第12話 王都に到着し、ヒラリさんと再会した
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「じゃあ、あれをもらう。いくらですか」
「え、ええと。よろしいのですか?」
「うん。早くしてほしいんだけど」
少し待ってくれと店員は奥へと走った。
「本日は、ウルバット宝飾店へようこそおいでくださいました。ヒヒイロカネの従魔の首輪をお買い上げだと伺いました」
「そう。だから早くしてほしい。まだ移動するんだから」
「かしこまりました。では、こちらは、少々お高くてですね」
なんだこいつ。なんだか嫌らしい目つきだな。俺には無理だと思ってるのか?
「俺みたいな若造には売れないか? じゃあ、別にいいよ。王都で買う。あちらにも知り合いの商会があるし。ここでなくてもいい。王都なら少し時間もとれるから。じゃあ、悪いが店員さん、あの首輪、外してくれ。仕方がないから、これを付けていくよ」
ムカついたので、そのまま外にでた。
『どうしたの、主』
「俺みたいなガキが買うのが信じられないらしいぞ。だから王都で買う。もっといろいろありそうだしな。悪いが、王都まで少し我慢してくれ」
『問題ないよ。早く外して!』
ああ、と赤い従魔の首輪を外して、店主が来ていたので渡した。ハクも気分を害したみたい。
「あ、あの。そういう意味ではなかったのですが。よろしければお買い上げを……」
「いや、いい。冒険者ギルドでは、ガキだなんだと言われたが、商人ギルドはそうじゃなかった。だから商人として登録した。だが、こういう店もあるんだな。ギルドとは考え方が違うらしい。どうせ、王都の商人ギルドにも査定してほしい商品もかなりある。その時にも見てみよう。知り合いの店にもあると思うから気にするな」
失礼する、と俺は飛翔魔法でハクの上に乗った。そしてそのままゆっくり歩き出す。
何か言ってたけど無視だ。
それから東門までのんびり歩いて、美味しいものをゲットした。ここからなら、転移ですぐだというので、菓子類をゲットしてゆく。時間が早いからか、屋台も出ていないので、少々寂しいが仕方ない。
だけど、思ったよりも良い収穫があった。
焼き菓子やパウンドケーキなど、たくさん買い込む。途中で、肉を焼いたりお好み焼きみたいなものを売ってる店もあったので、できるだけ多く買う。
和菓子みたいなものもあった。
他にも、サンドイッチ専門店があって、様々なサンドイッチが売られていた。オープンサンドも十種類以上あって、ほぼ全ての商品を買い込んだ。
あとは、肉の燻製とか佃煮みたいなやつなどもあり、楽しかった。
最後にゲットした今川焼きのようなあんこ入りの熱々をできてる分、全てを買い込み、ハクと食べ歩きして辺境門を出た。俺のクビには従魔のタグがかかっているが、ハクのクビを見ただけでパスできた。
ハクと一緒に、熱々のあんこがつまっが生地を頬張る。甘い匂いが鼻を抜けて、嫌な気分も少し晴れた。サンドイッチもボリュームがあり、ローストビーフを挟んだものもあった。ハグハグ食った俺たちは、街道の端っこで水を飲んでいる。ハクは大きく口を開いて、そこに俺の水魔法で水を流し込む。俺も同じように飲んで、腹がいっぱいになった。
『じゃあ、主。今から少し駆けるよ。人が見えなくなったところで転移しよう』
「おう、頼むな」
いつものように、それぞれが結界を張り、進む。俺はアイテムボックスの中を確認しているのだ。
商人ギルドに鑑定してもらうものを確認する為だ。
魔道具は当然買取りしてもらうんだが、トイレと風呂の蛇口とかは空間が作れるって聞いたから、一セットは使おうと思ってる。排水の魔道具も使えればいいなと考えてるんだ。その方が匂いとか気にしなくていいから。
あとは、貴族用の服とか防具類、中級の剣、槍、大剣、短剣など。あとは高ランクの剣などだな。残念ながら、ナイフがなかった。解体用とか、普通のとか、どういうのがあるのかは知らないけど、手頃なナイフを持っていたい。短剣もそこそこ使えるが、薬草を採ったり果物をとったりと使い勝手が悪いからね。
他には、アイテムボックス類だな。
容量無制限で時間停止のものを指輪、ブレスレットは残して、後は売ろうと思ってる。今使ってる鞄は売らないけど。これは宝物庫にあったものだし、もったいない。
それら以外、盗賊のアジトで持ち帰ったものは、残すと決めたもの以外はほぼ売りたい。宝石なども同じだ。鉱石はちょっと考えているんだけど。
あの、ヒラリという商人がどれ程のものを扱っているのか、見てからでもいいと思ってる。全ては無理だろうけど、欲しいものがあるなら買ってもらってもいいし。もしかしたら、魔物も引き取ってくれるかもしれない。かなりの大きな商会じゃないと無理だろうけど。どのみち、一度では終わらないから、冒険者ギルドに行くことになるけど。はぁ、行きたくないな、正直いって。
イリアがいれば問題ないかと思ってるが、どうだろうか、依頼に出ていなければいいけど。
『主。人の流れが切れたから、今から転移するよ』
『おう、頼むな』
シュッと光が通ったかと思ったら、大きな門が見える空にいた。
ゆっくりと地上に降りてゆくハクだけど、少し手前で降りたな。ちゃんと気遣いができるんだよ、俺の眷属は。
ここはそれほど並んでないな。
どういうことだ?
なるほど、一般の門が多いんだな。それでスルスルと進んでいるんだろう。
十分ほどで俺の順番がやってきた。
「身分証明と従魔の証明を」
はい、と俺は商人のギルドカードを取り出して見せる。そしてクビから下げている従魔のタグを見せた。
よし、とすぐに通してもらったんだ。やっぱり辺境で登録しておいてよかったな。
ゆっくりとハクと一緒に進む。今はまだ背中に乗っかってるけど、このままでいいか。
冒険者ギルドの場所は聞いた。ヒラリの店の場所も教えてくれたので、とりあえず行くことにした。
王宮の近くにあるのがヒラリの店らしい。『ヒラリ総合商会』というらしいのだが、どこだ?
あ、あれか?
おお、ちゃんと看板もあるぞ。
店の前で止まったハクの背から降りて、ハクには小さくなってもらう。中くらいだね。
「いらっしゃいませ。ヒラリ総合商会へようこそ」
「こんにちは。ヒラリさんはおられますか? 俺はタケルといいますが」
「タケル様ですね、しばらくお待ちください」
この店は、店の前に馬車が停められるようになっている。もちろん、獣魔も止められるのだが。
「お待たせしました、私が、ヒラリと……タケルさん! 先日はお世話になりました。心から感謝しております。無事に来られたのですね?」
「はい。さっき到着しました。それでヒラリさんはご無事かと思いまして」
「イリアさんたち護衛の方々が頑張ってくれまして、なんとか無事に戻って来られました。イリアさんにお会いになりましたか?」
「いえ。まだです。さっき、王都門をくぐったばかりで。それで、最初にこちらへ。欲しいものもあったので」
「なるほど、左様ですか。ええと、その魔物はタケル様の従魔ですか?」
「はい。魔物なので、従魔の首輪が欲しくて。今付けてるのはギルドで買った鉄なんですよ。なので、なにかあるかと」
「承知いたしました。では、あちらのドアからお入りください。イリアさんたちはギルドにおられるので、連絡してみましょう」
「ハク。今から従魔の首輪を見せてもらう。それと知り合いが来るかもしれないから、あっちのドアから入れるって」
『少し小さくなった方がいいね』
店内に入れば、応接室へと通される。
そこに香りのいい紅茶とケーキが置かれた。
ヒラリさんは、従魔の首輪を取りに行ってくれたので、その間に味わって食べる。
おっそろしく旨いケーキなんだけど。どういうことだよ、これ。
旨い、旨いなあ。売ってるのかな、ハクにも出してもらったのだが、美味しそうに食べてるね。
どうやらイリアさんたちはギルドにいたようで、すぐに来るらしい。それはありがたいな。
従魔の首輪はいろいろあった。
だけど、ミスリルなどの合金は却下。
あとは、ミスリルとヒヒイロカネになる。だけど、やはりミスリルよりはヒヒイロカネだな。
今の首輪の長さを測って伝えれば、やはりもっと大きいものになりそうだ。作り方は辺境の店と同じで形も同じだった。
実際の大きさはもっと大きいんだといえば、ここでも大きくなれるか? と聞くのでハクに聞けば、大丈夫だって。じゃあ、とゆっくり大きくなってもらった。
ヒラリはひっくり返りそうになってたけど。
一番大きいものは、今のよりも二十センチ大きかった。じゃあ、これにします、といえば大層礼を言われた。
このとき、大きくなっても小さくなっても、その首にぴったりと吸い付くように形を変えるヒヒイロカネの従魔のネックレスにしたい、と魔法を使ってみた。……よし、これで完璧だ! すると、「伸縮自在」と名付けられたスキルができあがったね。
採寸が終われば、すぐに身体を小さくしたよ、ハクは。本当にお利口だな。
他には、といわれて、今から商人ギルドにいって買取の査定をしてもらおうと思っていること、ハクの毛をとくブラシなど、他に必要なものは全てほしいと伝えた。
「背中に乗って移動されますか? もし、そうなら、専用の椅子はいかがでしょうか。数日お時間はいただけるなら、しっかり採寸して作らせますので」
「そうですか。作ってもらえるならありがたいです。どのみち、魔物の解体を頼みたいので、冒険者ギルドに行こうかと思ってまして」
「なるほど。当店でも魔物の買取はできますが、必要な素材はわかりますか?」
「素材といえば皮くらいですね。あとは肉がほしいです。ハクがかなり食うので、普通に買ってたら間に合いません」
「なるほど、そうですか。では、すぐに馬具の職人を呼びましょう。少しでも早い方がいいですからね。あと、魔物はどのようなものがありますか?」
アイテムボックスの明細を見ながらそれぞれの数をいいます。ヒラリさんは、驚きながらメモしてました。




