第13話 冒険者ギルドに向かい解体を頼んで、商業ギルドで大きめのマジックテントを買う
そうこうしているうちに、イリアたちがやってきた。
「タケル。あの時以来だな。やっと来たか、待ってたんだぞ」
「あはは、いろいろ寄り道してたから。で、皆は大丈夫だった?」
「おう、問題ない。それで、もしかして、そこにいる魔物はお前の従魔か?」
「そう。今、従魔の首輪を買おうと思ってお願いしたんだ。あとは背中に乗る椅子を作ってもらおうかと思って」
「それ、とんでもないことになるぞ、金が。も、もしかして、その従魔の首輪って、ヒヒイロカネ、か?」
「そう。あの子はいろいろ特殊な個体なんだよ。毛色も綺麗な白でしょ。だから赤いのが良いかと思ってね。霊獣だし、普通のはかわいそうだから」
「おいおい、とんでもないな」と呆れられたんだが、なぜだ?
「まあ、お前らしくていいな。それで、この後は?」
「ええとね、馬具屋さんが来てくれたらハクの採寸だね。あとは、魔物の買取を検討してくれるって。で、数を伝えてたんだ」
どれどれとイリアがメモをのぞき込んでる。
俺は次々と残りを伝えた。ふむふむと頷いていたヒラリさんだが、途中から動きがおかしくなってきた。なぜなんだろう?
それにしてもこれほどあったのか。まあ、ハクがいてくれるから、あっちこっちで狩りもできたけど。オークなんかいたっけ? あ、あの集落を潰した時か。忘れてたよ。
「それくらいですね。ワイバーンの皮が三頭分くらいほしいです。あと、肉は俺が。サーペントですが、肉が旨いので肉を。それと皮はそれぞれ二頭分ずつほしいですね。あとは、オークキングが二頭いますけど、それは肉を。あとは、マナバイソンの肉、コカトリスの肉、レッドバードの肉とクビのふわふわの羽毛は俺が。あと、美味しい肉はありますか?」
はぁ、とイリアが頭を抱えてるぞ。
「お前、これほどの数をヒラリさんにいうのは酷だ。冒険者ギルドにも出せよ。解体場長は腕がいいぞ。大喜びじゃないか、これほどの肉があれば」
「そうですね。うちもこれらすべては無理です。ワイバーンとサーペントの皮はほしいです。あとは、ポーションの材料になるマナバイソンの角やサーペントの目玉とかはほしいですね。それ以外でしたら、亜竜系のお肉があれば少し分けてもらいたいです。おそらく、解体は冒険者ギルドの場長の方が早いでしょうし腕がいい。それでしたら、素材だけを買い取らせてもらいたいです。他は盗賊のお宝を教えていただけませんか?」
はい、とまたもやアイテムボックスの明細を一からいうことになってしまった。
その中に、通信用水晶があったので、それは売らないことにした。かなりの数があったけど。
その間に、馬具の職人が来て、大きな身体のサイズを恐る恐る測って、何が必要かと話をして皮も決めて戻っていった。皮はサイクロプスの皮の内側にオークの皮をなめしたものにしてくれるそうだ。当然、皮は俺が提供するんだけど。中にはしっかりした芯を柔らかいキルトで挟んで仕上げてくれるらしい。その上に今のクッションを置いて座るといえば、クッションも測ってったぞ。まあ、いいけど。
面倒になってきたんだが、買取希望商品の明細を作っている間に、イリアに水晶を貸し出して、ギルドの場長に聞いてもらうことにした。
「すぐにでも持って来い」と言われたらしいので、ヒラリさんには全て新品だと伝え、明日、見積もりをもらうことにした。
それから、俺たちは、話をしながら街を歩いてます。既に、ハクのクビにはヒヒイロカネの従魔の首輪がついてるんだけどね。
「今夜はどうするんだ、どこに泊まる? よかったらメシでも食うか、一緒に」
「そうしたいんだけど、従魔の入れる店がある?」
「もっと小さかったら大丈夫だけど。」
「そうか。あんまり小さいと可愛そうでしょ。それに宿も確保したいんだ」
みんなと相談しはじめたので、旨い店にしてくれといっておいたよ、当然。
やっとギルドに到着して、ハクも一緒に入ってゆく。大型魔物の搬入口があるので、大丈夫だった。
「よう、お前が魔物を狩る商人か。で、急ぐのはあるか?」
「ええと、サイクロプスの皮とオークキングの皮がそれぞれ二頭分ほしいです。それ以外はそれぞれですけど、ワイバーンは皮と肉は全部。サーペントも皮と肉がほしいですね。あとは亜竜がいるので、その肉が欲しいです。皮は見てから決めます。あと、コカトリスの肉は全部。レッドバードの肉全部と首元の羽毛は全部引き取ります。マナバイソンの肉も全部いります。他は、それぞれあとで決めます」
「おいおい、肉がほしいのか? それと皮か。肉は少しでもギルドに卸してくれないか、頼む」
「うーん、でも、大食いがいるので大変なんですよ」
「大食い? もしかして、そのデカいのか。従魔の首輪を付けてるが、お前の従魔か?」
「はい。だから、肉は確保したい」
「ふむ。しばらくはいるんだろ? それなら、その間に狩りに行かないのか? この先も狩るだろうし」
「俺は解体したくないんですよ。獲物を解体する為に街に寄るのは面倒だし」
「そういうことか。お前、冒険者登録はしないのか?」
「しません。いまさら、Fランクとか嫌です」
「それなんだけどよ、オヤジさん……」
イリアは話し始めた。どうやら俺の戦いを説明しているらしい。
ほう、とこちらを見る場長だけど、俺は無理だよ~
外にでてみれば、そろそろ屋台が出るようだね。
「じゃあ、とりあえず、タケル。魔物を出せ。最優先でやってやる。サイクロプスとオークキングだ。あとは、何がいる」
「とりあえず、宿を取るつもりなので、大丈夫ですよ」
「わかった、明日の朝、十時頃に取りに来い。それくらいならギルドも暇だろうよ。で、イリアはどうする?」
「俺も戻ったばかりだから少しゆっくりしようと思ってた。だから、一緒に来るよ。ナイフとかも欲しいらしいから、いろいろ連れていってやろうと思って」
「よし、じゃあ、明日の朝だな」
場長に挨拶して、俺とハクは外にでた。そこで屋台を発見! いい匂いがしてるね。
「イリア、どの屋台が旨い?」
「そうだな、あそこのギルドの入り口反対側に店だしてるおやっさんの肉串は旨い。あと、隣りにある揚げ物も旨いぞ。反対側にあるのが水や果実水を売ってる店だ。よく冷えてて旨い。そうだな、あとは、端っこにある小さな屋台だけど、細かくした肉を練ったやつを棒にさして焼いてる。あれも旨いぞ」
じゃあ、とそれぞれ、一本ずつ買って、皆と一緒に食べてみる。ハクは肉串がお気に入りらしい。俺はスパイスが効いた肉串が好きだな。どれくらい焼いてもらえるかと問えば、仕上げする前のものが、肉串のタレが五十本、野菜と肉を挟んだものは五十本あるらしいので、全部頼んだ。当然、金を払いタケルだと伝えて移動する。先にミンチ肉を売ってる店で買って、「つくねだろ、これ」と独りごち、それもできるだけ多く買い込んだ。あとは揚げ物屋さんを覗けば、コロッケみたいなのと、オークのカツみたいなやつ、あとは野菜のフライがいろいろ、他にもいろいろあったので、全てできるだけ揚げてもらうことにした。
その近くの果実水を全て買うのは忘れない。
冷えてなくてもいいなら、箱で持って来てくれると聞いて頼んでおいた。明日の朝でもいいかと言えば、朝、一度商売に来るらしいので、その時にと頼んだ。
次々できあがる旨いものを、受け取ってはアイテムボックスに入れてゆく。これ、いい感じだな。
依頼から戻った冒険者たちは、先にギルドに入っていくので、その間に受け取れるからね。
今夜の店の相談をしてくれてるイリアたちを横目で見ながら、俺は忙しい。途中でハクが食うし、本当に大忙しだ。
三十分近くかかって、何とか全てを買った。
明日の朝もくるから、と皆が言ってくれたのでとても嬉しかった。
その後、俺とハクは商人ギルドに向かう。
とりあえず、今のより大きなテントを買うのと、宿を紹介してもらいたかったから。
イリアたちは、ぞろぞろ付いてくるんだけど?
商人ギルド向かい、従魔も泊まれる宿を紹介してもらう。メシの旨いところがいい。
紹介してもらったのは、ギルドの正面にあった宿だ。外部から食事にくるほどらしい。これって、商人ギルドのデフォルト?
買取の査定に関しては、次の機会にしよう。
あとは、
紹介状をもらい、カードを渡してテントの金を払う。
金額を聞いたイリアたちは、ひゅっと背筋が伸びたよ。なんで?
じゃあ、夕食は宿で取ろうといったんだが、高いんだろ? と聞くので、俺がおごるよと伝えれば、大喜びだった。プライドはないのか、お前たちーーー!
さっそく宿に行って、商人ギルドの紹介状を取り出す。
「タケル・ヤマト様。本日は当宿をご利用いただきありがとうございます。お部屋でございますが、ご希望はございますか?」
「ええと、この子は従魔なんですが、一緒に泊まれますか?」
「大きいですね。でも、大丈夫ですよ。他には?」
「お風呂がある方がいいです」
「かしこまりました。少々広いお部屋になりますが、よろしいでしょうか」
問題ないよ~
「では、一泊のご予定ですか?」
「ええと、しばらくお世話になると思います。とりあえず三日、お願いします」
承知いたしました、と金額を書いた紙を見せてくれる。
一泊、金貨一枚と銀貨五枚なので、合計で、金貨四枚と銀貨五枚を支払い鍵をもらった。なぜだか、イリアたちが直立しているんだけど、どうしたんだろうね。
「あの、友人と食事を取りたいと思いますが、席は大丈夫ですか?」
人数はと問われたので、俺たち以外は四人だといえば、大丈夫です、と請け負ってくれた。
「ねえ、食事だけど、何時からにする?」
レストランの方は大丈夫らしいけど、まだ少々早い気がする。
じゃあ、夕方六時くらいに集まることになった。
俺とハクは、階段を上がる。二階の大通り沿いの角部屋でした。
部屋に入った途端、少し身体を小さくしたハクは駆け回ってるね。
思ったより随分広い部屋で驚いたけど、これならゆっくり寝られそうだね。
先に風呂に入るか、とハクと一緒にお風呂に行って驚いた。うん、広いよすごく。小さくなればハクなら泳げそうだね。
さっそく風呂に突入して、ハクは柴犬くらいの大きさになって泳いでる。俺も飛び込んで泳いだよ、一緒に。
バシャバシャと短い足で犬かきをするハク。最強の霊獣の面影はどこに行ったんだよ、ただの風呂好きの白い猫じゃないか。
ひとしきり楽しんで、綺麗になった俺たちは、そろそろ時間だと部屋を出た。




