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contagious insanity

この作品はフィクションです。感染しませんので穏やかに読んでください。それでは、ドーゾ☆

今から、狂気のはなしをします。


その昔、一人の男がいました。

彼は、内気で、小心者で、怖がりで、臆病者でした。彼はある時、後ろから囁く声を聞きました。


「ここから南に山を二つ越え、東に谷を三つ越えろ。その先に力がある。何者をも覆す力だ。まぁ、お前がいらないならいいんだが。」


それから、その声は聞こえなくなりました。


一週間後、彼はとうとう旅に出ました。

南に山を二つ越えるのに、彼は二月かかりました。

その間、何も食べず、飲みませんでした。

さらに東に谷を三つ越えるのに、彼は半年かかりました。

何も食べていなかったので、彼は自分の左手を食べました。そして、その左手からでた血を飲みました。


とうとう、彼は力を手にいれました。

と、いうより、彼は力になりました。


〜狂気の始まり〜

おしまい。









「それから、狂気はどうなったんですか?」

一人の若い男は読み手の、年老いた男に聞いた。

「それが、まったくわからんのじゃ。そもそも、この話が本当かどうかも怪しいからな。考えてみろ、二月も飲まず食わずでいきていられる人間がいるか?だから、あまり真にうけないことだ。さぁ、今日はもうおかえり、ウォン。」


ウォンと呼ばれた若者は、言われるまま、その場を後にした。


辺りはすっかり暗くなって、今日は月も隠れていて、真っ暗だ。


彼は考えていた。

「そんなものがあるのなら・・・いや、あるのか?気になる!気になる!!」


そんな事を思っていると、後ろから囁く声を聞いた。

「そんなに気になるのか?」

驚いて振り返ると、


そこには左手のない、目には正気はなく、ひょろひょろの、しかしどこか恐ろしい生き物がいた。


「教えてやるよ。狂気はある。」




そいつはそういって近付いてきた。


「どうして、そう言い切れる。」

俺は冷静になって、いや、冷静を装って聞いた。

すると、そいつは笑って、

「俺は狂気に一番近いからだ。」


といった。


「証拠はあるのか。」

「あるさ。」

「教えてくれ!狂気とはなんだ!!」


しりたがりで有名な俺が、こんなところでひくわけにはいかない。


「知りたいか?ならばついてこい。狂気を見せてやる。」


俺はやつのいうとおりついていった。




しばらく進むと、もう辺りは暗闇で、あいつと自分自身しかみえなかった。


「狂気について、まずは話してやる」

そしてやつは静かに物語る。




昔、遠い昔、一人の男がいました。

そいつは自分の事が大好きでした。

だけど、そいつはまわりの人間に、さげすまれ、うとまれ、あざけわらわれました。


そいつは内気で、何もいうことができませんでした。そして、そいつの中で、ひとつの黒い感情が目覚めてきたのです。

その感情を溜め込んで、溜め込んで、彼はとうとう頭がおかしくなりました。

その時にこんな声を聞いたのです。







「お前は狂気に感染した。いま、お前は無敵だ。今まで溜め込んでいたものをはきだせ。」




「それで?」

「それからそいつは自分の家族、友人、街ひとつにいた人間全てだ。全てぐちゃぐちゃにして殺した。気持ちよかったぜぃ、あの時の、やつらの表情、悲鳴。絶叫。」


そいつは腹を抱えて笑いだした。


「お前が、狂気なのか?」そして、その質問にやつは即答だった。


「いや、違うね、俺は感染しただけだ。」

「・・・どういう?」

「狂気は人にうつるのさ。伝染病のように、ウィルスのように。」


「そうなのか・・・。じゃあ、俺はかえるよ。ありがとう。」


ここにいてはいけない気がした。

一刻も早くこの場をさらなければいけない気がした。

「まてよ!まだおわってないぜぇ・・・」


体が動かなくなった。やつは近付いてきた。

「狂気に感染して、人間を殺したまではいいが、その後が問題でよぉ・・・殺したりねぇんだ!虚無間を埋めたくて、人を殺したくて仕方ないんだ!!苦しいんだよ・・・!」


そして倒れこんだ俺に顔を近付けて、やつはいった。

「狂気は感染するんだ。例外はない。そう、お前にもだ。」


夜の静かな闇に、不気味な笑い声が響いた。









「おい、狂気について知りたいか?」

まだ若い男、だがひょろひょろで、どこか恐ろしい、まがまがしいものを纏っていた。


「うん。知りたい。教えて。力が欲しいの。」

若い女はそういった。


「いいぜ、教えてやるよ。ついてこい。」

そして不気味に笑いながら、俺はそいつを連れていく。


狂気の世界へ。










教えてやるよ、









狂気は感染するんだ。

いかがでしたか?今回は狂気という感情をおもしろおかしく?書いてみました。ワールドシリーズとは少しはなれましたが、まだまだいきます。それではまた、のちほど。

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