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忍び寄る者達


今回はあかね 信也しんや視点です


「はぁ、俺もまだまだだな」


 人がいない公園に来て俺はそう呟いた

 いつの間にか誰かに付けられている

 しかも俺にだ

 あの場で問いただしてもよかったがさすがにあの姉妹に見せるわけにはいかない

 だから、わざわざ変に抜けて……話を聞く

 こっちも学校楽しみにしているんだから早めに終わらせたい

 目を閉じて現れるのを待つが……

 殺気放ったら殺しにかかる

 これはこの世界の掟

 むしろ俺は優しい方だ

 そう思っていると足音をわざわざ立てて公園に入ってきた


「俺に何の用だ?」

「……茜家の者と見て物申す。我が家を救ってくれないか」


 黒いコートを着た男が頭を下げて俺に言う

 たまにこういうこともある


「いやだと言ったら?」

「この場で私は死のう。生きる意味がないのだから」


 俺の方を睨み、短刀を取り出す

 その目は覚悟を眼差しだ

 自殺するつもりなのだろう

 ……はぁ


「どういう内容だ?」

「っ!!」

「単刀直入に行ってくれ。こっちも用事があるんだ」

「ああ、実は………」


 話を聞いた結果だとこうだ

 元々この男の家系は陰陽師で女性が退治してきた

 この娘も例外ではなく、退治してきたのだが突如現れた巨大な力によって奪わられたらしい

 そのせいで娘の体内で異常が発生し、倒れこんでいる

 だから、どうにか奪い返してくれ……という、内容だ

 どう考えてもあと、数分で終わらないよな

 かといって、ほっておいて放課後だけでできるわけでもない


「いつ奪われたんだ?」

「ほんの数日前だ」

「どんな奴だった?」

「わからない。唯一見た、娘も昏睡状態になって寝ている」

「あと、どれだけの猶予がある?」

「………すまないが、娘は一刻を争う状態になっている」


 まずいな

 どちらを捨てるか

 学校に行くのを捨てるか

 人を救うのを捨てるか

 ……今更だよな。自分の幸せを願うなんて

 俺らしくもない


「よし、やるからには絶対に助けてやる。娘さんの元に案内してくれ」

「わ、わかった!!」


 あとで、美咲に謝って置こう

 ……えっ?

 なんで美咲に謝ろうと思ったんだ???

 自分の中の感情に戸惑いながら俺は男について行った


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