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第15話 商業ギルドの闇といってもいいのかもしれない。

 とりあえず、冒険者ギルドに戻って場長に声をかければ、すでにサーペントは全部できあがってた。

 ワイバーンも追加を出せと言われたので数体出した。マナバイソンもそこそこ出した。

 後でまた来いと言われて、とりあえず、サーペントとできあがってたワイバーンの肉と革をアイテムボックスに入れて、ギルドに入っていった。

 買取を精算すべく、カウンターに向かう。そして、肉と皮以外のヒラリがほしいといった素材以外を買い取ってもらい、ギルドを出た。


 とりあえず昼飯にするか、とギルドのレストランで昼食を取る。ハクもお行儀良く食べました。


 この後、商人ギルドに向かう予定だ。その見積もりを見て、俺の鑑定と大差がなければ売ってしまおうと思ってる。


「明日はイリアの出身地に行くんだけど、これから商人ギルドにいって、ヒラリさんの店に行く。ハクはどうする? 小さくなって抱こうか? あ、そうだな、お前が入れる鞄があればいいなぁ」

『それなら主。私は森に行って魔物を狩ってこようか。街にいれば動かないから、運動不足になりそうだし』

「それはいいけど。結界に魔物を入れて持って帰るのはマズいぞ。それなら、アイテムボックスを付けるか? 脚でもいいし、従魔の首輪に指輪型を通してもいいが」

『なるほど。それはそうだね。じゃあ指輪型の方がいい。従魔の首輪は外れないから安全だしね』


 そういうことか。 

 それなら、と指輪型アイテムボックスで容量無制限・時間停止のものを従魔の首輪に通せば、嬉しそうだな。


「肉の旨いやつか素材のいいやつにしてくれよ。それと、お前も高ランクだが、くれぐれも気をつけろ。とりあえず、ギルドの馬場から転移するか?」

『うん、気をつけるよ。じゃあ、一緒に馬場まで向かう?』

 

 ハクは、戻る時には念話するからといって転移して行った。そう、王都の結界より上に出たんだ。とりあえず、空にも結界があるらしい。

 すぐに自分に結界を張ったハクは空を駆けていった。


「ほんとうにお前らには驚かされる。ずっとここにいてくれればいいんだけどなぁ」

「それはない。俺は旅がしたいんだ。戻ることもあるけど、このあとは行く国も決めている。人を探したいから。だからいろいろ回るつもり」

「まあ、もったいない話だな。だが、冒険者にならないなら、残念だけど諦めるしかないな。商人だし」


 そうだね、と笑いながらギルドの前の屋台を見て、それぞれに注文をした。できあがり次第、声をかけてくれるらしいから、安心だ。

 この世界では、俺の歳なら酒を飲んで当たり前らしいけど、俺は飲んだことがない。ノンアルコールがあったから試してもいいかとは思ってるけどね。まあ、炭酸だと思って飲めばいいよ、ノンアルコールなら。

 暑くなったら考えよう。


「時間通りだな。先に奥に出してくれるか。なんでもいいぞ、順番は気にするな」

 

 ありがたい、と次々と魔物を出して行く。亜竜は最後にと言われたので、それ以外だな。

 肉はマナバイソンとワイバーン、オーク、コカトリスくらいだな。あとは見て考えるから、と肉の旨いやつから取り出した。

 明日はイリアの村に行くんだと言えば、多めに出して行けと言われたので、そうすることにした。何しに行くんだと聞かれたので、旨い野菜を買いにいくといえば、呆れられたぞ。なんでだ?


 山盛りに魔物を取り出してから肉や皮、角等をアイテムボックスに入れて、あとは買取カウンターに向かって、現金化した。

 うん、魔物もいろいろ素材があるからそこそこいい値段になるなぁ。にっと口角を上げ、もらった革袋をアイテムボックスに入れた。そろそろ中身を整理しないと訳がわからないな。

 

 その後は、屋台の料理を受け取って、商人ギルドに向かった。


「いらっしゃいませ、タケル様。お見積もりが終わっております。どうぞ」


 応接室に通してもらったんだけど。

 紅茶とケーキが出てきたが、鑑定して俺は食うのをやめた。昨日のやつじゃん、古いよ、これは。

 こっそりイリアにも伝えてやめるように言っておいた。腹が下るぞ、これ。


 見積金額は、まあ、そこそこだけど、決して高くはないな。全体で大金貨数枚の差が出てるんだけど。魔道具も少し安いな。

 どうするか、とりあえず戻るかな。


「せっかくお見積もりいただいたのですが、値段が安いようですので今回はやめておきます。既に別の商会に売りましたが、値段の付け方が違うようですね。お忙しいところ、申し訳ございません」


 そう言い、立ち上がって隣の部屋の入り口を開いた。

 あれ? かなり商品が少なくなってるんだけど。


「あの、かなりの商品がありませんね。これはどういうことですか?」

「え、えっと。あの、そのですね。お急ぎの貴族の方がおられまして。その方が既にお買い上げになりまして……」


 は? 

 何言ってんの、この人。


「副会頭さんだけっか。それはおかしくないか? 例え相手が貴族でも、あまりに勝手すぎるぞ。タケル、明細はあるのか?」

「うん。昨日もらった。現物と確認してチェックしたから間違いない」

「それなら、逆に高めに査定するもんだろ。おかしい事いうな、お前ら。どこの貴族だ?」

「ええと、ええと……」


 なるほどな。俺が鑑定できるっていうの、信じてなかったか。これ、どうするかなぁ。めんどくさいよ、ほんと。

 だけど、討伐して手に入れたんだから、かなりの重労働だよな。


「貴族の名前をいわないのですか。わかりました。それでは、国に訴えるか、商人ギルドの上の方へ訴えますね。俺は確かに子供ですが、十六歳の商人です。これらを手に入れる為に、盗賊と戦い、殲滅してから手に入れました。それなりの重労働だと思いますけど。それを勝手に。俺が鑑定魔法使えるって聞いてましたよね。そこそこレベルの高い鑑定魔法を使います。それに、剣士としてもレベルMAXです。それだから、盗賊のアジトに飛び込んでも無事に戻ってこられる。それだけは理解しておいてください。気に入らなければ、俺はその貴族も商人ギルドも敵と見なします」

「あ、あああ、あの、あのですね! 本当に申し訳ございませんでした。適正価格で買い取りさせていただきますので、なんとかお許しいただけませんか?」


 どうするかな。


「どうするんだよ、タケル。うちのギルマスに国王陛下への謁見を申し出てもらうか? それくらいならできると思うぞ。なんか、幼なじみみたいだし」

  

 へえ、それは面白いな。


「それ、楽しい話になりそうですね。そうしてもらおうかな。当然、買取はしてもらうけど。貴族の態度が気に入らないから」


 ちょっと待て、と水晶を貸せと言われた。

 面白いな、この人も。


「それで。適正価格とは、どれくらいですか? 最初からそうしておけば、国王陛下に謁見などと話にならなかったのにね」

「で、できましたら、謁見の話は避けていただければありがたいのですが……」

「無理でしょ。その横暴な貴族の名前をいわないんだし。弱みでもあるの?」

「……いえ、そのようなことは。ええと、あの……」

「ねえ、お兄さん。ここの会頭さんは? 顔出してもらえるかなぁ」


 すぐに、とたっていた男性は部屋を出た。

 副会頭は、今にも死にそうな顔をしてるけど。


「タケル。ギルマスが宰相に連絡してるから。すぐに答えが出ると思う」


 なるほどね。まあ、国王ならいろいろあるだろうけど、どうかな。民の訴えに耳を貸すかどうか、楽しみな話だよ。



「失礼します。タケル・ヤマト様でしょうか。私は、ここの会頭でマリア・ルクレルと申します。この度は、何やらご迷惑をおかけしたようで」


 キリッとしたスーツみたいな服を着こなし、鋭い眼光ながら礼節を忘れない。このギルドを束ねるに値する、凛とした美しさを持つ女性だ。 


「そうですね。とても信じられないことがありました。この国の商人ギルドはこういう考えなのでしょうか」


 ええと? 何があった、と副会頭に聞いてる。

 どうやら、会頭さんには俺の話は届いてなかったみたいだね。

 見積もりを見ながら隣の部屋にいって、商品を確認してる。ふむ、ちゃんとしてるじゃないか。


「タケル。ギルマスからだ。とりあえず、ここの話を聞いてギルドに来いって。一応、すぐにでも謁見できる様にしてくれるらしい」


 わかった、ありがと。

 ふん、この国の国王は、話がわかりそうだね。


「ヤマト様。今、明細と商品を確認いたしました。誠に申し訳ございません! 昨日の報告書には、ヤマト様のことは書かれていませんでした。会頭として、知らぬこと自体が罪でしょう。どうお詫びをいって良いものか。先ほどのお話では、国王陛下との謁見の話があるそうですが、できましたら私も共に参らせていただきたいです!」

「まあ、それは俺の独断では無理ですね。あとでお話しましょうか」


 別の見積書が持って来られた。あ、さっきのお兄さんだ。この人はちゃんとしてるんだけどねえ。


「こちらでお願いできませんでしょうか?」

「うーん、金額は問題ないけど。まだ他にもあるから、別の国に見てもらってもいいですよ。別に今すぐお金がないって訳じゃありませんので」

「そ、それは。どのようなものでしょうか?」

「ええとね、魔道具は自分が使うもの以外残してないけど、あとは剣、大剣、短剣とかまあ、他にもいろいろあるよ」

「そ、それはとても興味深いです。どのような剣ですか?」

「魔剣とか、何とかっていう人が作った大剣とか、いろいろかな」

 

 俺の話を聞いた瞬間、会頭の目の色が変わったように見える。伝説級の武器が子供の口から次々と飛び出す異常事態に、周囲の空気が凍りつく。


「イリア、どうしようか。ヒラリさんに買取の皮とか届けたいし、ケーキと紅茶を買いたいんだ。昨日口にして、とても美味しかったから」


 あれほど旨いものは、この世界に来て初めてだったかも知れない。ハクもあんなに喜んでたしな。あれなら一度に三個は食べられそうだ。(どれだけ金や権力で揉めようが、俺にとってはない要理もあの甘美なケーキの方が重要だからな)


「それは、かなり興味深いな。それなら、先に買いに行きたい所だが、とりあえず、ギルドだろう」


 まあ、そうだよね。



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