第2章: 幸せな人生を描くためのステップ
ある本を妻に進められて読んでみたところ、最初は全く理解できなかったのです。
どうにか読破したのちになんとなく頭に残っていたことをふとした出来事と本の内容が重なり、このことだったのかと気づきが入ったりと何度か読み返したり、実践してみたりとするうちに深く入っていくのがわかりました。何度も読み返したり、実際に本に書いてあることを実践することをお勧めします。
「終わりから始める」—理想の人生を描く方法
「終わりから始める」という考え方は、スティーブン・R・コヴィーの『7つの習慣』に出てくる重要な概念です。
この言葉は、「自分が人生で何を成し遂げたいか」「どのように生きたいか」というビジョンを明確にし、それを基盤にして日々の行動を選んでいくという方法です。
例えば、人生の最期に自分がどのような人物でありたいかを想像することから始めるのです。
私自身、事業を始めた頃は「成功」や「大きな目標」にのみ目を向けていました。
大きな売上目標や収入の増加だけを追いかけ、そのための計画を立てていました。
しかし、それだけでは本当の充実感や幸せにはつながりませんでした。
私が学んだのは、目指すべきゴールが「どのように社会や他者に貢献できるか」という視点を含んでいるとき、そこから得られる満足感が大きくなるということです。
これは研究でも示されており、幸せや満足感は、他者に貢献していると感じるときに高まる傾向があることが分かっています。
このように、「終わりから始める」ことで、自分がどんな人間でありたいか、どのように周りの人々に貢献したいかを明確にすることで、日々の選択や行動に迷いが少なくなり、幸福感も自然と増していきます。
目標設定 — 小さな目標を積み重ねて大きなビジョンへ
人生のゴールを描いた後は、それを実現するための具体的な目標を設定することが大切です。
大きなビジョンを実現するには、小さな目標を一つずつ積み重ねることが効果的です。
私が新たに事業を始めた際、最初の目標は「まずは定期的な収入を確保する」ことでした。
その後、「新たなクライアントを増やす」「顧客満足度を高める」といった具体的な目標を立て、少しずつ階段を上るように進んでいきました。
このような目標設定には、心理学で言われる「スモールウィン(小さな成功体験)」の効果があります。
小さな成功体験を積み重ねることで、自信とモチベーションが向上し、大きな目標に対しても前向きに取り組めるようになります。
また、進捗を感じやすくなるため、挫折しにくくなる効果もあります。
例えば、「今日は〇〇の準備を終える」といった小さな目標を設定し、それを達成することで、日々の充実感も増します。
実体験に基づく事例 — 挫折から再生、そして実現への道 私が目標達成の過程で感じたことの一つは、計画通りにいかない状況でも、軸となるビジョンがしっかりしていれば再び立ち直れるということです。
例えば、ネットワークビジネスでの失敗や、そこからの離婚、経済的な破綻などの経験は、私にとって大きな挫折でした。そんな中でも私は「新しい事業を立ち上げ、金持ちになって社会に貢献する」というビジョンを持ち続けました。
最初は人材派遣会社から工場の作業員という再スタートでした。油焼けで、体調をくずし、意見を述べたところ報復人事にあい、ベルトコンベヤーのような作業を人力で強いられているとさらに体調を崩し退職をしました。
その後、車一台に家財道具を詰め込め込んで、上京し住み込みで新聞配達店員を始めました。
雨の日も嵐の日も雪の日も乗り越え、しばらく新聞配達に励んでいました。
とある早朝に配達用のバイクをアパートの下において配達の為新聞を抱えて走っていました。
小説かと思われますが、突如暴漢が現れてバイクの籠においているスポーツ新聞をおもむろにつかんで持ち去ろうとしたのです。
スポーツ新聞は数が少ないため持ち去られると配達に支障が出ます。
思わず「ちょっと待てこらー」などと大きな声が出てしまいました。
するとその暴漢は戻ってきて「なんだこらーお前は広島県民か~?あ~ん?」といった口調でライトノベルにも出てきそうな鉄板の悪役調に殴りかかってきたのです。
大事な商品の新聞を小脇に抱えていたので、空手の技が使えず、相手のこぶしを額で受けることにしました。ところがその暴漢は何やら指輪をつけていたようで、ある程度力場を受け流していたはずなのに私の額からは流血してしまいました。私のその顔面を見たからなのか相手の攻撃がひるんだので、すぐに携帯電話で警察に連絡をしていると、「最近の奴は直ぐに警察に電話しやがる、くそっ、おぼえてろっ!」とこれもまたドラマでも見ているのかと鉄板の捨て台詞をはいて闇に消え去りました。
血まみれになった新聞を除去して、どうにかその日の配達を終えるころ警察が到着し、現場検証や、のちに暑での事情聴取などで、いろいろな手続きを済まして一連の捜査協力を終えました。
数日後のある日、またしてもその人間を見かけたのです。今度はバイクにガソリンを入れていたところにちょうどその人間もBMWに給油していたので、すぐに警察に通報しました。その後にまた警察に聴取のために呼ばれ、強面の方々の写真を見せられ「この中のどれでしたか?」ドラマのような話ですが、オレンジの服を着て正面からの写真を12人分見せられ、その中に間違いなくこの人です。図証言をしました。そのようなトラブルを経て、新聞配達店の業務に支障をきたしたりということでまた職場を変えることとなったのです。ちょうど、知り合いが浄水器の販売をしたいという誘いを受け、心機一転、浄水器の訪問販売員として少しステップアップしたつもりで日々業務を継続していました。
一歩ずつ小さな目標を立て少しずつ再起に向けて日々行動していました。
ところがまたしても転機は突然訪れます。通勤途中の青信号の歩道直近で車に轢かれるました。
ふと気が付くと空が見えていました。周囲からは歓声がとも取れるような悲鳴が上がり、周辺の人が交差点中央でぐったりとしていた私を安全な歩道の端に胴上げをしながら連れて行ってくれました。
救急車に乗せられ首に何か固いものを巻き付けられ緊急走行で病院に搬送されました。
あとから救急隊員か、警察の事情聴取だったかから聞かされたのですが、車道中央まで18mも飛ばされて大腿にタイヤの轢跡が鮮明についており危険な状態でしたよ。と軽くさらっと言われました。
病院では内臓破裂などを疑われ通院を余儀なくされます。
通院を続けていると零細ブラック個人事業者は容赦なく首を切りかかります。
某アメリカ大統領ではないですが「おまえは、首だっ!」
仕事を失った私は仕事を探し色々と検索していました。
その時に某大手厨房機器メーカーにいた頃に見知った方からメールを頂きパナソニックのサービスエージェントとして再起することになりました。
この経験から得たのは、人生の困難が訪れたときでも、最終的なビジョンに向けての道筋が見えていれば進み続けることができるということです。
具体的な計画がずれたり、目標が変わったりしても、軸がぶれなければ道を見失わずにいられます。
まとめとワークショップ
ここまで紹介してきた「終わりから始める」と「目標設定」は、どんな人でも実践できる、シンプルかつ強力な方法です。
最後に、この章の内容を振り返り、あなた自身が自分のビジョンを描き、実現するための一歩を踏み出すためのワークショップを用意しました。
ワークショップ: あなたの「幸せな人生」を描く
1. ビジョンを描く • 自分の人生の最期に、どんな人間として覚えられたいかを書き出してみましょう。 • 自分にとっての「幸せな人生」とはどのようなものでしょうか?箇条書きで構いませんので、可能な限り具体的に書いてください。
2. 大きな目標を分解する • 上記で描いたビジョンに近づくために、達成したい大きな目標をいくつか設定しましょう。 • その大きな目標をさらに細かく分けて、小さな達成可能なステップに分解してみてください。
3. 行動計画を立てる • 今週または今月に取り組むべき行動を具体的に書き出します。 • たとえば、「新しいスキルを学ぶ」「人と話す機会を増やす」「一日5分でも感謝を日記に書く」といった小さな行動でも構いません。 このワークショップを通じて、幸せな人生を描くための第一歩が踏み出せるはずです。最初は些細なことでも、日々の積み重ねがやがて大きな変化を生むでしょう。
少々、描写が写実的になってしまいましたがご容赦下さい。間違いなく私の経験なのです。
どうにか切り抜けられたということは運がよかったのかもしれません。
ふと思えば転機は困難の後に訪れていたように思います。普段生活ではあまり経験しないようなことも経験しました。そんな経験をしたからこそ、平穏の中に幸せがあるのだと気付けるのかもしれません。