 LV6(10/60)

       風魔法 LV5(4/50)

       聖魔法 LV2(5/20)

       呪魔法 LV3(12/30)

 特性  : 火耐性 LV3(19/30)

       水耐性 LV3(0/30)

       風耐性 LV4(6/40)




 魔力精製 レア度@☆☆☆☆☆☆

(体内の魔力の回復速度を上昇させるスキル)



 固有能力の欄には新たにクリスタルゴーレムから奪った《魔力精製》の項目が追加されていた。



 征服者の証@レア度 詳細不明

(ダンジョンを守護するガーディアンを討伐したことを証明する宝石。このアイテムに触れるとダンジョンは消失し、中にいる人間は強制的に外に飛ばされる)



 爆発したクリスタルゴーレムは光の粒子となっていき、その場に1つのアイテムを残す。


 どうやらこの《征服者の証》というアイテムが、クリスタルゴーレムの討伐証明部位にあたるものらしい。


 戦いが終わったことを知った悠斗は、ホッと胸を撫で下ろすのであった。




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