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此方と彼方と勇者と俺と

[商人の息子A]は前を歩きながら、何がそんなに楽しいのか謎だが満面の笑みを浮かべて時に鼻歌を口ずさんでいた。 

メロディに聞き覚えはない感じの曲。 

だけど、どこか懐かしい感じのメロディだった。 



「あ、そういえば。この世界について知りたい、さっきこう言ってたよな?」


ふ、と振り向いたと思ったらそんなことを言われた。 


「ああ。」


そう首を縦に振りながら肯定すると、商人の息子さんは「ふーん。」と、それはそれはどうでもよさそうに呟いた。 

そして商人の息子はしばらく考えてから、「よしっ」と小さく決意?をして俺に向き直ってから、俺の前っいう位置から俺の横へ移動した。


「いいか、村人A“此方の世界”と“彼方の世界”を切り離して考えたら駄目なんだよ。」


つまりだな、と商人の息子は続ける。 


「地球ってーのはさ。大まかに分けると“生物”“人工物”“自然”この三つにだいたいカテゴリー分けできるだろ? この三つの要素のどれにも当てはまらない所謂“バグ”を固めてるのがこの世界。」



「バグ? バグって、ゲームとかのアレだよな? じゃあ、地球のバグって何だよ?」


「だから“生物”でも“人工物”でも“自然”でもないものだよ。」


「…。やっぱ分かんないけど、いいや。 とりあえず先に進めてくれ。」


「うーん。先に進めろ、って言われても俺もこれ以上知らないんだよな。実はチキ爺の口癖をそのままお前に教えただけだしな。  やっぱ意味分かんないよな。」

シシシと何がおかしいのか謎だが商人の息子さんは笑った。 


「地球のバグ、ねぇ…。ゲームなら、プログラマーの設計ミスってのが妥当だよな。」


ゲームにあまり詳しくないが、大体そんな感じだろうと俺は続けた。 


「なら、地球を設計した奴のミスって考えるのが普通だよな?」


と、商人の息子に話を振る。 


「うーん。どうかな、それが一番問題なんだってさ。」


チキ爺によるとさぁーと、軽い感じに息子さんは続けた。 


「[世界]のバグであって、[地球]のバグじゃないらしいんだよ。」


こっからは俺の推測だけどよぉ、とあくび混じりに続ける。 

「それってつまり、[人間]の中のバグ、って意味なんじゃないかな、と。」


? 

「人間、の…[中]? …性格って意味か?」 


「それもある。けど、多分魂的な部分かな。」


「魂?」 


「考えてもみろよ。自然界の動物達はさ、同種族同士なら殺しあったりしない。したとしても、それは生きる為の手段だったりする。」


ーーけど人間って生物はどうよ。 


「生きる為の手段ではなく同士を殺す。精神的意味だったり、肉体的意味だったりな。それも、大半の理由は私利私欲の為。その私利私欲の積み重ねの歴史が俺達[人間]って生物なのさ。」


一息にそう言い切り、その後に「ま、あくまで俺の意見だよ、気にすんなー。」と足早に俺の前に踊りでた。


「さ、こっからは[名前]でいいぜ? 名前呼びなんて久しぶりだなー…。あ。そうだ。村人A! せめてあだ名つけてもいいか? な、あだ名なら心配いらねーよ!」



さっきの(若干)シリアスな雰囲気をぶち壊しながら彼…えー…っと。翔は何がいいかなーと俺のあだ名を考えている。 



それにしても、 


俺はルンルンしながら前を歩く翔には目もくれず、来た道を振り向いた。 


村から大分離れたな、それが初めての感想だった。 

勇者、なんて言うもんだから村の一番大きな屋敷とかもしくは村の端の小さな小屋にでも住んでいる思っていた。

なにせ、[勇者]だ。 

子供達にも人気があるだろうし、誰にでも優しく接す、そんな人。 


頭の中で勇者について考えていると、「あのぉ?」と控えめな声が聞こえた。 

あわてて精神を現実に引き戻し、声のする方へ。 


「あ、はい。なんですか?」

振り向いた先には少女が立っていた。 

小学生くらいだろうか? まだランドセルが似合いそうな背格好だ。 

迷子かな? 


「あ、えーっと。迷子かな? お母さんとか、」


どこにいるか分かる?と続けるつもりが、あだ名を考えついたらしい翔が振り向きながら、 


「あ、なんだ会ってんじゃんよー! マキシマムスーパー無口デラックス!」


!? 


「な、なんだ今のッ!マキシマム…え、な、それもしかして俺のあだ名かよッ!?」

此方に来てからの初突っ込みである。 


「ははっ予想通りな反応だよ、うん、え、待て待て!悪かったから、その振り上げた拳を収めろよッ!」


…まぁ、許そう。 


「ふーっ…。あ、冗談だよ、冗談。あだ名って普通名前から取るだろ? 決められなくてさ、思いついたの全部詰め込んだだけだから、あんま怒んなって。 うん、短期のたーくんか、無口のムー、どっちがいい?」


……選択肢は2つだけなのか。


「…宮村だ。」


「は?」


「宮村健吾。俺の[名前]だよ。変な呼び方やめてくれ、頼むから…」


「みやむらけんご、じゃー、むらっちにする。」


「…………好きにしろ。」


正直男にむらっちなんて呼ばれたくないが(気持ち悪い)、マキシマム…なんとかよりずっとマシだろう。 

「ところで、勇者は?」


さっきから止まったままだが、ここにいるのは俺にこいつに少女のみ。 

どう考えても勇者はここにはいない。 

あぁ、でもこの子送っていかないと。 


俺は少女に目線を合わす為に少しかがみ、少女の目をまじまじと見た。 

綺麗な黒色だ。 

生粋のアジア系かな? 


「えっと…お嬢さん、家…どっちか分かるかな?よかったら、送るけど…」


「…おにいさんは、だあれ?」


こてんと首を傾けて問われる。 

あぁ、妹に欲しいタイプかもしれないなぁ。 


「別に怪しい奴じゃないから、えーっと。俺は、村人A。君は?」


「…そっちの名前は勇者、じょーかーって、みんな呼ぶけど、わたし名前ちゃんとあるんだよ。」


…っ!? 


「え、まっ、この子が、勇者!? ま、まさかッ! だって、こんな小さな、」


「むらっちほんとに何にも知らないんだな。 …かれん、このお兄さんは大丈夫だから怯えんな。兄ちゃんの友達だからよ。」 



と、若干震えていた少女(傷ついた)に優しく微笑む、 


「え、え、兄妹だったのかよ!?」



すごく短い上に途中で終わりすぎですね、分かります← 


とりあえず出来ているのは仕上げようとした結果がアレです、すみません… 


はじめましての方も前回見て頂いていた方もありがとうございました! 


今後も頑張りますので、よろしくお願いします!

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