第3話 宿で柄の悪い冒険者に絡まれた。これもデフォルト?
その時、冒険者グッズの店を教えてもらった。
ここにもいろいろあるらしいけど、ナイフを見たかったからね。
宿は、要望を伝えていたので、ギルド正面の宿がおすすめだと、推薦状を渡してくれた。これで子供でも泊まれるし、風呂もあるって。ふふふ、よかった~
マジックアイテムがいろいろあったので、そこそこの金額になりました。でも、問題ありません。白金三枚でおつりがもらえた。大金貨も金貨もあったよ。オマケに大金貨一枚を金貨に替えてもらった。そうでないと使いにくいからね。
お荷物は、と聞かれたので、マジックアイテムから次々収納してゆく。手で触れれば入っちゃうし。
もちろん、食材もいろいろ。
数分かかって全てをいれてから、丁寧にお礼をいってギルドを出た。
結局、ご飯食べてない。
まあ、宿で食べられるかな。
おっと、もう日が傾いてきてるね。夕方五時くらいかな。
正面の宿って聞いたから、いってみよう。
「いらっしゃいませ。本日はお泊まりですか、御食事でしょうか?」
「泊まりでお願いします。これ、商人ギルドからです」
はい、と受け取って中を確認していた。
「タケル・ヤマト様。本日は当宿をご利用いただきありがとうございます。お部屋のご希望はありますか?」
「ひとり部屋でお風呂が欲しいです」
「承知いたしました。では、おひとり部屋、風呂付きでよろしいですね」
はい、と答えて金一枚を支払いお釣りをもらった。この宿はそこそこ良い宿なんだろう。一泊銀貨七枚でした。
部屋に向かう前に食事の事を聞いた。
ホテルの中のレストランで食べられるが、料理と引き換えに支払いをするらしい。うん、それは問題ない。
時間は朝、六時から夜十一時くらいまで、らしい。
今はどれくらいかな、ときょろつけば、そろそろ夜六時です、と四角い時計みたいなものを指さしてくれた。あ、あるんだな、時計。
じゃあ、と既にレストランが開いているようなので、そのまま食事を取ることにした。
メニューが渡されて、とりあえず水を五本頼む。あ、果実水や果実の搾ったものもあるらしい。他は酒類だな。
とりあえず、野菜サラダとステーキ、パン、あとは肉煮込み、それとクリームパスタを頼んだ。パスタは長いやつかなぁ。長い方が好きだけど。
出てきた料理は、そこそこ旨い。
外部からも食事の客が様々やってくる。それほどの味だということだろう。
望んだ通りの料理が並べられて嬉しさ百倍だ。
金も払って、さて、食べましょうか。
だが、少々気になる視線を感じる。嫌な感じだけど、無視無視!
本当に旨いな、ここの料理は。
ガツガツと食べるが、冒険者たちのようにがっつくことはない。ただ、腹減りでいつもより急いで食べている。
はやく部屋にいってアイテムボックスの中身を確認したいのと、ステータスもいろいろ調べたい。
一番の望みは風呂に入ること。それにつきるんだけど。
二人前ほどの料理を食べたあと、デザートに挑戦。
なにやらケーキが見えたので、ケーキと果実水を試してみる。
このケーキ、すごくいい。
やたら甘ったるいこともなく、すっきりとしている。大人なら紅茶を飲むんだろうけど、俺は果実水が気に入った。さっぱりしているからだ。
う~ん、満足だね。
明日の朝食が楽しみだな。うん、ここで食べて良かった。明日、朝食を食べてから旅に出よう。
そんな風にいろいろ考えていたのだが。
「おい、そこの坊主。お前、冒険者か?」
「違うよ、商人」
「ふうん。商人か。行商してるのか、お前」
「そうだよ。それが何?」
「ここを出たら護衛が必要だろ。俺たちはSランクパーティーだが、やってやろうか、護衛」
あはは、護衛の押し売りかよ。
「別にいいよ。俺、護衛は雇わないし。ありがとうね、気にしてくれて」
「はあ? 護衛無しでどうやって街道を進む? 強がらないで頼め、明日の朝、冒険者ギルドで手続きすればいい」
「だから、必要ないから。それにこの国は護衛って、必要な人が雇うんじゃないの? 護衛の方から雇えって押し売りするのかな」
うぬぬ、と拳を握りしめてるね。
「お前、何を偉そうにいってるんだ。俺はよかれと思ってだな」
「なるほどね。じゃあ、明日の朝、ギルドで話をしようよ。それが一番よくない? 公平なんでしょ、冒険者ギルドって」
「お、おう。公平だぞ。それなら明日、ギルドで話そう」
わかった、じゃあね~
そう言って階段を上がる。
やっと部屋に入って驚いた。
かなりいい部屋だ。
そうか、日本でも一泊七万円の部屋はそこそこいいはず。それでこれか。
お風呂はそこそこ広いね。トイレも魔道具なんだろうか、とても綺麗で快適そうだ。
とりあえず、綺麗にしたいかな。
いや、でもほこりっぽいものもあるだろうし、後でいいか。
一番最初に取り出したのは、今日手に入れた刀だ。
何度見ても素晴らしい。
さすがに部屋の中ではふれないけど、手のひらにしっくりくる。以前の刀は居合い用だったので、刃が薄く鋭かった。でも、これもなかなか綺麗だ。少し分厚いが、重さはほぼ同じだね。長さもちょうどいい感じ。
ああ、はやくこの刀を振ってみたい。そう思う自分がおかしかった。
あれほど毎日辛かったはずなのに。嫌でたまらなかった鍛錬。あれは、型にはまったものだった。居相に特化して鍛錬していたから、かなりの技術はあると思う。でも、剣士ではなかった。
体験入部で剣道部にいったことがある。
そこで竹刀を握った感覚は、ただ重い、だった。でも、身体に一本筋が通った気持ちにはなった。当然、素振りをしたときの感覚もよかった。
だから剣道部の二年生を気絶させてしまった。今思えば気持ちが良かった。決して自由に振り回していいわけじゃなかったけど、駆け引きが楽しかった。
今、そんな気持ちだ。
明日はどうなるかわからないけど、正直に話してみる。それで信じてもらえないなら、関わり合いになるつもりはない。それでいい、だって、この国は俺の人生を変えたんだから。いや、違う。変えてくれたといってもいいくらいだ。
あと、金は見るのをやめた。
そして、調理道具を見た。
ちゃんと包丁まで入って入る。まな板らしき板もあった。その上、米が食える! まあ、精米する必要はあるけど、魔法で何とかなると思ってる。調理スキルを使うつもりだ。
食材もそこそこ揃えたし、天ぷらや唐揚げもできる。油も高級品だという植物油を買ってある。これでいろいろできるな。
そうだ、ナイフが欲しい。
ナイフって、どういう形があるんだろうか。アウトドアで使うようなものかな。それとも短剣とか?
あと、財布の代わりになるような小さな鞄が欲しい。ちょこちょこお金を出し入れするのは面倒だし。小銭もありそうだから。
おそらく、朝のギルド近くには屋台が出ていると思う。それを買い込んでアイテムボックスに入れていこう。馬車に乗れば楽なんだろうけど、急ぐ旅でもないし、魔物も倒してみたい。それに盗賊たちに興味がある。どれくらいの実力なのか。
もちろん、お宝にも興味がある。
一応商人だし、持ち帰れるものは持ち帰って売れるものは売りたい。金は別にいいんだけど、流通されているものがどんなものか。盗賊のアジトってどういうものなのか。
気になることはいろいろある。以前の世界では経験できない事だろうし。
おそらくは森の中にあるんだろうけど、その道中に出てくる魔物は狩ろう。
ゴブリンとかいるのかな。
ゲームとか小説では、臭いし汚いって書いてある。それに、素材もとれないし金にもならない。それなら、いらないね。ただ、襲ってくれば倒さないと。それが面倒だ。
明日は冒険者ギルドで話を終えてから、おそらく近くにあるであろう店にナイフや素材袋を買いにいきたい。その後だな、出発は。
結局、ステータスは再確認せずに終わった。
疲れている上に、詳細はそれぞれをタップすれば確認できると理解したから。それに風呂も入りたいし……
寝ちゃってました、俺。
朝日で目を覚まし壁の時計をみる。
時計って、売ってないのかな。あれば便利だけど。
あ、でも。
今使ってる時計の時間を合わせばいいか。うん、それでいいかも。といっても、時間の進み具合はどうなんだろうか。時計を鑑定して見るか。
鑑定*****
腕時計:異世界のもの 問題なく稼働する 時間軸はほぼ同じ 太陽軸で稼働する 一年に一度、三十六秒ずれをなおす必要がある
*****
そういうことか。
でも、そこそこ使えるってことだよな。
じゃあ、この時計に時間を合わせるか。
世界時計だから電池はいらないけど、これも通用するのかな。太陽軸で動くと書いてあったけど、充電もできるらしいからいいのかな。まあ、そのうちわかるだろう。
急いで風呂に入り、着替えをして帯剣し、ローブを手に持つ。そしていつもの鞄をかけた。
鍵をもってドアを出る。
忘れものはないよな、と確認すれば問題なさそうだ。
★★★
レストランに向かえば、笑顔で迎えられる。
メニューをみて、朝食セットの大盛りを頼んだ。大盛りって食べられるのかな。
気にはなったが、食いたかった。
出てきた料理は全く問題なく、当然旨かった。ベーコンがあるんだと知って、うれしかった。ベーコンはゲットだな。あと、卵を買わないと。じゃあ、商人ギルドによってから行くか。
早々に朝食を終えて、フロントで礼を言う。
「ありがとうございました。次においでの時には、ご利用いただけるとありがたいです」
「はい。とても満足しました。その時には是非。では、商人ギルドにいってから冒険者ギルドに向かいます。お世話になりました」
「昨夜のこと、失礼致しました。まさかあのようなことを言われるとは」
「いいですよ、別に。俺の本心ですから。話はできる相手ですか、ギルドマスターは」
「もちろんです。厳しい方ですよ、冒険者に対して。筋の通らないことは許せない人です」
「それなら安心ですね。では、失礼します」
玄関まで見送ってくれたので、手を振って街道を横切った。




