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第4話 ギルドでお墨付きをもらったので旅に出よう!

 商人ギルドで卵の大箱とベーコンの塊をデカいままで買い、冒険者ギルドへ歩く。ちょうど、東へ向かう道沿いらしいので、ついでだね。


 あ、あそこに冒険者グッズの店があるみたいだ。ドワーフの冒険者グッズだって。そのまんまだな。


 その一軒飛ばした建物が冒険者ギルドらしい。

 予想通り、屋台が沢山でていた。

 とりあえず、味見かな。

 サンドイッチをひとつ買って食べてみる。

 うん、新鮮野菜がシャキシャキしてるね。卵焼きが入ってる。これはいいな。

 とりあえず、十個買うことにした。

 

 さて、次だな。

 串焼きがいろいろあるんだけど……このタレのいい匂いはどこから?

 ええと、これじゃない、ここも違う、ええと……ここだ! この店が旨い。鑑定でも高評価だ。肉はジャイアントギルだって。牛肉でしょうよ、たぶん。あとは、塩味の鶏肉? コカトリスとビッグバードのミックスか。これもいい感じだ。


「すみません、一本ずつください」

「はいよ、ちょっと待ってな、すぐに仕上げするから」


 見ていれば手際よく仕上げてくれる。

 お待ち! と渡してくれたので、金を払い受け取る。

 

 ひと口食べて感激した。牛肉は肉汁が溢れるほどに柔らかい。もきゅもきゅ食べてあっという間に終わった。次は鶏肉だ。あ、これはもものヤキトリじゃないか! 旨い~適度な食感と臭みもない淡泊な味。これは買いだ!


「追加いいですか」

「おう、いくらでもいってくれ」

「じゃあ、たくさん欲しいんですけど、どちらもどれくらいならいいですか? アイテムボックス持ってるので買っていきたい」

「おう? そうか。それなら四十本ずつくらいなら仕上げしてやる。ギルドに行くんだろ?」

「うん。話があるから、時間がわからないんだけど」

「名前は? 受付で呼ぶからよ」

「タケルです。じゃあ、声かけてください、その時に受け取りますから。お金を払っておきます」


 悪いな、とおじさんは金を受け取ってくれた。

 じゃあ、お願いします!

 そう言い、中に入った。


 あいつら、どこにいるんだろう。

 ええと? いないじゃないか!


「すみません。ええと、昨日、冒険者の人と少しトラブルになって。話に来たんですが、本人たちが来てないようで」


 お待ちください、と奥へ入っていったよ、おねえさん。


「失礼します。当ギルドの副ギルドマスターのアリです。昨夜トラブったとか?」

「はい。宿のレストランで。それで、ギルドで話をしようということになりました。責任者の方は?」

「承知しました。冒険者の名前はわかりますか?」

「いってませんでしたが、大剣をもったひげもじゃのデカい人です。他の二人は、普通の長剣でした。あ、そうだ。手の甲に面白いマークがありましたね、三人とも」

「なるほど……では、二階で話をしましょう」

「はい。あ、でも。外の肉串屋さんに注文してるんです。俺はタケルといいますが、熱々を入れて行きたいので、持って来てくれたらすぐに知らせてください」


 受付の人に言いつけたアリさんは、階段を上がってゆく。もちろん、俺も続いたよ。


「よう、まあ、座ってくれ。で、夕べ、お前さんが泊まっていた宿のレストランでと聞いたが。どこの宿だ?」


 正直にいいました。商人ギルドに紹介してもらった、対面の宿だと。


「そりゃまた高級な宿だな。なんであいつらがそんなとこに」

 

 ブツブツ言ってるけど、どうしたのかな、ギルマス。


「おう、悪かった。で、内容は?」

「俺がひとりだから護衛を頼んだ方がいいと。自分たちのようなSランクが護衛すれば、みたいなことでしたね」

「はぁ。なるほどな。それで、お前さんはひとりなのか?」

「そうですよ。ひとりです。それが何か?」

「いや、ここから先の街道にはな、魔物もそれなりに出るんだが、盗賊が多い。身ぐるみ剥がされて、見た目の良いやつは奴隷に売るっちゅう悪辣さだ。やつらの事はおいといても、俺も護衛はいた方がいいと思うけど」

「うーん、そうかもしれませんが、俺には必要ありません。護衛だという人まで守るのはごめんですから」

「あはは、かなり自信があるんだな。まあ、お前の持ち物をみれば、何となく理解できるが。それで、冒険者として登録してあるのか?」

「いいえ。必要ありませんし。薬草採取から初めて、とか別にいらないです。自分で売ったり、クスリを作る為なら薬草も採取しますけど。それをやって、また次でFランク、また次と続くでしょ。面倒です」

「あはは、面倒か」


 コンコン。


「ギルマス、彼らが来ました。それと、屋台のオヤジさんが」

「あ、それ、俺が行きます」


 ドアを開ければやつらがいる。


「ちょっと待っててね、おじさん。俺、受け取ってくるから」

 

 はあ? とやつらはボケてたけど。

 そんなの無視して階段を駆け下りて、オヤジさんから受け取った。


「ありがとよ。熱いから気をつけろ」

「うん。ありがとう。これで旅の楽しみが増えた!」

「そうか。気をつけてな」


 おじさんに手をふって、駆け上がる。

 そして、自分の席にいって、鞄に入れた。


「おい、それ。魔法鞄か?」

「魔法鞄? ああ、そうかもね。そう言うんだね、これ」

「すごいな、お前。さすが商人と言う所か。で、お前ら、何やったんだよ」

「いや、俺はこいつがひとりで街道を行くって言うから、護衛をと勧めてやったんだ」


 ふうん、とギルマスはやつらを睨んでるね。


「合ってるか、それで」

「かなりはしょってるよね。俺が食事を終わらせて部屋に戻ろうとしたら、こいつらが寄ってきた。それで、護衛をといってきた。俺は何も言ってないのにね。このギルドは護衛の押し売りするのかって疑問に思った。だから、ギルドで話そうっていったんだ。ちゃんと何度も断ったよ、俺」

「なるほどな。だが、こいつらのことは別として、護衛は雇わないのか?」

「うん。さっきもいったけど、いらない。俺より強い人がいるなら考える」

「よほど自信があるんだな」

「自信というか、実力を試したいとは思ってる。昨日は剣を振ってないしね」

「……なるほどな。それなら、お前ら! 模擬戦するか。いや、まて。そういやあ、フックが戻ってたな」


 はい、と副ギルマスが出て行ったけど。


「俺の知る限り、この街で一番の剣士と裏の鍛錬場で模擬戦やってみるか」

「面倒だね。でも、いいよ。そうでないと、信じてもらえなさそうだし」


 おう、と鍛錬場へ向かった。

 そこにあるボロい剣を使えというので断った。

 使いにくいし、かえって怪我をしかねないからという理由で。それは、フックさんも賛成してくれた。

 

 結果、真剣での勝負になった。

 俺は特殊な剣を使うからと気を使ってくれたらしい。じゃあ、よろしくお願いしますと頭を下げた。

 

 フックさんは、長剣をすらりと抜いて、構える。

 俺も一応構えてみた。剣道の感じだな。


 一気に走り出した二人の剣はガキンとぶつかる。持久戦になれば、身体の小さい俺の負けだ。

 そう思ってフックさんの剣を押して距離をとった。そこで俺は鞘に刀をしまう。

 皆が意外そうな顔をして見ているんだけど、俺は手加減を間違わないようにと真剣だ。


 ジリッとフックさんが足先に力をためる。このまま駆け出せば大怪我になる。そう考えて、俺は腹に気をためた。

 フックさんが今にも掛けだそうとしたその時、俺は放つ。


【一閃!】


 シュバッと空気を切った気配と共に、フックさんの身体がすくんだ。止まってしまったんだ。長剣を振り上げたまま、固まった。


 その時には、胸の前にある金属の防具がガコリとズレた。そう、切ってしまったんだ、俺。


「フックさん、大丈夫ですか? 身体は切ってないと思うんですけど」

「あ……ああ、切れてない。身体は大丈夫だが、これはどういうことだ?」

「あはは、時間もないので、俺の得意技を出しました。これで理解してもらえましたか、ギルマス」

「……お、お前。どういうやつなんだよ。冒険者ギルドに登録しろ、いや、してくれよ。俺の推薦でランクを上げる。なあ、頼む。そうしてくれないか」


 いや、面倒なことになったな。

 でも……


「絡んできた人たち。これで俺に護衛はいらないっていったこと、わかっただろ。それでも護衛の押し売りをするの?」

「い、いや。もう、いい」

 

 そう言い、その場からいなくなった。

 はあ、めんどくさ。

 そんな中、二階へとフックさんも一緒になって引きずられていく俺ってなによ。


「お前、頼むからここで登録してくれないか。もう出て行くんだろ?」

「うん、出て行きます。この国にはいたくないから」

「……何があったか知らないが、どうしてもダメか。解体も割安で受けられるんだぞ。自分で解体するのか?」

「解体はしたくないよ。でも、割安ってだけでしょう? それなら別にいいよ。冒険者はならず者って言われるのがわかる気がする。その中には入りたくない。あ、でもフックさんは強いと思う。それは間違いない。そうだ、鎧を切っちゃってごめんなさい。弁償します」

「いや、それはいい。まあ、確かに冒険者はそんな風に思われてるんだろうな。それは悲しいことだ。で、これからどこに向かうんだ?」

「ええとね、基本的に地図通りに東へ行くつもり。あと、途中で海の幸が買える街には行きたいかな」

「なるほどね。じゃあ、地図はあるのかな?」


 うん、と商人ギルドで買った世界地図を取り出せば、ギルマスがひっくり返りそうになった。


「お前、すごいの持ってるな。それ、高かっただろうよ」

「知らない。まとめて支払ったし。で、どこの国?」


 フックさんは、北と南の海のある街を教えてくれた。国自体もおおらかだし、ただ、北は寒いから冬はやめろって。あと、海には魔物が沢山いるから、地元の市場で買えるし、商人ギルドでも売っているらしい。それはありがたい情報だった。


「はぁ。お前には何か考えがあるんだろうな。どうしてもこの国を出るという考えも、思いつきじゃなさそうだ。それなら諦める。だが、その気になったら登録してくれ。それとな、国によっては戦争をやっている国もある。だからくれぐれも気をつけろよ。お前なら旨いこと避けそうだが。遠回りしてでもいいから、避けた方がいい。そうでないと、知らない罪を押しつけらることもある」


 なるほどね、やっかいだよ。

 でも、この世界でもそういう輩がいるんだな。触らぬ神に祟り無しってことか。じゃあ、各地の商人ギルドで情報を集めるかな。


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