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ヒマワリの写真

 ヒマワリの写真には苦い思い出がある。

 一般的にヒマワリは、太陽の色をした花で明るいイメージが多いだろう。だがある出来事以来、私の中では索引が「警告」に変わってしまった。


 数年前のことである。某所にて素晴らしい花の写真を見かけた。夏空とヒマワリの写真だ。その鮮やかな色彩に心を奪われた私は、思わず撮影者に感想文を送る。「大変すばらしい写真で、本物のヒマワリを見に出かけたくなりました」

 返事はすぐ、予想外な形で返ってきた。

『私がヒマワリをどうとらえたのか、そこを見てほしかったのですが』

 あきらかに失望している文面だった。


 二つのことに私は気がついた。

 一つは、何気なく書いたつもりでいながら、感想が喜ばれると思い込んでいたふしがある。褒めているのだから当然というわけだ。我が事ながら本当に恥ずかしいかぎりである。

 二つ目は、ヒマワリの撮影者と私は、表現について意見が真逆ということだ。「こういう風に見てほしい、それ以外は認めない」とは、傲慢としか思えない。

 他人は自作品の評価者として存在するわけではない。それぞれの思惑を生きる人間なのだ。


 断っておくが、私とて酷評や批判に傷つかないと言い切れるほど完璧な人格ではない。

 だが一旦発表した以上は、思わぬ言葉や影響が返ってくることは覚悟しなければ、と膝を震わせながら足を踏ん張っているのである。

 ヒマワリは私にとって、思いあがりを戒める警告の花なのだ。


                                          (終)

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― 新着の感想 ―
[一言] 「だが一旦発表した以上は、思わぬ言葉や影響が返ってくることは覚悟しなければ、と膝を震わせながら足を踏ん張っているのである」 確かにそうですよね。 ちょっと前、実は他人の評価がすごく恐かった…
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